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新世界はいつまでたっても終わらない











小説を書く人がいる限り、新しい物語が生まれ続けるように…新世界は、エンドレスで進化し続ける。


時間の経過とともに、新世界は、どんどんと豊かになってゆく。


ありとあらゆるイメージ、ありとあらゆるシナリオ、ありとあらゆるキャラクター、ありとあらゆる音楽…


ありとあらゆる体験が、新世界にはストックされていった。


そして、人気のある体験群が、「お勧め」としてランキングされるようになった。


だが、その人気のある体験群だけでも、すぐにほとんど無数にストックされてしまった。


もはや、体験するよりも、ストックが増える方が圧倒的に早くなってしまったのだ。


小説を読むよりも、読める小説が増える速度の方が早くなってしまうのと似ている。


人気のある体験群だけでも、そのランキングの上位だけでも、もう全部は体験しきれないのだ……


なんという、贅沢…


これが本当の贅沢なのだと、体験者たちは理解するようになった。


旧世界での贅沢などと比較すると、くらべものにならない。


さらに、空想熟練者たちは、次々と自分の空想能力だけで完全に満足できるようになってしまい、自分だけの新世界を創造しはじめた。


つまり、新世界は、新世界だけでも体験自由自在なのだが、さらに、似たようなタイプの違う新世界が次々と新しく生まれ続けるようになったのだ。


それはまるで、肉体というものが繁殖する様にも似ていたが、体験自由自在の新世界そのものが繁殖しはじめたのだ。


親新世界に子新世界、さらに孫新世界…というように…エンドレスで繁殖し、しかも、時空間を無限に設定したので、いずれも滅びないで存在し続けてゆく…


そしてついには、そうした体験自由自在の新世界を体験者たちは自由に行ったり来たりもできるようになった。


まあ、海外旅行が自由にできるようなノリでだ。


いずれの新世界も、ラベルが新世界なので、「自分の体験を自分で完全にコントロールできる」 という点は共通している。


だから、絶対の安全は確保されている。 旧世界にある海外旅行保険のようなものは、だから必要ない。


お気に入りの魂の創造した新世界に遊びに行く…というのは、実に楽しい。


お気に入りの小説や漫画に没頭し堪能している時のように楽しい。


時々、その新世界の創造主たちが、いろいろなサプライズをしてくれるのが、また楽しい。


お目当てのお気に入りのキャラクターとイチャイチャできたりすると、もう、天にも昇る気分だ。


大抵の新世界の創造主たちは、そうしたサービス精神が旺盛なのだ。


これはもう、エンドレスでもいい…というか、終わらせるわけにはいかない…ほとんどの体験者たちがそう思っている。本気で。


そういうわけで、新世界は、いつまでたっても終わらない。


みんなが、終わらせたくないと本気で思っている世界は、終わりようがないのだ。


旧世界の体験者たちに、この真理を教えてあげたかったなーなどと誰かがつぶやいた。


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