第10章 雪音ちゃんと村娘達 113 〜ダンジョン “骸骨の嘆き” ①〜
ダンジョン “スケルトンズ・ウエイル”の入り口でラピ達の到着を雪狼のクゥーや風の魔法を使うことが出来る熊さん達と待っていたら、私の下僕のキジトラ柄で青いお目目の猫ちゃんザルガーニがなぜかやって来た!
「なんでザルガーニがこんな所にいるの? もしかして夜のお散歩?」って聞いてみたら、同じく私の下僕である爆乳ツインテール吸血鬼のラスィヴィアに転移魔石で無理やり召喚されて人間の男をスケルトン・スカイフィッシュって言う空飛ぶ骸骨のお魚さんの群れから守るように言われたんだって!
それで群れをやっつけたのは良いんだけど、ここからアヴァリードの町まで夜通し走って帰るのは大変だから、私に転移魔法で送ってもらおうと思って途中で進路を変えて私の所にやって来たそうなの!
「もう、ラスィヴィアってば何してるのよ!? アヴァリードの町からここまで人間の足で歩いて3日ぐらいは掛かるんだよ!? いくらザルガーニの足が人間より速いからって」
「我輩のために怒ってくださるのは嬉しい限りなのであるが、雪音様の転移魔法で館に送ってもらえれば問題ないのであ〜る。それに、骸 骨空魚の群れを倒した報酬として明日の夜食に出るあの馬鹿の分のアイスクリームを貰えることになっているのだ」
そう告げて来る猫ちゃんザルガーニの尻尾は嬉しそうにユラユラと揺れていた!
犬猿の仲なのにアイス欲しさにラスィヴィアの命令聞いちゃうとかザルガーニって本当にアイス大好きだよね♪
「そう? じゃあ私からも冒険者守ってくれたご褒美に今度新作のアイスクリーム作ってあげるね♪ 今日はありがと♪」
「雪音様、それは本当か!? 実に楽しみなのである!」
ザルガーニの尻尾がブンブンと揺れている!
「あっ、そうだ! メリッサやスカーレットちゃん達に帰りは明日以降になると思うって伝えておいてくれる?」
「そのくらいお安いご用なのである」
「お願いね〜。じゃ、転移行くよ〜?」
私は奴隷商人の館の地下にある室内庭園&運動場に猫ちゃんザルガーニを転移してあげた!
それからしばらくして、ラピ達が到着した!
「雪音ちゃん、お待たせしましたー!」
「ようやく追いつきましたわぁ〜ん。人間どもが貧弱過ぎて必要以上に時間が掛かってしまったのですわぁ〜ん」
はぁ〜、ラスィヴィアはどうして煽るような発言しちゃうんだろうね?
「や、やっとダンジョンに辿り着いたぜ……」
「ここから新たに発見された下層まで、また行くんですよね……」
「つ、辛すぎるじゃん……」
「むしろ、ここからが本番だろう? 今度は亡者どもの巣窟であるダンジョンに入って行かないといけないんだからな……。( できることなら俺も帰りたい…… )」
ラスィヴィアに説教しようかと思ったけど、私の掛けた蜂の巣型魔法の盾のおかげでかすり傷1つ負っていないのに心が折れ掛けている4人の冒険者達の様子を見て私は首を傾げた。
「怪我しないように防御魔法掛けてあげたのに、なんであんなに弱音吐いてるの? 私と別れてからそんなに疲れるような亡者の魔物でも出たのかな?」
ダンジョンまでの通り道にいた亡者達は熊さん達と一緒に結構倒したはずなんだけどなぁ?
「雪音ちゃんが私達を置いてけぼりにしたあとですかー? 空飛ぶ骨のお魚さんの群れに襲われたりー、気持ち悪い人型ゾンビさんに襲われたりしたぐらいですかねー?」
ラピはしゃがみ込んで仔熊さんの頭を撫で撫でしながら私の質問に答えてくれた。
「クマ〜♪」
仔熊さんは嬉しそうだ!
「ッマー! ッマー!」
もう1匹の仔熊さんが『僕も撫でて撫でて〜』って鳴いている!
なのでラピは「はいはい、今撫でてあげますからねー♪」と言って、もう1匹の仔熊さんの頭を優しく撫で始めた。そんな和む光景を見ながら私はラピに質問をした。
「空飛ぶ骨の魚はさっきザルガーニが来て教えてくれたから知ってるけど、気持ち悪い人型ゾンビ? ゾンビって身体が腐ってて所々で内臓がポロリしちゃってるから元々気持ち悪い存在だと思うんだけど?」
「そのゾンビさんじゃないのですー。えっとですねー、うっ、思い出したらちょっと気持ち悪くなって来ちゃいましたのでラスィヴィアさん、説明をお願いするのですよー」
そう言ってラピは青い顔して目を閉じ、両手で耳を塞いでしまった!
そんなにキモいゾンビって一体どんなゾンビなのかな?
「分っかりましたわぁ〜ん♪ ロトン系の亡者が苦手なラピ様がちょっと頑張ってみようと襲い掛かって来るゾンビの両腕と首を氷魔法の斬撃で斬り飛ばした時のことなのですわぁ〜ん」
ラスィヴィアはラピにお願いされてすっごく嬉しそうだね?
「抱きついて噛み付くことができなくなったゾンビの肋骨が腐った胸の肉を突き破って、こうガバッと開いたのですわぁ〜ん」
ラスィヴィアは両手の指先をメロンのようなお胸の谷間に持って行った後、目の前の相手を食べようとするかのように肋骨に見立てた両腕を大きく横に広げた!
「うわ〜、それはキモいかもって、ちょっ、ぶっ!?」
そして、そのままラスィヴィアは私に抱きついて来て私の後頭部に手を当て、私の顔をメロンおっぱいに引き寄せた!
肋骨でパックン攻撃して来るゾンビの真似するのは良いけど、力込めてお胸に押し付けなくても良くない!?
「ん〜、もう!」
私はメロンおっぱいを両手でグイッと押しのけ、ラスィヴィアを引き剥がした!
「あぁ〜ん、雪音様、そんな乱暴に私の胸を押さないでくださいまし♡」
うげ!? こんな所でドM発動させないでくれる!? よし、スルーしよう!
「うんうん、無力化したと思ったのに、そんなビックリ仰天な攻撃されたらトラウマにもなるよネー。ラピが思い出すのもイヤな理由がよく分かったよ!」
「がぅがぅ」うんうんと頷くクゥー!
「うぅ〜、雪音様、“するー”なさるなんて酷いのですわぁ〜ん」
「あっ、こば!?」
私がラスィヴィアの反応をスルーしたら、ラスィヴィアが何を血迷ったのかガバッと両腕を広げて私に抱きついて来た! 再度ラスィヴィアからお胸圧迫攻撃を受ける私!
「( も、もう1度、胸を潰すようにギュッと強く押してもらえないかしらぁ〜ん? はぁはぁ♡ 押し返してもらえなくても、ラピ様がこの光景を見てお怒りになって私のお尻にお仕置きをしてもらえれば、それはそれで♡ あぁ、でも今ラピ様は目をお閉じになっているから ) って、雪音様、どうして先ほどのように刺激を与えてくださらないのかしらぁ〜ん!?」
やっぱりか!? この変態め! しかも、逆ギレとかおかしいよね!?
私はラスィヴィアにテレパシーの魔法を使って話し掛けた!
『館に帰ったら私に2度も抱きついて興奮してたことラピにバラしてあげるから、今すぐ私を解放してくれる?』
「っ!? もっちろんですわぁ〜ん♪ ( ラピ様のお仕置き、楽しみなのですわぁ〜ん♪ はぁはぁ♡ )」
私はラスィヴィアの抱きつき攻撃から解放された! ラスィヴィアは自分の身体を抱き締めクネクネしている!
まったく、やれやれだよ……。はぁー。
私は気を取り直して、さっきの続きの質問をした!
「それで、その肋骨の骨でパックン攻撃して来るゾンビって特定の個体だけだよね? 私が今まで戦った中にはいなかったと思うんだけど?」
「( はぁはぁ♡ お尻をグリグリする時に電撃も流してもらえたら最高なのですわぁ〜ん♡ )」
ラスィヴィアはトリップしてて私の話を聞いていなかった!
「ちょっとラスィヴィア! 妄想の世界に入ってないで私の質問に答えてくれる!? ラピにバラしてあげないよ!?」
私はラスィヴィアの身体にタッチし、軽く電撃を流してあげた!
「ひゃん!? ゆ、雪音様!?」
ビクンと身体を震わせた後、ラスィヴィアは妄想の世界から帰って来て私の方に顔を向けた!
「ラピにお仕置きしてもらいたかったら、ちゃんと質問に答えてね? 肋骨の骨でパックン攻撃して来るゾンビって特定の個体だけなんだよね? 私が今まで戦った中にはいなかったと思うんだけど?」
「そ、その通りなのですわぁ〜ん。人型ゾンビの上位個体の1種でリブバイトゾンビと名前がついておりますわぁ〜ん」
「そうなんだ? 他にも変わり種っているのかな?」
「腕が上下に裂けるとそこに無数の牙のような骨が生えていて、それで噛み付き攻撃をして来るアームバイトゾンビ、体内に蛇や巨大百足を飼っていて、手の平や開いた口、斬り飛ばした腕の傷口からその寄生生物を飛ばして来るフィーダーゾンビなどがおりますわぁ〜ん。地上で見かけることは滅多にございませんけれど」
「くぅーん、くぅーん」
クゥーは身体の中に寄生生物を飼ってるゾンビもいると聞いて尻尾をお股に挟んで震えている!
「クゥー、近付く前に魔法で倒しちゃえば大丈夫だよ! 魔法の盾だってあるんだし! クゥーは強い男の子なんだから、そんな情けない声出しちゃダメだよ?」
「が、がぅ!」わ、わかったー!
「うん、偉い偉い♪」
私はクゥーを撫で撫でしてあげた!
「雪音ちゃーん、お話はもう終わりましたかー?」
足元で仔熊さん達にじゃれつかれてるラピが目を閉じ耳を塞いだまま私に聞いて来た! だから私は耳を押さえているラピの両手を掴んで耳から外し「うん、終わったよ。災難だったね?」って声を掛けてあげた!
「もう、災難どころのお話じゃないのですー! きっと夢に見ちゃうのですよー!」
ラピは両手をグーにして腕を上下にブンブン振って私に抗議して来た! プチおこのラピも可愛いね♪
「じゃあ、夢にうなされないように私がハグして一緒に寝てあげるよ!」
「“ないとぶら”を外して抱き付いてくれますかー?」
「えー? それは豊胸の妨げになるから却下かな?」
「むー、雪音ちゃん、そこは怖い思いをした私のためにひと肌脱いでくれるところじゃないんですかー?」
「ナイトブラはするけど服はいつも脱いでるんだから、それで良いじゃん?」
「良くないのですー! 雪音ちゃんの柔肌で私の身体を直に温めて安心させて欲しいのですー!」
「じゃあ、ラピが怖い夢見ちゃって泣きながら抱き付いて来たら、そうしてあげるよ」
「うー、約束ですよー?」
ラピは頬をぷくーっと膨らませながらも渋々と了承してくれた!
「怖い夢見てラピが泣いちゃったらね?」
「( やりました! 雪音ちゃんから言質を取ったのですよー♪ 毎日怖い夢を見たことにして水魔法を使って泣き真似をして、生まれたままの姿をした雪音ちゃんを抱き締めて寝ることが出来そうなのですよー♪ )」
そんなことをラピが考えているとは思ってもいない雪音ちゃんはと言うと……。
うーん、ラピの心の平穏を保つのも大事だけど私の豊胸活動も大事だからナイトブラの着用は欠かせないんだよネー。あっ! 寝る前にゾンビの肋骨パックン攻撃の夢を見ないようにする魔法をラピに掛けてあげれば良いんじゃないかな!? うん、そうすればナイトブラ外さなくて済むし、ラピも怖い夢見ないで済むもんね!
こうして、ラピの“怖い夢を見たから泣き真似して裸になった雪音ちゃんを抱き枕にしよう作戦”は実行前に失敗が確定してしまうのであった!




