表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女が住まう街にて〜Incident analysis by modern witches〜  作者: nashlica
file2:【魔女と陰湿なる教室】 2022年 5月
33/127

幕間2【草薙美羽視点】

PM 8:00 札幌市内のホテル


 探索を終え、一息をつけるため、ホテルに戻る。今頃キサラギさんは、例のいじめを大仕上げに入ってるところだろうか。

 そう考えてると、窓から気配を感じ、窓を開ける。すると、フードを被った1人の少女が立っていた。


「エイルかしら? そっちの進捗は?」


「これはこれは、お姉様でございましたか」


「そういうにはいいから、報告して」


「失礼。では、ご報告を申します」


 エイルは、淡々と報告を始まる。


「現状、奴はアジトとしている場所からは動いておりません。夕方、そちらに例の学生たちがそちらに入っていったとオルトリンデから報告があり、私もそちらに急行いたしました所、無いやら何かの魔術を仕込んでいたそうです。

 現在も、オルトリンデには奴のアジトを監視させている状況にございます」


「そこが、奴のいるアジトとなるわけか。他の子達はどうなってる?」


「スルーズとヒルドは、憑依した生徒達から離れ、オルトリンデと合流しております。最も、私が彼女達を読んだのですが」


「なるほど。では、いつでもいけるっと言うわけね」


「左様でございます。どうなさいますか?」


 私は、少し考える。だが、考えはすぐに決まった。


「今から向かうことにしましょう。エイル、あなたは先に向かい、彼女達に待機するよう伝えて」


「承知いたしました。しかし、お姉様をどちらに?」


「少し寄り道してから向かうわ。顔を出しておきたい人がいるわけだし」


 エイルは、頭を下げると、そのまま飛んでいく。私はルームキーを取り出してはホテルを後にする。

 すすきのの街を歩くこと、数分。多少古びたビルの中を入ると、その奥に彼女の工房がある。


「あら?珍しい客ね。なんのようかしら?」


「お久しぶりです。まだここに居たとは、驚きました」


 彼女、『仮面の魔女』の工房に訪れる。しかし、相変わらずこの人はあの人以外には無愛想であった。


「それで? 用は何かしら? 何なら、さっさと去ってもらってもいいかしら?」


「例のいじめ事件に関して、あなたの知ってることを聞きたくて、参った次第です」


「教える気はないけど、まぁいいわ。追ってるのは違うわけだし」


『仮面の魔女』は、例の一件を私に教える。あえて教えてもらうのは、この事件の大元は一緒だからだ。


「例の教室に張られていた術式は、アルがもう解いてるわ。けど、最後の一つが分からずじまいなわけよ。

 おそらくは、結界ですらないものが、あの教室にいると考えて良いわね」


「それを教えてるものがいるとしたら、仮に解かれてもまた張られる可能性も?」


「無くはないわね。でも、素人ならそんなすぐにはできないでしょう。けどあの年代の子達は何をするかはわからない、それだけが懸念よ」


「そうですね。なら、大元を潰せばもうやらなくなるのではないかと」


 私の言葉に、『仮面の魔女』は驚く。


「本気でやる気?」


「えぇ。少なくとも、キサラギさんなら、そうしますが?」


 私の問いに、『仮面の魔女』は高らかに笑う。


「ふふ、ふはははははははは!! これは傑作ね。確かに、アルならやりかねないわね。

 では、あなたが例の魔術師を殺しに行くことは、黙っておくわ。それなら、あのいじめグループの静止になるでしょう」


「ありがとうございます。では、代金は如何いたしますか?」


「アルにつけておくは。ではまたね『II位』」


 私は、彼女に一礼しここを離れる。そして、偶然見つけたタクシーに乗り込み、奴のいる所へと向かう。

 タクシーをおり、奴のいるアジトに着く。


「姉様、遅いよ! いつまでまたせるの!?」


「ヒルド、落ち着きなさい。申し訳ありません。ヒルドが我慢できなくて暴れかけてる次第で」


「いいわよ。オルトリンデ。状況は?」


 緑髪の『妹達(シスターズ)』、オルトリンデは私の問いに答える。


「現状、今も動いておりません。攻めるには好機かと」


「そうみたいね。エイル、あれを」


 エイルは、私に紫の帯が巻かれた魔具を差し出す。ヒルドが待ってましたと体を動かす。

 こうして、私は『妹達(シスターズ)』を率い、魔術師のアジトの乗り込むのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
良ければブックマーク・評価お願いします! 感想とイイネも良ければ是非!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ