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来襲…そして。

あ、3月1日分です。予約ミスった(笑)

「あらぁ!アデリナさん間に合ったかしら?」


「誰………?」


「私の義母のミーティアよ………また面倒なのが来たわね。」


「遂にわたくしも王族デビューなのねっ!良く出来た娘を持つと鼻が高いわっ!」


「アデリナとザーグ以外にヴィンターリアに王族は居ませんがこちらの方は何か勘違いしてらっしゃるみたいですね?と言うか誰が街に入れた?」


突然現れた数名の取り巻きを連れて、派手な鳥の羽で飾りつけられた頭のおかしい孔雀の様なドレスを着た太ったオバサンを一瞬で敵認定したマサル。


「お義母様?私は一国の女王です。言葉にはお気をつけ下さい。あと、マサルの言った様にお義母様が王位継承権を持つ事も国家に関わる事もありませんわ。」


「何を言ってるの!誰が貴女を育てたと思っているの!!貴女の亡き母に変わってわたくしがどれ程に気を使ってたと思ってるの!」


「私の記憶が確かなら、母が不慮の事故により亡くなってから、その少し前に父の周りをウロウロし始めた貴女がズカズカ入り込んで生活が一変して、あまりの酷さにランスロット叔父様が当時戦場であったポータリィムに連れ出したのだと思ってましたが?」


「あの生意気な義弟(おとうと)はまだ生きているのかしら?まぁ、良いわ、ここはグレイタス王国じゃないのですから愚かな義弟(おとうと)の顔を見る事はないのですからね。」


「………ランスロットォォォォオォォォッ!!今すぐココに来いっ!」


マサルの咆哮は街中へと響き渡り、あまりの声量にアデリナとミーティア、その取り巻きたちは耳を押さて蹲る。


「何よっ!この男!いきなり馬鹿みたいに大きい声出してっ!!耳がおかしくなったらどうするの!」


ギャンギャン喚くミーティアを輝かんばかりの笑顔でスルーし続けるマサル。アデリナはその笑顔の裏に溜まりに溜まっていく怒りを察して声が出ない。マサルが怒っている事なんて見たことないのだ。


「どうしたっ!マ……サル?………うわ!ヤベッ!ちょっと待てマサル、すぐに追い出す!だから待ってくれ!」


駆け付けたランスロットはマサルの表情と騒ぎたてるミーティアを見て正確に状況を把握する。


「ちょっと義姉上(あねうえ)、馬鹿をするなら時と場所と相手を選んでやって下さい!いきなり斬り殺されても文句は言えんのですよ!?」


「何を言ってるの!わたくしはアデリナの義母(はは)なのよ!あの()がこの国の女王となったのですから、わたくしも王族の一族として…。」


ガンっ!!ランスロットの後ろの地面に大剣が突き刺さる。明らかにマサルがアイテムボックスから出した物で、そのマサルはまだ輝く笑顔をしている。


「…………ミーティア!今すぐ街を立ち去れ!じゃないと死ぬ!ってかマジでオレも死んじゃう!」


「何よ、その男1人に何を怖れているって言うの?貴方はグレイタス王国の英雄とか呼ばれているのでしょう?」


「ちょっとアデリナっ!向こうの子供たちを全員神殿にでも避難させろ!退避だ、退避っ!!」


「分かった!叔父様も死なないうちに逃げて!」


この間もギャンギャン耳障りに騒ぎたてるミーティア。空に集まる圧縮された空気…。


「マジでヤバい!ちょっとマサル!大剣じゃなく盾をくれよ!ちょっと本気で!」


「そんなものあったら亀に使ってるわぁぁぁぁっ!」


ボムッ!!近くの地面に触れた魔法で圧縮された空気はその瞬間に全ての力を周囲に撒き散らして、近くにあったレンガ造りの倉庫と数人のターゲットたちを吹き飛ばした。

声にならない悲鳴と絶叫は誰の耳に入る事もなく暴風に消えた。


「あぁ、ちょっとスッキリした!瓦礫の後片付けはもう夜で良いや、今日は朝から勝ちか負けかよく分からん対戦あってちょっとイライラしてたんだ♪じゃあ、料理でもするかな♪じゃあな、ランスロット、宴でな!そのゴミは片付けておけよ!瓦礫は放置で良いからな!」


「ぐっ………こんだけやって1人も殺さないか。あいつがスッキリしたなら良いか…神々の相手はヤツにしか出来んからな。」


この後、駆け付けてきたアクシオン王によって捕縛されたミーティアとその取り巻きは結局マサルに石の牢屋を追加して貰い(一応、女性には配慮した造りにはなっている)その中に帰国時まで勾留となった。

余計な仕事をさせられたにも関わらずその石牢造りは喜んでやってくれたのがランスロットやアクシオン王にとって何よりも救いとなった。


「おにいちゃんはね、おねえちゃんだいじにしてるんだね!」


メイのたれ込みによって、ミーティアの態度や言動、人格に対して怒っていたのではなく、お祝いの日にアデリナに水を差した事に怒っていた事をバラされたマサルはギリギリまで私室にこもっていたとかなんとか…。

アデリナさんもあんまり良い大人に恵まれていなかったようです。

今回の事で完全に親との縁が切れてしまいます、お察しの方もいるでしょうがアデリナの実母はミーティアによって暗殺されてます…当時、アデリナの実母と仲が微妙だった実父は察していながらも知ろうとしませんでした。アデリナをランスロットが連れて出ていった時、実父は暗殺されるのではないかと心配していたのでホッとした様です。

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