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【第一部完結】異世界ウインドオーケストラ ― あの日見た空の向こうは ―  作者: 若菜みかん


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第四楽章 閑話 ~シンコペイテッド・クロック~

カチ・コチ。


カチ・コチ。


店の前を通りかかった大地と奏は、規則正しく鳴るその音に足を止めた。


「ちょっと入ってみるか?」


奏はうなずいた。


壁掛け時計、腕時計、懐中時計――。


大小さまざまな時計が、店先に所狭しと並んでいる。


カチ・コチ。


カチ・コチ。


ひときわ大きな音を刻む柱時計があった。


カチ・コチ。


カチ・コチ。


二人は何を話すでもなく、しばらくその規則正しい、心地よい音に耳を傾けていた。


ボーン、ボーン、ボーン。


突然鳴り響いた時報に、二人の肩が同時にびくっと跳ねた。


続いて鳩が飛び出し、人形が踊り、あちこちから鐘の音が響き渡る。


店を出た二人は顔を見合わせ、吹き出した。


「びっくりしたな」


「そうね」


少し歩くと、背後からまた音が聞こえてきた。


カチ・コチ。


カチ・コチ。


何事もなかったかのように、規則正しい、心地よい音を刻んでいた。

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