第10章 雪音ちゃんと村娘達 114 〜ダンジョン “骸骨の嘆き” ②〜
熊さん達とバイバイした後、私達はダンジョンの中へと足を踏み入れた!
洞窟の中は狭いのかな〜って思ったけど、そんなことはなかった! かなり広くて所々におっきな石筍が地面から天井に向かって伸びていた! 石筍を見上げれば天井にはぶっといつらら石とか細いつらら石がいっぱい垂れ下がっていた!
「わぁ〜、トゲトゲがいっぱいだぁ〜♪」
「ゆ、雪音ちゃん、どうしてそんなに楽しそうなんですかー!? 天井のアレが落ちて来たら私達串刺しになっちゃいますよー!?」
「ラピ様、アレが自然に落ちて来ることはまずありませんから、ご心配なさらなくても大丈夫なのですわぁ〜ん」
つらら石を見て慌てふためく銀髪の巨乳美少女ラピを落ち着かせる名目で後ろからさり気なく抱きつく爆乳ツインテール吸血鬼ラスィヴィア!
「そ、そうなんですかー?」
「んー、鍾乳洞のつらら石が落下して人が怪我したって話はとりあえず私は聞いたことないし、ラスィヴィアがそう言うんだから大丈夫なんじゃないかなぁ?」
「それは良かったのですー♪」
「ただ、魔物を不意打ちするときに爆裂矢や魔法などをぶつけて意図的に落下させることは可能なのですわぁ〜ん」
何その、モンハンワール◯みたいな仕様は!?
「ラスィヴィア、それって魔物側もそーゆー手、使って来たりするの?」
「ぜ、全然大丈夫じゃないじゃないですかー!?」
ラピが体勢を入れ替え、ラスィヴィアの肩を掴んで揺さぶり始めた! ラスィヴィアの爆乳がユッサユッサと揺れている!
「ラ、ラピ様、落ち着いてくださいまし! 大型の魔物が暴れて壁に衝突した時の衝撃でつらら石が落ちて来ることは稀にございますが、ふ、普通の魔物はつらら石をこちらへの攻撃に利用したりはしないのですわぁ〜〜〜ん」
「ほ、本当ですかー?」
「本当なのですわぁ〜ん」
「そ、それならひと安心なのですよー」
ラピは落ち着きを取り戻した! ただ、天井を見ながら不安そうな顔をしている!
「心配ならラピの頭上に蜂の巣型魔法の盾を展開しておくね!」
「い、いえ、落ちて来ないものに余分な魔力を使っては」
私はラピにウインクを飛ばしながら防御魔法を掛けてあげた!
「もう魔法掛けちゃった♪ だから、もう心配しなくても大丈夫だよ?」
「あぅー、雪音ちゃん、ごめんなさいなのですよー」
ラピがちょっとしょんぼりしてしまった!
「気にしない、気にしない。ほら、早く先に進も?」
ひょっとしたら秋芳洞の百枚皿みたいな面白い景色が見られるかもしれないし! アレ見たらラピもきっとテンション上がるよね!
秋芳洞の百枚皿って言う名前は、水の入ったお皿を階段状にたくさん並べたような姿から名付けられたものなんだけど、見たことのない人は必見の景色だと思うよ! 私もネットの写真でしか見たことないから、ここで見られると嬉しいな。
とか思ってたら前方に魔物出現!
「なんかコモドオオトカゲっぽい魔物が出て来たね? 背中とかにネルギガン◯みたいなぶっといトゲトゲがいっぱい生えてるけど」
コモドオオトカゲとかネルギガン◯とか言っても、こっちの世界の人達には通じないんだけど、つい言葉に出ちゃったものはしょーがないんだから突っ込みは入れないでね?
「あ、あれは牙棘背生竜!?」
私が護衛している冒険者4人組のリーダーさんがなんかビックリしてる?
「がぅ?」
「なに? アイツってなんかヤバかったりするの?」
「雪音様、牙棘背生竜の口に生えているギザギザな歯には毒があって、噛まれると出血が止まらなくなるのですわぁ〜ん」
「じゃあ、噛まれなければ良い訳ですねー♪」
「あんたら、なんでそんなにのんびりしてんだよ!? 図体に見合わず素速い動きで有名って、き、来たぁああああ!?」
マッドの言う通り牙棘背生竜が高速で私達に向かって突進して来た!
私達はそれをサッと横に避けて躱す!
そしてすぐさま、やらかしちゃったことに気付いた!
そう! 後ろにいた護衛すべき4人の冒険者達の存在を忘れていたことに!
「あっ、しまった!? つい避けちゃったよ!?」
「『つい避けちゃったよ』じゃないですよー、雪音ちゃん!」
「ラピ様も雪音様のこと言えないのですわぁ〜ん」
「がぅがぅ」うんうんと頷くクゥー!
みんな、同罪だった!
慌てて後ろに振り返ると牙棘背生竜の突進でマッドが吹っ飛ばされて地面で尻餅をついていた!
そんなマッドに尻尾だけ腐って骨になっている牙棘背生竜が覆い被さっていく!
「うぉおおおおおおおお!?」
「マッドぉおおお!?」
「さらば、マッド。お前のことは忘れないじゃん」
「マイケル、勝手にマッドを殺すな!! 早く助けに行くぞ!?」
マッドの上に覆いかぶさった牙棘背生竜がマッドの喉元に嚙みつこうとしてるけど、その攻撃は私の掛けた蜂の巣型魔法の盾によって弾かれ、牙棘背生竜はマッドに噛み付くことができなかった!
そこにマッドの3人の仲間達が駆け寄り、持っていた剣を牙棘背生竜の身体へと突き刺した!
「グァアアアアアアーーー!?」
剣で身体を貫かれた痛みで悲鳴をあげながら牙棘背生竜は右側にいたリーダーさんとチャラ男に体当たりをして2人を吹っ飛ばし、続けて肉が削げ落ちて凸凹した骨の尻尾をブォンと大きく振って左側にいたロリコンを吹っ飛ばした!
「ぐはっ!?」
「がっ!?」
「うわっ!?」
とは言っても流石は私の新魔法! 誰1人、怪我はしていない!
「うん、怪我してないから問題なし!」
「んな訳ねーだろ!? こちとら死ぬかと思ったんだぞ!?」
仲間がやられてる間に窮地を脱して起き上がった短気のマッドが私に突っ込みを入れて来た!
あぅ、やっぱ怒られちゃうよね? ごめんなさーいと私は心の中で謝りながら、ダメージを受けて色が変わってしまった4人の盾に魔力を送って蜂の巣型魔法の盾の破損した小盾の部分を修復しておいた!
「雪音ちゃんの魔法の盾のおかげで無事じゃないですかー? 魔法の盾がなかったらもう殺られちゃってますよー?」
ラピは私を擁護しながら龍の杖を振って牙棘背生竜の上空から氷の槍を大量に落とし、その身体を串刺しにしていく!
「グァアアアアアアーーー!?」
ラピの攻撃に牙棘背生竜は悲鳴をあげながら痛みでのたうち回っている!
それにしても、この牙棘背生竜ってゾンビ扱いで良いのかなぁ? 尻尾ほぼ骨になっちゃってるし。でも、今までゾンビが悲鳴をあげるのって聞いたことがないんだけど、まだ完全なゾンビじゃないのかな?
仮にゾンビだったら名前はゾンビ牙棘背生竜? でも、ゲームとかだとドラゴンゾンビって言うのが確か居たから牙棘背生竜ゾンビって言った方が良いのかな?
そんなことを考えながら私は周囲を軽く見渡し、他に大型の魔物が来ていないか確認をしてみた!
右側では爆乳ツインテール吸血鬼のラスィヴィアが、ワラワラと集まって来た人型ゾンビやゾンビ犬などを炎を纏わせた爪の攻撃で斬り裂き、
左側では雪狼のクゥーが、骸骨犬や骸骨猪に氷塊を落として潰したり、お空から襲い掛かって来る骸骨魚に向かって口から雪狼の凍結息吹を吐いて凍らせたりしていた!
「他は雑魚ばっかりだから特に問題なさそうだね!」
「雪音ちゃん、3人の剣があの腐りかけのおっきなリザードさんに突き刺さったままで問題ありだと思うんですけど、そっちはどうするんですかー?」
「ないなら作っちゃえば良いんだよ! それ〜♪」
私は龍の杖を左から右に振って、3人の目の前の空間に氷の剣を作って地面に突き刺してあげた! 氷の剣って言っても、もちろん握る所は冷たくないよ!
「3人はとりあえず、それで戦って!」
「はっ!? えっ!? はぁあああ!? 何これ、凄くね!?」
「こ、氷の剣!? ゆ、雪音ちゃん、ありがとう!」
「武器精製魔法!? しかも、氷属性だと!?」
チャラ男、ロリコン、リーダーさんは私の魔法に驚愕しながらも急いで地面に刺さった氷の剣を引き抜いた!
「クソッ、お前らだけズルいぞ、こんちくしょおおおおお!!!」
マッドがそんなことを叫びながら、ラピによって氷の槍を背中に大量に落とされ苦しがっている牙棘背生竜の頭に剣を突き刺した!
「こ、これでどうだ!? うおっ!?」
牙棘背生竜は頭に剣が突き刺さったまま、トゲトゲのたくさん生えた剛腕を振ってマッドを攻撃しようとした!
マッドは盾を構えてそれを防ごうとするも牙棘背生竜の巨躯から放たれる攻撃に抗うことができず、盾ごと吹き飛ばされてしまった!
「頭に剣が刺さっても死なないってことは、やっぱりゾンビなのかな? となると八つ裂きにして燃やすしかないよね?」
私は龍の杖を振ってゾンビ牙棘背生竜の周囲に炎の三日月の斬撃をいくつも出現させ、ゾンビ牙棘背生竜の身体を斬り刻んで燃やしてあげた!
「そ、そんなあっさりと倒せるなら避けずに倒してくれよぉおおお!!!」
マッドが情けない声で私に苦情を入れて来た!
「だ、だって腐った見た目の魔物が突っ込んで来たら、気持ち悪くて逃げたくなっても仕方ないと思わない?」
私はマッドから顔を逸らしながら言い訳をしてみた!
「雪音ちゃん、上、上を見てくださいーーーー!!」
ラピの慌てるような叫び声を聞いて上を向くと、ラピが叫びながら放った何本もの氷の槍が、ゲームなんかによく出て来るガーゴイルみたいな奴 ( しかも、腐ってる! ) の群れの何匹かの身体を貫いていた!
氷の槍が突き刺さったガーゴイルのゾンビ達はその身体を氷漬けにされて地面へと落下し、地面に激突した衝撃で砕けてその生命活動 ( ゾンビ活動? ) を停止した!
そして、ラピの攻撃が当たらなかったゾンビガーゴイルが2匹、私に向かって急降下して来た!
私は手に持ってる龍の杖を大鎌にモードチェンジして左から右に横薙いで大鎌から三日月状の大きな赤い斬撃を飛ばし、ゾンビガーゴイル2匹を上下真っ二つに斬り裂いた!
ゾンビガーゴイルは斬り裂かれた所から燃えながら地面へと落下していく!
すると、新たに1匹のゾンビガーゴイルが右手を振り上げながら向かって来たので、私は大鎌を両手で持って頭上から振り下ろし、ゾンビガーゴイルの身体を左右に切断してあげた!
「あー、びっくりした。ラピ、教えてくれてありがとうね♪」
「いえいえなのですよー♪」
「つ、杖が大鎌に変形した!? なんだそりゃああ!?」
えっ、変形武器って格好良いよね? ブラッドボー◯の武器とかカシャン、カシャンさせるの好きなんだけど? うん、ちょっと現実逃避してみた! あー、変形させないで杖のまま斬撃飛ばしておけば良かったなぁ〜。失敗失敗。あとで記憶操作しておかなきゃね!




