表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
競技セブンスカイズ《死神と太陽》 〜7機vs7機! 撃墜を狙い合う人型装甲機兵《モービルギア》たちが翔け抜ける未来への切符〜  作者: 元毛玉
第一部 序章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

プロローグ:死神の雨

 降りしきる雨が、人型装甲機兵(モービルギア)の外装を叩く。

 しかし、雨音よりも異常な蒸気音と計器類の発する警告ブザーで俺の耳は支配されていた。


「こんな時に……」


 スポンサー各社へアピールするためにも最高の試合にしなければならない。そう意気込んで試合直前までカスタマイズをした。

 その結果がこれだ。雨の考慮漏れに歯嚙みする。


「ぐっ!」


 濃霧を裂いて眼前に迫るビームを紙一重で回避し、姿勢制御機(スラスター)を安定させようとするが、機器の損傷なのか挙動が安定しない。

 狭く窮屈なコクピット。

 体をシートの中で鋭く動かし、姿勢制御(コントロール)するべく必死に重力へ抗う。


 敵は知り得る限りで最強の敵。

 共に戦場を翔けた頼もしい親友。


 ──死神。


 その男が目の前に立ち塞がる。

 食いしばりすぎて血の味と香りが強くなり、焦る気持ちとは裏腹に体の芯は冷え、唇は震えた。

 かつての姿を取り戻しつつあるのかも知れない。

 強い恐怖と、同じくらいの安堵を覚えた。


「俺の代わりに生きてくれ……」


 俺の愛した女が愛した男。全てを託すことが出来る頼もしい戦友だ。

 俺の明日はやって来ないかも知れないが、せめて戦友たちと愛した女には長く生きて欲しい。

 それだけを切実に願う。


 苦しいながらもビームランチャーを駆使して牽制を続ける。被弾も増え、振動とG負担で体が悲鳴をあげているが、包囲網を突破しようと藻掻く。


 愛した女の涙は見たくない。

 だが、俺に対しても涙してくれるのだろうか。

 一抹の不安と希望。それを抱え、空に浮かぶ薄い桃色の機体を見やる。すると自然に笑みが零れた。


「わりぃなお前ら。雨なんかで遮られちゃってよ。ちょっくら太陽の本気を見せるから、俺を信じて支えてくれるか?」


(俺にだって居るんだよ)


『何言ってるんですか、当然ですよ!』

『任せて下さい!』


(頼れる仲間がな!)


 通信越しでも感じる笑顔たちに背を押され、強く操縦桿(グリップ)を握り直す。

 仲間たちに応えるためにも、俺の全てを燃やして戦うことを心に誓う。

 虎視眈々と俺を仕留めようと狙っている銀色の機体を睨みつけた。


「まだ終わってねぇぜ、ナック!」


 俺は、逆転への命がけのベットを始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
最初からなんかかっこいい!続きが楽しみです!
スポーツだけど、人が死ぬバトル……。 いやゲームなのですか? ゜+(人・∀・*)+。♪ スポーツ&バトル!? ストーリーは、だいたい前作と同じなのでしょうか?? リメイク?リライト? ウーム。( ・∇…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ