雷の王者
「ビクティニアスッ!アイラセフィラッ!」
誰のものだがわからない悲鳴が響く…2柱のいた場所は激しい雷撃で焦げた後しか残っていなかった。
「まさか…そんな…。」
ゼラフィティスが膝をつき崩れ落ちる…。それに連なる様に男神たちは次々に膝をつき絶望に堕ちていった。勿論、それを見ていた人々も世界の終わりを見たかの様な呆然とした表情をして見ている。
「(え?まだ攻撃してないんだけど…なんでビクティニアスとアイラセフィラに雷が…???)」
1人(?)混乱していたのは先ほどまで激怒していたマギアルウスだ。確かに自分はビクティニアスとアイラセフィラに牽制として雷の魔法を発動しようとしていた…しかし、その前に自分が想像もしていない規模の雷が降り注ぎ2柱の女神を呑み込んだのだ。
辺りは静まり返り絶望の波にのまれていく…そんな時、
「おにいちゃんだ!」
メイの声が一帯に響きわたった。その場にいた全ての人が周りを見渡し、マサルの死体がない事に気付き、もう一度見渡すが見付からない。そしてメイの視線を手繰り空を見上げるとそこには…。
雷を背後に携え、抱き付くビクティニアスとアイラセフィラの腰に手を回し支えるマサルが空に立っていた。
「いやぁ〜ただいまっ!何とか間に合ったな……あの馬鹿がヘマやらかすから遅くなったよ。」
「きっ…貴様っ!なんで生きている!」
「いやぁ、雷くらって死んだと思ったら「死んでしまうとはなさけない」とか言う王様がいてな、
生き返らせて貰って戦いの準備してから、すぐ帰ってくる予定だったんだけどな。まぁ………色々あったのさ。」
「生き返らせてって…そんな簡単にお前っ…しかも、その力は?」
「美人な王妃さまが可愛い娘たちを助けてくれって言って、ヘマをリカバリーして寝込んだ王様の伝説の武器を貸してくれたんだ。雷霆っていうんだ、格好いいだろ?」
説明するまでも無いギリシャ神話主神ゼウスの最強の武器だ。
「…………そんな馬鹿な………何故そのような強力な神の武器が…。」
「そりゃあ、王妃さまの可愛がってる娘たちを泣かせた馬鹿と、一世一代の見せ場でしくじった残念な王様のせいだろ。」
色々と事情が透けて微妙な表情になる男神たち。ワイシェットブローラムなんかは、もう勝負はついたんじゃね?と緊張を放棄し始めている。
「じゃあ、ビクティニアスとアイラはシルファヌスの元へ……あの変態は俺が倒す!!」
そっとビクティニアスたちをシルファヌスの元へと下ろしたマサルはアダマンタイトの槍と雷霆を構えマギアルウスに向かい合う。
「さぁ、どっちがアルステイティアの雷の王者か決めてしまおうか!」
雷霆も自分の力ですと、開き直ったマサルは手加減するつもりなど全くない。
「くそぉ!ビクティニアスは我のお嫁さんになるんだぁっ!ぶぺぽっ!!」
突如、地面にめり込んだマギアルウス…。
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『新着のメッセージがあります』
ごめん、あまりにもストーカーが気持ち悪かったから小突いちゃった♪ by.ヘラちゃん
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「小突いたら地面に…いや、忘れよう。」
流石に追い討ちする空気ではなくなり、マギアルウスが意識を取り戻して立つまでの3分待っていたマサルはきっと悪くない。
マサル復活です!
そして、チート武器GETだぜ(レンタルです)!
やっぱりシリアス過ぎると作者が我慢出来なくなっちゃいましたね。




