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第三十話 迫る影

「ふぅー、やっと飯食べられる」


 俺達は席に着き、それぞれ食べたいメニューを店員に言った。

 リアンは、ヒリン草のスープにローストビーフとハーブのサンドイッチ。

 鏡牙は、カニのクリームパスタ。

 俺は、取りあえず肉が食べたかったのでスモークチキンとパンを頼み、リアンみたいにサンドして食べることにした。

 その後、昼食を摂って俺達は、部屋に戻り荷物を取りに行った。


「さぁ、忘れ物は無いな?」

「ああ、問題ない」

「大丈夫よ」

「なら、レイズニアに向かうか」


 俺達は宿を出て、テイロニアを離れて港に向かった。


「このまま歩いて一時間くらいか......」

「ああ、少なくとも何も起きなければな」

「え? それってどういう......」


 すると、茂みからスライムやあの黒い影が現れた。


「くそ、ユーリの奴...... 早速哀れな魔物達を使ってきたか」

「おい鏡牙、どうするんだ?」

「全部相手するのは不利だ、面倒な影を聖水で消してスライムは相手にするな!」

「分かった、影は俺と鏡牙が何とかするから、リアンはスライムを近づけないようにしてくれ」


 リアンは、そう聞くと頷いてスライムを風の呪文で近づけられないようにしていた。

 俺も奴らを消さないとな......

 腰に着けている袋から、俺は小瓶に入った聖水を三つほど取り出した。

 これは石灰と砕いたクリスタルを少量混ぜたもので、作り方は宿にいる時に鏡牙から聞いて、少し時間がある時に作ったのだ。

 あまり時間が無かったので、取りあえず全員に三個ずつ、合計九個しか作れなかった。

 だが、影も三体しかいないようだから多分大丈夫だろう。


「くらえ!」


 俺は、影に聖水をぶっかけようとした。

 しかし影は、うまい事聖水をかわした。


「くそっ、アイツ聖水をよけやがった」


 すると、鏡牙が俺に叫んだ。


「シン! 後ろだ!」


 振り返ると、後ろには影がいて俺に襲い掛かろうとしていた。


「これならはずさねぇ!」


 俺は至近距離で聖水をぶっかけた。

 すると、影は透けていって消滅した。


「シン、気を付けろ」

「すまない、気を付けるよ」


 どうやら鏡牙も一体、影を消滅させたようだ。

 後は、俺が消しそこねた奴だけか......

 今度こそ仕留めてやる。


「逆にこっちから距離を詰めれば!」


 俺は、影に近づいて聖水をかけた。

 すると影は、消滅した。


「鏡牙! こっちは片付いたぞ」

「よし、リアンだったか? 片付いたみたいだから逃げるぞ」

「わかったわ」


 俺達は、急いでその場を離れてスライムから逃げた。


「はぁ、はぁ、ここまで来れば大丈夫だろう」


 俺は息を切らしながらそう言った。


「ああ、だが気を緩めるなよ、ユーリは必ず俺達を殺しに来る」

「だから用心しないとな」

「それより港が見えてきたわよ」


 リアンの言う通り、目の前には港が見えた。

 やっとか......

 早く港に行って一息つきたいな。

 俺は、懐中時計をチラっと見た。

 すると、針は十五時を指していた。

 あと少しか、とにかく港までは気を引き締めないとな。

 その後は、何回か戦闘にはなったがあの影は現れなかった。

 あまり数はいないのだろうか?

 そんなことを考えていると、俺達は港に着いていた。

 まあ、あの影は相手にしないに越したことはないだろう。

 取り合えず今日はどこかの宿に空きがあればいいんだが......

 その後、俺達は何件か宿を探して、運よく部屋に空きがあって俺達はそこに泊まることにした。


次回「 久々の素材集め 」

どうも、黒密Ξです。

もうすぐGWですね。

GW中も小説は何話か投稿します。

いつも読んでくれる方へいつも有難うございます。

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