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第03話 ドラゴン・オリジンズ - 15 - 帰還

第03話 ドラゴン・オリジンズ - 15 - 帰還


「ご主人さまぁ、こわかったですぅ!!」


 帰還ゲートをくぐり抜けた直後、チロは俺の身体に正面からありったけの力で抱きついてきて言った言葉であった。

 実際、相当怖かったのだろう、体全体が小刻みにふるえている。

 うーむ。

 たかだか全長三百メートルほどの、俺内比で言えば小柄なドラゴンと戦い、たまたま近くにあった惑星が崩壊して惑星上の全生命体が全滅した程度のことだ。

 この中のどの当たりに、怖がるような要素があるのか理解できないが、とりあえずチロの頭を二回ほど撫でておくことにする。

 もちろんその前に、フェーズシフトを解除しておくことは忘れずに。


「うええぇ~~ん。うええぇ~~ん」


 俺がチロの頭を撫でてやったとたん、チロは大声で泣きだした。

 少しばかりサービスして、三回ほど頭をぽんぽんしてやった後、俺は泣いているチロを掴みあげ風呂場へと運びそのまま浴槽に放り込む。

 さっきシリンが浸かった残り湯が、ドラゴンの血で青く染まった。


「ばっちぃから、浴槽もすべて綺麗に洗って湯を入れ替えてからでてこいよ。俺もすぐに入るからな」


 チロほどではないが、俺もけっこう汚れてしまっている。

 なので、できればすぐにでも入りたいところだが、ドラゴンの血を浴びたままのチロに家の中をうろつかれてはたまったものではないし、なによりシリンの残り湯を俺が使うなどまっぴらごめんである。

 なので、残り湯の有効活用と風呂掃除とお湯の抜き替えをチロを使ってさせるのだ。

 これこそ、資源の有効活用というものである。

 俺はこう見えても、地球だけには優しいのである。

 さて、腹が減ってきた。

 時計を見ると、出かけてから丁度一時間ほど経過した所であった。

 キッチンへ向かうことにする。

 害エルフ共がいかなる状況になっているのか、確認しなくてはならない。

 俺が風呂から上がった後、ゆっくりと食事ができるようなら幸運といったところだろう。

 さて、キッチンの様子を覗いてみると……。


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