魔法使い、同級生について理解す
◆◇◆◇◆
記録庫の外に呼び出された
「リリスはここの顧問だったんだね」
「顧問と言っても、時々こうして彼女の様子を
覗きに来るだけで、特に何かをするわけでは
ありません。アベル様はここの研究会に
所属されているんですよね」
「うん、中々興味深いものがあってね」
「アベル様は彼女
ノエルに気に入られたんですね」
「そうなのかな?」
◆【推薦者特権】
「そう言えば彼女が講義を受ける姿を
見たことがないけど」
「ノエルさんは学園長の推薦によって入学をされた 特別な生徒で、一年生ながらにして『授業免除』
の権利を与えられた生徒なんですよ」
「そうなんだね」
確かに彼女の有する能力は既に教授陣を軽く凌駕している。講義の目的以上の実力を持っているなら免除されて然るべきだ
「そういう事情もあって学園側はノエルに対して
希少な書物を集めた『記録庫』を特別に
貸し出して、『自習』させている様です」
◆【知らずのうちに懐かれている】
「アベル?リリス先生?」
「ノエルさんどうしましたか?」
「ノエルどうしました?」
『記録庫』から頭だけ出したノエルさんに呼ばれたのでリリスと共に向かう
「気に入られていますね」
「本当にそうなのかな?」
「ノエルがワタシ以外に声を掛けるなんて
それこそ理事とあとひとり…」
「へぇ」
「圧倒的な才能というものは
時に他者を遠ざけますので、ね?」
「耳が痛い話だね」
◆【心当たりがあり過ぎる】
「答えを承知でお聞きしますが
授業免除の権利は?」
「要らないよ。僕の目的はあくまで
学園生活を送ることだけだからね」
「アベル様、くれぐれもノエルに
近づき過ぎぬことを───」
「どうしてかな」
「先もお伝えしたとおり、理事とワタシ
以外にもひとり、彼女が声を自分から掛ける
存在がいます。それは───」
「エマーソン先生。ルミナス家の次男にして
現代魔術の第一人者にして、最高峰の御仁だね」
「ご存知、でしたか」
「彼からのアプローチが続いていてね
今か今かと接触を待ってる所だよ」
「そう、なのですね」
◆【このあとリリスがミハイルに告げ口した】




