第05話 異能者達のロンド20 - 能力者バトル決着
第05話 異能者達のロンド20 - 能力者バトル決着
「それじゃ、斎藤は一人で帰れるよな? 小島は俺が送っていくこととして、ここらに転がっている連中は……とりあえずほっとこう」
チロに言って、こいつらをどこかの異世界に廃棄させてもよかったのだが、やめておく。
どうも組織っぽい言い方をしてたし、俺の知らない連中が小島にちょっかいをかけてくるのも鬱陶しい。
それに小島の中のボクっ娘がいる限り、ややこしい事態が解消するとは思えない。
これはもう、先天性疾患のようなものだと割りきって、気長に付き合う他ないのだろう。
なにせ、クラスメイトだからしかたない。
結局、俺が我が家に帰り着いたら、明け方近くになっていた。
風呂に入りたかったが、家の害獣どもが使った残り湯はすっかり冷め切っており、時間的にも気持ち的にも断念する他なく、結局シャワーを浴びるだけですませた。
朝までそれほど時間はないが、少しでも寝ておこうと自室に入ると、そこにチロがいた。おまけ付きで。
「チロ、それはなんだ?」
そう尋ねた俺の声が、いささかなりとも苛ついていたとしても、さすがに俺の責任とは言えないはずだ。
「ごめんなさい、ご主人さま。へばりついたまま離れません。どこかに捨ててこようかとも思ったのですが、ご主人さまの許可をとってからの方がいいと思ってこうなっちゃいました」
チロの背中に、両手両足を使ってへばりつく女子がいる。
見覚えがある、というか俺に向かって鬱陶しいくらいにからんできたギャルっ娘だ。
「チロはいい子だな。今日はよくやったぞ」
俺が優しく声をかけると、チロの顔は一瞬で喜びに染まった。
何かというとすぐに物をねだろうとする害獣二人と比べて、遥かに安上がりで助かる。
「それで、どういう了見なのかきかせてもらおうか?」
ギャルっ娘に向かって、全身で迷惑だオーラを出しながら詰問する。
「あ、あ、あたしは、絶対にあんたらのそばを離れないよ。なんと言われたって、離れるもんかっ!」
俺は、正直頭を抱えたくなった。
「勘弁してくれ、まったく。ここは俺の家だ。あんたの常識はではどうだか知らんが、他人の家に土足であがるような人間は、有無をいわさず放り出すことになっている。ということだ、チロ。そいつを外に捨ててこい」
俺が言うと、チロより先にギャルっ娘が反応した。
「まっ、まってよ。靴脱ます、今すぐ脱ぎます。ほら脱いだ。そんでもってポイします」




