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黒幕の物語  作者: 時根脱才 
モズキャッチャー編

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第6話「回収不能

『ビーストギア 黒幕の物語』


第二章「モズキャッチャー」


第6話「回収不能」


「…………」


 博士は。


 モニターを見ていた。


 モズキャッチャー。


 活動停止。


 KIDとの戦闘記録は。


 すでに保存した。


 残る仕事は。


 一つ。


「回収する」


 残骸。


 損傷。


 内部構造。


 KIDの攻撃が。


 どこへ。


 どの程度。


 作用したのか。


 実物を調べれば。


 映像だけでは。


 分からない情報が。


 いくらでも取れる。


「…………」


 探索用としては。


 失敗。


 だが。


 最後まで。


 使い道がないわけではない。


 失敗した個体には。


 失敗した個体なりの。


 価値がある。


「さて……」


 博士が。


 回収のために。


 操作を始める。


 その時。


「…………?」


 画面の中。


 一人の人間が。


 動いた。


     ◇


「誰だ?」


 警察官ではない。


 東でもない。


 KIDでもない。


「…………」


 博士は。


 映像を拡大する。


 一人の男。


 倒れた。


 モズキャッチャーへ。


 近づいていく。


「…………」


 警察側の人間か。


 そう思った。


 だが。


 動きが。


 妙だった。


 周囲を。


 警戒する。


 残骸を見る。


 そして。


「…………何をしている?」


 手を伸ばした。


     ◇


 博士の眉が。


 わずかに。


 動いた。


「触るな」


 当然。


 聞こえない。


 男は。


 モズキャッチャーの。


 残骸を調べている。


「…………」


 ただ。


 興味本位で。


 触れているようには。


 見えない。


 どこを見るべきか。


 分かっている。


 そんな。


 手つき。


「…………」


 博士は。


 映像を。


 さらに拡大する。


「お前……」


 一拍。


「何を知っている?」


     ◇


 男が。


 残骸を。


 持ち上げようとする。


「…………」


 博士の。


 指が止まった。


「待て」


 今度は。


 声にも出た。


「それは」


 一拍。


「私のものだ」


 届かない。


 男は。


 残骸を。


 運び始める。


「…………」


 博士は。


 無言で。


 その光景を見た。


「…………」


 回収。


 するつもり。


 らしい。


「…………」


 警察が。


 保全するなら。


 まだ分かる。


 だが。


 あの男は。


 違う。


「所属は……?」


 照合。


 映像。


 記録。


「…………」


 分からない。


     ◇


「止めるか」


 博士は。


 一瞬。


 考えた。


 だが。


 すでに。


 モズキャッチャーは。


 活動を停止している。


 現場には。


 警察。


 東。


 そして。


 KID。


「…………」


 新たに。


 何かを。


 送り込む。


 意味があるか。


「…………」


 ない。


 少なくとも。


 今は。


 危険が。


 大きすぎる。


「…………」


 博士は。


 男の姿を。


 記録した。


「持っていけ」


 一拍。


「今はな」


     ◇


 男が。


 モズキャッチャーの残骸と。


 ともに。


 その場から。


 消えていく。


「…………」


 博士は。


 モニターを。


 見つめ続けた。


 残ったのは。


 戦闘記録だけ。


 実物。


 なし。


「…………」


 しばらくして。


 博士は。


 小さく。


 息を吐いた。


「最後まで」


 一拍。


「面倒を増やしてくれる」


     ◇


 博士は。


 記録を開いた。


 モズキャッチャー。


 探索。


 対象発見。


 警察との接触。


 特殊銃。


 KID。


 そして。


 正体不明の。


 回収者。


「…………」


 一つの個体を。


 送り出しただけ。


 そのはずだった。


 だが。


 結果として。


 得られた情報は。


 想定より。


 遥かに多い。


「整理するか」


     ◇


 まず。


 戦闘能力。


「…………」


 問題なし。


 通常火器。


 ほぼ無効。


 特殊銃。


 有効。


 ただし。


 致命的ではない。


 複数人の。


 警察官を相手にしても。


 優位。


「力だけなら……」


 一拍。


「十分だ」


 むしろ。


 過剰なくらい。


     ◇


「問題は」


 博士が。


 別の記録を開く。


 早贄。


「…………」


 探索。


 判断。


 本能の制御。


「…………」


 命令は。


 理解する。


 忘れてもいない。


 だが。


 習性が。


 割り込む。


「早贄にするな」


 理解。


 している。


 それでも。


 する。


「…………」


 命令の意味を。


 理解している。


 それと。


 目的を。


 理解している。


 それは。


 同じではない。


     ◇


「探索対象を探せ」


 探す。


「違えば処理しろ」


 殺す。


「痕跡を残すな」


 理解。


「早贄にするな」


 理解。


 しかし。


 獲物を見れば。


 早贄にしたくなる。


「…………」


 博士は。


 椅子へ。


 深く。


 身体を預けた。


「力を与えるだけなら」


 一拍。


「簡単なんだがな」


     ◇


 次に。


 KID。


「…………」


 博士は。


 映像を再生する。


 モズキャッチャー。


 攻撃。


 KID。


 回避。


 反撃。


「…………」


 同じだ。


 決められた動きを。


 繰り返しているわけではない。


 相手を見る。


 判断する。


 変える。


「…………」


 モズキャッチャーに。


 足りなかったもの。


 それを。


 KIDは。


 持っている。


「判断……」


     ◇


 博士の指が。


 止まる。


「…………」


 怪人へ。


 もっと。


 知性を与える。


 命令を。


 より細かく。


 理解させる。


 状況を。


 判断させる。


「…………」


 可能か。


 不可能ではない。


 だが。


 どこまで。


 手間をかける。


「…………」


 博士は。


 モズキャッチャーの。


 記録を見る。


 失敗。


 修正。


 命令。


 また。


 失敗。


「…………」


 そして。


 別の映像。


 KID。


 人間。


 判断。


 行動。


「…………」


 博士の目が。


 わずかに。


 細くなる。


     ◇


「怪人に」


 一拍。


「人間のような判断をさせる」


「…………」


 博士は。


 口にして。


 止まった。


「いや」


 違う。


 逆。


「…………」


 最初から。


 判断できるものを。


 使えばいい。


     ◇


「人間……」


 博士が。


 小さく。


 呟いた。


 人間には。


 判断能力がある。


 状況に応じて。


 行動を変える。


 命令の。


 意味も。


 理解できる。


 そして。


 自分の意思で。


 戦う。


「…………」


 その人間へ。


 怪人の力を。


 与える。


「…………」


 博士の指が。


 ゆっくり。


 記録画面を。


 閉じていく。


 まだ。


 仮説。


 ただの。


 思いつき。


 実現できるかも。


 分からない。


「…………」


 だが。


 捨てる理由も。


 ない。


     ◇


 博士は。


 新しい記録を。


 開いた。


 短く。


 書く。


『怪人に高度な判断能力を持たせる場合――』


「…………」


 止まる。


 消す。


 そして。


 書き直す。


『人間を利用する方法について検討』


「…………」


 博士は。


 その一文を。


 しばらく。


 見つめていた。


     ◇


 そして。


 最後に。


 もう一つ。


 別の記録。


 モズキャッチャーを。


 持ち去った。


 男。


「…………」


 こちらも。


 忘れてはいけない。


 なぜ。


 残骸を。


 持っていった。


 何を。


 知っている。


 何を。


 するつもりなのか。


「…………」


 博士は。


 男の映像へ。


 一つ。


 印をつけた。


『要調査』


「…………」


 KID。


 警察。


 東。


 そして。


 正体不明の。


 回収者。


「随分と」


 一拍。


「増えたな」


     ◇


 モズキャッチャー。


 探索用個体としては。


 失敗。


 だが。


 失敗したからこそ。


 分かったことも。


 ある。


 怪人の。


 限界。


 警察の。


 戦力。


 KIDの。


 脅威。


 そして。


 次に。


 試すべきもの。


「…………」


 博士は。


 モズキャッチャーの。


 記録へ。


 最後の評価を。


 入力する。


『探索任務――不適』


『戦闘能力――十分』


『自律判断――不足』


『生物習性の影響――過大』


「…………」


 少し。


 考え。


 最後に。


 一行。


 加えた。


『改善ではなく、別方式を検討』


「…………」


 保存。


 記録を閉じる。


     ◇


 モズキャッチャーは。


 失われた。


 残骸も。


 奪われた。


 それでも。


「無駄ではなかった」


 博士は。


 静かに。


 そう言った。


 失敗は。


 次へ。


 使えばいい。


 足りないものが。


 分かったのなら。


 次は。


 それを。


 最初から。


 用意すればいい。


「…………」


 博士は。


 新しい。


 空白の記録を。


 開いた。


 そこへ。


 まだ。


 何も。


 書かない。


 ただ。


 一つの考えだけが。


 頭の中に。


 残っていた。


 人間。


 その。


 判断力を。


 利用する。


「…………」


 博士は。


 小さく。


 笑った。


「試す価値は、ありそうだ」


――第二章「モズキャッチャー」完。


――――――――――


※本作は、作者が物語のストーリー、世界観、キャラクター、設定、展開を考案し、AIとの対話を通じて文章の整理・推敲・執筆補助を行いながら制作しています。


物語の方向性、設定、展開、および最終的な内容の判断は作者自身が行っています。


本作では「人間とAIが協力して、一つの物語を作る」という創作の形にも取り組んでいます。


※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」の両サイトに掲載しています。

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