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我慢の女神は惰眠を貪りたい。  作者: 櫻塚森
第一章 女神墜ち
12/91

ろく の いち

長くなりました。長くなったらよく分からない話になってきました。主人公不在。

6/28加筆修正。

シグルズは、もう一度母に尋ねた。何せあの質問以降、母はビエラの食欲に順応していたからだ。戸惑う父や兄弟、使用人を横に。

「ビエラの食欲の秘密は、『女神堕ち』って呼ばれるものを得るための代償行為だと思うわ。心当たりがあるから。心配はいらないわ。ビエラは、何かを食べて空腹にさえならなければ、魔力が安定するみたいだから、皆で助けてあげましょうね。」

『女神堕ち』と言う存在を知らなかったシグルズは、早速自宅の図書室で調べたが『女神堕ち』は主に物語の中に出てくる魔力の強い者の総称でしかなく、ビエラの食欲には繋がらない。ならばと領内の私設図書館にも足を運んだが、満足は得られなかった。

何かしら手懸かりを欲した、シグルズは、家族との話の中で母の里であるウィンダム伯爵家と侯爵家の家族構成に共通点があることに気付いた。


兄弟が多いことである。


この世界、いや特に上流階級の世界では魔力の強い者同士の結婚が、推奨されている。成される子は魔力が強くなる傾向があり、魔力の多い者は将来の選択肢が増えるため有利だからだ。しかし、圧倒的に成される子の数が少ない。子を成せずにいる貴族もあり、多くて2人だ。そんな中、シグルズの母マリエの実家であるウィンダム伯爵家は多産で有名だった。マリエには兄が3人、弟が1人いる。グランベルム家とほぼ一緒だ。

遡ると祖母も3人の兄がいた。祖母には双子の妹がおり、その大叔母も3人の男子と娘を1人産み、その娘も多産でビエラと同じ年に女児を産んでいた。シグルズは母に尋ねた。ビエラの食欲のように止められないことはなかったかと。マリエはあっさり認めた。

「うちの家系の女達は皆、多産なの。旦那様が私を望まれたのはそこね。名家であるグランベルム侯爵家は何個か爵位を持っているでしょ?跡継ぎが必要ですもの。生まれるのは圧倒的に男子が多いのが特徴かしら。だいたい4人兄弟なら1人は女児ね。女児が2人の場合は、男児は最低でも3人ってとこじゃないかしら。貴方のような双子も多いわよ。兄弟は皆、魔力が強くて国の役職についているわ。でも、家の女達は皆、ビエラの食欲みたいに止められない何かがあって、それは『女神堕ち』と言われる力を使う上での試練だと言われているの。」

「母上は、『女神堕ち』の力を何だとお考えですか?」

「魔力の強い子供を沢山授かる力なんじゃなくて?多産の。」

シグルズは、母の考えに一応の納得はしたもののなお調べる必要を感じた。


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