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源光(みなもとひかり)物語  作者: 西村 圭
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三十九、夕霧

夕霧は、度々、亡き柏木の夫であった落ち葉の人のところを訪ねているようです。

夕霧の方は、ますます思いを募らせているようですが、落ち葉の人はそうでもない様子だとか。


やがて、落ち葉の人の父君が体調を崩したことをきっかけに、落ち葉の人らは小野というところに移り住みました。


柏木の姉妹などは仕事もあって忙しく、落ち葉の人とは疎遠になっていました。柏木の妹も、落ち葉の人を気遣う気持ちはありながら、やはり行き来は途絶えていたようです。


夕霧は、細々とした贈り物をしたりしていました。とはいえ、雲居の雁の人もあるので、すぐに訪ねるのは遠慮していたようです。


しばらく経ってから、夕霧は落ち葉の人を訪ねました。落ち葉の人の父君と話したあと、落ち葉の人とも語り合いました。夕霧は、山里にかかる夕霧のように立ち去りがたいと、改めて思いを伝えたとか。


翌日、夕霧は私のところへ立ち寄りました。花散里の人に会い、私と食事をしていきました。


落ち葉の人は、困惑が深まったのか、いつもと様子が違い、周囲の者は案じているようです。


また、人づてに事情を聞いた落ち葉の人の父君も、事の成り行きひどく心配していました。


雲居の雁の人も、夕霧の心変わりを案じていました。落ち葉の人の父君から連絡がありましたが、遮ってしまったとか。

夕霧は雲居の雁の人を説き伏せようとしましたが、うまくいかなかったようです。


結局、落ち葉の人の父君への返事が遅くなってしまいました。


落ち葉の人の父君は、あまりに返事の遅い夕霧に誠意を感じなくなっていたようです。苦しみのうちに、亡くなってしまいました。落ち葉の人は悲しみました。


夕霧も、私も柏木の母君も、多くの人が弔問に訪れました。落ち葉の人の母君である朱雀も、落ち葉の人に弔意を伝えました。


落ち葉の人の父君の最期の苦しみは、夕霧の振る舞いの影響だと考える者は、落ち葉の人やその周囲に多くいたようです。夕霧はそういった事情をよくわかっていなかったようで、葬儀の準備なども手伝っていました。


夕霧はその後も頻繁に落ち葉の人を見舞いましたが、落ち葉の人の態度はかたく、夕霧は困惑しているようでした。


雲居の雁の人も、夕霧の気持ちをはかりかねて、戸惑っているようです。


それでも、夕霧は落ち葉の人を訪ねましたが、悲しみに沈む落ち葉の人は冷ややかで、また、落ち葉の人の周囲の人も複雑な様子で、夕霧は立ち去ったようです。


夕霧は落ち込んだ様子で帰宅したようで、雲居の雁の人も苦しんでいました。


夕霧は落ち葉の人と連絡をとりました。雲居の雁の人は落ち着かないようでしたが、妨げることもせずに、様子を探ることしかできません。返事があったようですが、こころ弾む様子は見受けられなかったとか。


私も、夕霧のめったにない振る舞いを聞き、心配しましたが、かといって私が口出しすることもできません。雲居の雁の方の母君も、心痛でしょう。誰にとっても不幸なことではないかと、気がかりでなりません。

紫も、心配しているようです。


夕霧が訪ねてきた際に、様子を聞いてみようしましたが、言いたくないようで、私としても見守るほかないと思いました。


落ち葉の人の父君の法事も、夕霧は手伝ったようです。雲居の雁の人の母君らも落ち着かない気持ちを抱えているでしょう。


落ち葉の人の今後について、母君である朱雀案じているようです。


夕霧は、落ち葉の人の住まいにも気を配り、ととのえさせました。


落ち葉の人は気が進まないようでしたが、親族の口添えもあり、もともと住んでいた一条の地に戻りました。


夕霧が出迎えたので、落ち葉の人は不快になったようです。夕霧も、落ち葉の人の態度に傷ついたでしょう。


しかし、落ち葉の人の態度は硬く、夕霧は立ち去らざるをえませんでした。


夕霧は、私のところにやって来ました。花散里の人も、夕霧を気にかけます。また、花散里の人は雲居の雁の人のことも気遣いましたが、夕霧の心はすでに落ち葉の人のところにあるようです。


私も、気がかりではありますが、夕霧が自分の気持ちに従って行動したことは、よかったのではないかという気がしていました。


夕霧は、雲居の雁の人のいる家に戻りました。

雲居の雁の人は激怒していたようですが、夕霧になだめられたとか。お互いに昔のことなど思い出し、また子供たちのことなど考えたようですが、やはり夕霧は落ち葉の人のところへ向かったのでした。


落ち葉の人は、すぐには夕霧に会おうとしなかったそうです。周囲の者の配慮もあり、ようやく会えましたが、落ち葉の人はそれでも夕霧を拒もうとしたとか。

それでも、ついに夕霧の熱意にうたれたようです。

夕霧が頻繁に訪ねてくることになって、落ち葉の人のもとで働く人も増えたとか。


雲居の雁の人は、母君のもとへ戻ってしまいました。夕霧は慌てて戻って来て、迎えに行ったのですが、雲居の雁の人は戻らなかったとか。


雲居の雁の人の母君も、こころよく思わなかったのか、子供の一人を通じて落ち葉の人になにか言ってよこしたとか。


かつて夕霧と親しくしていた私の秘書の惟光の息子などは、雲居の雁の人を慰めたそうです。

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