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第04話 最強伝説-07 - ヤンキー抗争

第04話 最強伝説-07 - ヤンキー抗争


 どうやら対立するヤンキー君達が到着したようだ。

 ヤンキー君達の抗争に、一ミリたりとも興味はないのですぐに立ち去ってもよかったのだが、シリンが絡んでいるという危険性を考慮してもうしばらくの間つきあうことにする。

 やってきた連中はバイクが十台と車が二台。タンデムしているやつも合わせて、全部分二十人くらいだろうか。

 正確な人数はどうでもいい。そもそも数える気がしない。

 先頭のバイクにまたがっていた男が、大声でわめき始める。

 それでも、改造マフラーのせいでバイクや車の排気音が大きく、男の声がひどく聞き取りづらい。


「てめぇら、今日ぶっつぶす!」


 俺にはそう聞こえた。それに対する答えは。


「舐めてんじゃねぇぞ、こらぁ!」


 というものであった。

 会話というものが成立しているのかどうかはともかくとして、この内容ならエンジン音がどんなにデカくても関係なさそうだ。

 なにせ、内容というものが無い。

 バイクに乗っていた連中が次々と降りて、バットやら角材やらを手にとった。

 車に乗からも男たちが降りて、それぞれが好きな得物を手に持っている。

 ただ、剣や銃とかいうような殺傷能力の高い武器は携行してはおらず、交戦能力としては極めて低レベルであった。

 迎え撃つ感じになった元々この場にいたヤンキー君達は後ろに下がって、シリンが出てきた。

 どうも、最初からそういう手はずになっていたようだ。

 それまでは喧嘩が始まりそうな雰囲気だったのだが、後からやってきたヤンキー君達は戸惑っている。

 それもそうだろう、喧嘩する気満々でやってきたら、いきなり耳長の見た目美少女の生物が出てきたのだ、わけが分かんないってなるのも無理も無い。

 ただし、それは極めて短い時間にすぎない。


「はぁ? 女なんか出してきやがって、舐めてんのか、こらぁ!?」


 彼らの頭脳の処理能力ではこれが限界なのだろう。

 脊椎反射的な反応しかできないから、目の前にある危険すら予測することができないのだ。

 この状況下でシリンが一人で出てきたということに、疑いを持たないことがむしろ驚きである。

 一方シリンの後ろにいるヤンキー君達は、面白そうにニヤニヤとしながら様子を見ている。

 完全に余裕をぶっこいている感じだが、それもまた信じられない。

 どうすれば、そこまでシリンのことを信じられるのだろうか?

 結局の所、最初からいたヤンキー君達も、襲撃してきたヤンキー君達も、頭の処理能力はほぼ同スペックなのだろう。


「さぁ、おもいっきりやっちゃって下さい!」


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