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我慢の女神は惰眠を貪りたい。  作者: 櫻塚森
第四章 陛下の黒歴史
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にじゅうさん

隣国で内戦が起こり、王太子の婚約者である姫が再び、今度は留学と称してやって来た。王太子の婚約者と言うことで母でもある第二王妃がその身を預かることになった。不安の中にいた姫は温かく迎え入れてくれたファフナー国に感謝し自ら国のことを学びたいと申し出た。

王太子、姫共に7歳の春のことだった。


姫の教育が始まると聞いたスフィアは、王太子にこれ以上差を付けられては堪らない(認めたくない真実に気付いてはいたようだ)と考えた。そもそも赤子の時に決まった婚約者でもあるデイビスにラーゼフォン公爵は未だに娘を会わそうともしない、これは不敬だと考え王にも言ってみたがこの件に関しては国王は生返事しかしてくれなかった。て言うか、最近ライオネスは自分を避けているように思っていた。

(何よ!デイビスのお嫁さんにしてもらえるのを感謝こそすれ、小さいことを何時までもグズグズと。)

デイビスとブランジェの婚約を決めた経緯に対しラーゼフォン公爵が国王と取引したのは知っているが、それすらも不敬だとスフィアは思っていた。

デイビス王子の後ろ楯にはラーゼフォン公爵家の威光が必要で、彼の為にもブランジェの王妃教育に取り掛かる必要がある。

これならば、ブランジェにとっては名誉なことであるし、反対はしないだろう。あくまでも勝手に思い至るスフィア王妃であった。

デイビス王子の教育は、思った以上に進んでいない。しかし、デイビスが優秀だと信じて疑わないスフィアは、教師からの報告を全て良いようにとっていた。

スフィア妃の人族の血の濃いデイビスは、他の王子よりも魔力が少なく、魔術を用いれば其なりに強い魔法を発動できたが、魔法陣や詠唱を覚える事が苦手で、威力は小さいが自然に発動出来る魔法の方を好んだ。

楽な方へと流されて行くデイビスに、父であるライオネスは本人や教師に苦言を呈した。大好きな父からの言葉に言われた直ぐは、頑張るデイビスだったが、楽な方に流されて行くことは変わりそうもなかった。


結局、ブランジェは王妃教育に登城することはなかった。宰相からの反対もあるが、ライオネスは、スフィア妃の意見を通すつもりもなかった。

ライオネスは、デイビスにスフィア妃の病について説明した。母親が好きだったデイビスは涙を目に貯めてライオネスに抱きついた。

「母上は、良くなる?」

「……直ぐには無理だが、お前は面会に行ってやれ。」

「父上も一緒に行く?」

ライオネスはデイビスの頭を撫でる。

「母上に、恥じぬ行いを示す王子となれ。」

スフィア妃の能力について、ハッキリ説明しなかったことをライオネスは後に後悔することになる。


スフィア妃関連のことは、ライオネス国王にとっての黒歴史だ。

スフィア妃からの呪縛に捕らわれ色々やらかしてしまったことを今更公表する訳にはいかず、ライオネスは、全てを理解し納得した上で反省した。スフィア妃を離宮に軟禁したのは、彼女と婚姻を交わして7年の月日が経って頃だった。

暫く、おやすみです。

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