表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
源光(みなもとひかり)物語  作者: 西村 圭
6/41

六、末摘花

私は、夕顔の人のことを忘れられず、苦しんでいました。

あんな心の安らぐ人はいませんでした。

一方で空蝉の人や軒端の荻の人のことなど、うまくいかなかった恋愛も思い出し、また体調も優れず、辛い日々を送っていました。


ある日、気晴らしに出掛けた先で、美しい琴の音色に出会いました。母の親戚筋の演奏家のようです。私は、彼に会ってみたくなりました。偶然を装って末摘花の咲く彼の自宅の近くに赴いた私は、婚約者の葵の姉と出会いました。私の様子に不信感を抱いていたのでしょうか。


 結局、末摘花の人に会うのはあきらめて、葵の家に一緒に向かいました。途中、葵の姉と末摘花の人の噂話をしました。

葵の家で音楽を楽しみましたが、私の心はそこにありませんでした。


義姉も末摘花の人に興味がある様子でしたが、私達のどちらも会えませんでした。末摘花の人に私が気にかけていることなどは伝わるようにしましたが、やはり連絡はありませんでした。待っていられなくなった私は、強引に訪問するようになりました。

誰にも気づかれないように気をつけていましたが、義姉には悟られたようで、少し嫌味を言われました。


そのうち、私も母の手伝いがあって忙しくなり、なかなか末摘花の人のもとを訪れることができなくなりました。中途半端に関わってしまったようで、かえって悪いことをしたと思いはじめました。彼が生活に困ることのないよう、私なりに気にかけることにしました。


一方で、私の家で過ごす紫はかわいらしく、お絵かきなどして遊んでいるようです。ままならない自分の人生がなぐさめられるような気がしました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ