表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

179/272

蟹三昧!!そして…。

「ロブスター?オーブン焼きと、ガーリックバター焼きで御座います。」


アデリナとザーグが恐る恐るテーブルに料理を運んでくる中、マサルは開き直って神々との会話に専念していた。


「いなかったって言う、マギアルウス様ってどんな神様なんだ?」


「えっと………ドワーフの姿をした研究や珍しいもの好きの変わった方ですわ。例のバゼラールカに現れたゲジゲジでしたっけ?最近では、あの生き物の解剖に熱心でしたわ。」


「へぇ、何か解ったの?」


「やっぱり想像通り、あまり良く無いものでした…本来はこの世界にない…。」


「マサルっ!このガーリックバター焼き美味しいわよっ!ほらっ、あ〜ん♪」


「!?…ちょっと…あ〜んっと…んぐんぐんぐ…おっ、美味いな!アイラも食べろよ、全部食べられちゃうぜ。」


ビクティニアスは話なんて全然聞いていないみたいでロブスターに夢中みたいだ。マサルとアイラは苦笑して食事にも手を出し始める。


「ルコココとギザミのサラダで御座います。」


「んっ!これも美味しい!」


「ハーブのドレッシングがとても合いますね。」


とてもほのぼのとした雰囲気をぶち壊す様に机の端から大きな声が聞こえてくる。


「おい、マサル!酒はなんで作ってないんだ!旨い料理と言ったら酒が付き物だろう!」


「ワイシェットブローラム様……俺の出身地では酒造は本当に職人がする物で一般人が手を出す物じゃないんですよ。」


「何でだ!?」


「酒造法でアルコール度数1%以上のお酒を醸造することは違法になるからだよ。」


「酒に罪は無いだろ!」


「密造酒は罪になるんだよ!」


ちょっとワイシェットブローラムにはここの街にある麦酒や果実酒、蜂蜜酒では物足りなかった様だ…主にアルコール度数的に。


「マサル………お願いだから皆の前で神様に怒鳴るのは止めて…ストレスでどうにかなりそうだから…。」


悲痛な顔のアデリナに怒られてしまった。


「怒られてやんのっ!」


ワイシェットブローラムが指を指して笑いだした…無言で後ろに回ったマサルは握り拳を思いっきり振り下ろす。


ゴッ!!


鈍い音が響き会場が静まりかえる。


「「…………ふふふふふふっ。」」


静寂の中で笑い始めたビクティニアスとアイラセフィラの声に視線が集まっていく。


「……………のぉ…………いたっ………うおっ…………。」


拳骨を食らわされた頭を抱えて地面をゴロゴロと転がり痛がるワイシェットブローラム。アデリナは口をパクパクさせながら顔を白くしているザーグは見ないふりをしながら次の料理を運ぶ。


「ロブスターグラタンと濃厚ブイヤベースです。」


「ビクティニアスもアイラもグラタンのチーズは熱いから気をつけろよ。」


「「は〜い」」


「………手加減くらいしろや…死ぬかと思ったぞ。」


「神様がそれくらいで死ぬのか?…っていうか死ぬんだ?」


「神だって死ぬぞ。我々は永遠を生きるがそれは遠く永い時をって意味で無限の時間を生きている訳じゃねぇ。」


「そうね、さっきのワイシェットブローラムの死ぬかと思ったは大げさだけど、神様だって刺されれば血が出るし、毒殺だって可能よ?簡単じゃあ無いけどね。…って、マサル!みんな私の食べてないの食べてるっ!私もアレ食べたいっ!」


かかる手間の関係で神々と人では料理を変えていたのだが、カニクリームコロッケを目敏く見付けたビクティニアスが叫んだ。


「………おっ、おう。アデリナはカニクリームコロッケ持って来てやって、ザーグはパスタそろそろ出して貰ってくれ。」


…何処までもシリアスに向かない面々である。


「おいっ、マサル!非常事態だ!」


突然、席を立ち叫んだゼラフィティスに食べる手を止め注目する一同…。


「………いやぁ、皆さんは食事を続けてください。」


ペコペコと頭を下げるゼラフィティスに気を使い、皆食べるフリをするが意識はしっかり集まっているのを感じる…無理も無い、これは神様の緊急事態宣言なのである。


「ゼラフィティス…愚かね。」


シルファヌスの辛辣な一言で斬り棄てられる。ロリエルフの美少女の毒舌は何やらゼラフィティスに会心の一撃を与えたようだ。


「本当にロリコン属性に覚醒してないよな………ちょっと待てよ。大気操作(エアコントロール)っと…これで空気の幕を作ったから会話は向こうに聞こえないぞ。」


音は空気の振動なので極端に空気の薄い層を作った事で振動を妨害をしたのだ…盗聴防止の基本である。本来は真空まで持っていきたかったが危険だし、効果は十分あるとしてこの辺りで折り合いを付けたのだ。


「で、何なのよ。貴方の言葉でコロッケもパスタ来ないじゃないの!」


「ビクティニアス………コロッケもパスタもいつでも作ってやるから話進ませてやってくれ。で、ゼラフィティス…非常事態って何だ?」


「……………マギアルウスの存在が消えてる。」


息を飲む神々一同。


「つまりは………どういう事なんだ?」


「マギアルウスは死んでるって意味だ。」


「え?…………どういう事???」


流石にマサルも非常事態過ぎる話の内容に暫く話の内容を理解出来なかった。



マギアルウス様登場前に死亡報告です。

名前持ちのキャラクターの第一死亡は神様でした。


今日は色々忙しくて更新遅れました、すいません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ