第04話 最強伝説-08 - 長耳美少女 VS ヤンキー
第04話 最強伝説-08 - 長耳美少女 VS ヤンキー
シリンの背後にいたガタイの良いヤンキー君が煽るように言った。
無責任極まりない煽り文句に、シリンは満足そうな笑みを浮かべると、詠唱を始める。
すると小さな三つのゲートが開き、そこから強大な魔力がシリンの体に向かって流れ込んでいくのが感じられる。
こいつ、一体何と戦うつもりなんだろう?
俺もそれほど魔法について詳しい知識はないが、純粋なエネルギー量で考えて、対ヤンキー戦に使うにはあまりにオーバーキルだ。
それともどこかから、それなりに強力な敵が現れるのだろうか?
「お前たち、地獄で業火に焼かれる苦しみを、生きながら味わうがいい!」
シリンがそんなことを言っている。
どうやら、強力な敵は現れないようだ。
シリンが自分正面に右手を伸ばすと、手のひらから直径が十階建てほどのビルもある巨大な魔法陣が展開される。
それを見て、シリンの後ろにいるヤンキー君達は全員が引いていた……というより、怯えている感じだった。
「やっ、やり過ぎっ!!」
さっきまで煽りまくっていたヤンキー君が、ヤバさを感じ取ったらしく悲鳴のような声をあげていた。
狙いをつけられたヤンキー君達は、一体何が起こっているのかわからないまま、目の前で起こっている事態にどう対応しようか迷っているようだ。
ただ、ヤンキー君達の極めて低スペックの頭脳では処理できるはずもなく……。
「何やってんだぁ! こんなインチキで俺らがビビるとでも思ってんのか、こらぁ!」
自分の頭で理解可能な結論に飛びついたようだ。
一方、シリンはかまわずにスペルを唱え、魔法陣を完成させたようだ。
それを見てもなお、ヤンキー君達は逃げようともせず、逆に棒きれとかバットを握りしめて喧嘩を始めようとしている。
これは、竹やりで戦略爆撃に闘いを挑むようなものだ。一方的に焼殺される以外の結末は存在しない。
俺がこのまま放置しておけば、の話である。
もちろん、これが異世界での出来事ならばそれもアリだろう。
だがここは日本だ。俺が暮らしている世界である。
こんな所でテロリスト紛いのことをされるのを見過ごすことができるわけはない。
ましてや俺と関わりがあるということになれば、管理責任を問われるだろう。
法的な責任はともかく、社会的に抹殺されかねない。
というわけで、俺は介入する決心をした。




