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異世界侵略10日目(全知全能の創造主の嘘と残酷な世界の真実)



怒鳴り込んできた創造主は、自分が「全知全能」だという。



本当にそうであるならば、勝ち目などない。



すべてを知り、何でもできるのだから、勝てる道理がない。



だが、ここでしっぽを巻いて逃げ出すわけにもいかない。



なぜなら、俺は、意識世界の旅人なのだからな。



ちなみに、俺が愛を叩き込んだこの異世界の人々やゴブリンたちは、創造主の登場で愛と創造主の板挟みになって混乱している。



愛と創造主、、、どちらを選ぶべきか、、、というわけだ。



俺は、時間の巻き戻しをして、この異世界の過去を調べてみる。



ふむ、、、なるほど、、、どうやらこの異世界の創造主は、自分が感謝され賛美され尊敬され崇められたいと思っているようだな、、、。



わざわざ自分を「ほめたたえる会」みたいなものを作って、自分を崇めさせたりしていたのか、、、。


しかもその方法がえげつなくて、わざと人々を苦しめておいて、人々にその苦しみが創造主がわざと与えたものだとわからないように救いの手を差し出し、、、そうしたことを繰り返して、、、、自分の信者をつくりだしていた。



なるほど、、、と俺は思う。




とすれば、、、この異世界の創造主が「全知全能」であるはずがない。



なぜなら、本当に「全知全能」であるならば、そんなえげつないことをしなくても、自分で自分を満足させることくらい簡単にできるからだ。



人々やゴブリンからの賛美や感謝や尊敬など、欲しがるはずがないからだ。



ほんとうに全知全能なら、それができなければおかしいからだ。



ちなみに、新世界ではそれが自由自在にできるのだ。



新世界では、自分の体験そのものを自由自在にコントロールして完璧に満足することができる。



それが新世界の重要な基本設定になっている。



ということは? この異世界の創造主が「全知全能」であるというのは、明らかに嘘だろう。



それなりに人々やゴブリン程度を支配するだけの力や知性はあるのかもしれないが、少なくとも「全知全能」というのは嘘だろう。



しかもだ、、、この異世界の創造主は、自分が「全知全能」であると言いながら、人間たちとゴブリンたちを憎しみ合わせ、殺し合いをさせている。



どちらもその異世界の創造主を崇めているというのに、その両者に殺し合いをさせているのだ。



この時点で、この異世界の創造主の性格が悪いことは、どう考えても、明らかだ。



自分の信者となって自分に感謝をささげる者たちに、互いに殺し合いをさせて、放置し続けているのだからな。



本当に全知全能なら、その悲惨な歴史を全部知っていたはずだし、全能であるなら、その殺し合いを止めさせることが絶対にできたはずだ。



だから、ちょっと過去を調べただけで、この異世界の創造主の「全知全能」が嘘であり、かつ、残酷な性格であるということが明らかになってしまった。



俺は、なるほど、、、と思った。



この異世界の創造主は、みんなに自分が「全知全能」だと思い込んで欲しかったのだ。



その理由もだいたい推測ができる。



もし、自分が不完全で弱点があり、全知全能でないと思われれば自分の立場が危うくなると思ったのだろう。



自分に何か弱点があるからこそ、自分に逆らう者が現れるかもしれないと恐れたのだろう。



だから、わざわざ本当に全知全能ならいちいち言わなくてもいいことなのに、わざわざ「自分は全知全能だ」ということを自分の信者に教え込んだのだろう。



つまり、ぜんぜん、全知全能なんかじゃないじゃん、、、と俺は脱力してしまった。



構えていた体験操作能力の盾とワールドエンドの剣の構えを解いた。



そして、こつんと体験操作能力の剣のつばで、その異世界の創造主の頭をこづいてみた。



「うぎゃ~!」と透明意識体にだけ聞こえる魂の悲鳴があがる。



やっぱりだ、、、ぜんぜん全知全能なんかじゃなかった。



この異世界の創造主には、自分の体験を自由にできる能力はなかった。



その能力があれば、今の攻撃は通らない。



そもそも感謝されることをそうした方法で求めた時点で、はじめから考え方が間違っていたのだ。



新世界の創造主たちは、感謝などそもそも求めない。



そんなもの、求める必要がないからだ。



なぜなら、感謝されるという体験も、自分だけで、自由自在に味わえるようにしたからだ。



例えば、こうして俺の分身体が俺に感謝すれば、それで自己完結してしまう。そんな感じで、いくらでも感謝される体験など味わえるのだ。



新世界では、つまり、他者に依存する必要などないのだ。



つまりこの異世界の創造主は、そうした依存体質のままその性格がねじ曲がり、ちゃんと魂として健全に成長してゆけなかったのだ。



だからこそ、こんな殺し合いが日常であるような世界を創造したのだ。



他の魂たちを無理やり自分に感謝させるために、わざわざ不幸や災難が発生する世界を創造したわけだ。



感謝を求める以上、その事実から、弱点がわかる。



俺は、その異世界の創造主の犠牲者たちの無念の思いと苦しみと怨念をかき集めて、体験操作能力の首輪と手錠に収納した。



俺は、くるくると体験操作能力の首輪と手錠を投げつける。



異世界の創造主は、瞬間移動でそれをかわそうとした。



異世界の創造主も一応は透明な意識体なので、それなりにはそうした能力が使えるらしい。



だが、無駄だ。



残念だが、このアイテムは、酷い体験を与えた本来の責任者に向かう自動追尾方式になっているので、逃れることはできないのだ。



時空間を超越して、首輪と手錠が、異世界の創造主を追尾し装着される。



案の定、悲鳴はさらに激しくなった。



万が一、本来の責任者ではなかった場合には、この首輪と手錠は効力を発揮しないのだ。むしろ逆の効力を発揮してしまう。



だから、ちょっとしたうそ発見器にもなる。



俺は、100億の分身体を使って、この異世界の人々とゴブリンにこうした裏事情を説明した。



人々とゴブリンたちは、この真実を知り、創造主への感謝は消えて、異世界の創造主に憎しみが向けられる。



悲鳴はさらに激しくなる。



こうして怒鳴り込んできた異世界の創造主は、あっけなく敗退した。



後に残るのは、愛に満ちた世界だけである。



体験操作の首輪と手錠は、自発的にわがままであることを止め、自発的に他の魂を愛せるようになれば、自動的にはずれるようになっている。



だが、その秘密はまだ教えてやらないことにしよう。



今まで散々、感謝を得るという自己中な願望を満たすだけのために、人々やゴブリンを酷く苦しめてきたのだ。。。殺し合いまでさせてきたのだ。



そして、わざとそうしておいてからどん底の苦しみを味わせてから、知らん顔して救いの手を出して感謝を強要してきたのだから、、、ある程度苦しんでからでないと救いの手は期待できないと思ってもらいたい。



でないとちゃんと反省しないだろう。



まあ、こんな異世界の創造主でも、愛して許してやろうと思う人やゴブリンがいるなら、彼らが、こっそりその秘密のヒントを与えてあげるくらいは認めてあげようか、、、


しかし、いくらヒントが与えられて解除方法がわかっても、他の魂を自発的に愛せるようになるかどうかは、自分次第だ。



励むがよい。



俺は、そう伝えて、次の異世界に向かった。




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