魔法使い、被弾す
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村の人々が集まり、バースと僕を取り囲む。悪目立ちするのは賢い選択肢とはいえない。テッドさんを馬鹿にするコイツは愚者でその鼻っ柱を折らなければ危険だ
「逃げないでくれてありがとうございます」
僕はゴーグルを下げ、琥珀眼を表に晒す。村の人々の中で騒めきが起こると肩を振るわせ愚者が吠えた
「ふ、ふざけるなよ!キミは
貴族の誇りまでコケにするつもりかっ!」
「(コケにしてんのはお前さんの態度であろうに)」
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顔を真っ赤にして、怒ってますアピールか?ガキだな。それも性根の腐ったクソガキだ
僕が負ければ溜飲が下がるだろうが、コイツは弟を危険に晒した。それが我慢ならん
不確定要素は『貴族の勉強』だけだ。書庫でもその手の話題にはあまり触れられていなかった。技術や富、知識の独占が働いた形跡が見受けられた
今の時代の貴族がどれ程魔術を使えるのか。それだけに警戒しなければならない
「決闘のルールを説明するっ!
ボクとキミの一対一!
先に参ったと言わせた方が勝ちだ!」
「分かった」
「ま、歳が離れているんだ
ハンデとして」
「ごちゃごちゃと、負けた時の保険か?」
テッドさんの怪我が心配でならない。リリスに言っているけれども、どんな医者でも、患者の命優先で切る選択を取りかねない。優秀であれば尚のこと時間が惜しいんだ
「なっ…!キ、キミはいったいどこまでボクを
侮辱すれば…!」
殺意が生まれた。攻撃の予測がより簡単になる
「いいだろう。ボクを侮辱したことを
一生後悔するといい」
魔術や魔法は手段であって絶対ではない、武器術、体術、環境術と魔法に頼り切ればそれだけ選択肢が狭まり、死が近づく───こやつの口上を聞いてやるのは少しでも後悔の念が生まれていないかの確認でもあった
◆
「風列刃」
「(来た、これが貴族の勉強か)」
抜剣直後に飛翔してくる不可視の斬撃。驚くべきはその発動の速さだった。落ちる雪が風の刃に弾かれたのが見えたが敢えて受けてみた
不可視の斬撃が僕の手を弾いた
「(薄皮一枚、素晴らしいなアレは)」
「ふんっ。その反応。大方キミは
レガリアを見るのが初めてなんだろう?」
レガリア。か、素晴らしいな。戦闘魔術をこの精度で射出できるとは恐れ入る
「まったく…呆れてものが言えないよ
レガリアも知らずにいきてきたとは…
キミは酷い田舎に住んでいたようだね
井の中の蛙、リリスさんが可哀想だ」
「…」
ふむ、これはどう言った所までがレガリアの能力なのだろうか。術式なのか、それとも魔力の貯蔵だろうかもしかしたら指向性だけだろうか
「興味が出てきてしまう」
「ならばハンデ代わりに教えてやる
このレガリアはな───」
弟殺しが剣を振り上げた
「───魔術の構築をサポートする道具さ!」
「そうか」




