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カードマスターの流浪旅  作者: 八神清吾
カードマスターの国づくり
156/159

テラ・サーンクタ聖国 2

一ヵ月後、父ルゼルと俺、そしてノーチェの三人だけで、テラ・サーンクタ聖国の聖都へ瞬間移動した。

城を見上げると我が国の四倍はありそうな大きさだ。とんでもないな。


他国へ我が国は強いぞ。そして資金力も凄いぞアピールですか~?

無駄遣いが過ぎるだろう。勿体無い。

俺は城へ侵入すると、父ルゼルに気付かれないよう、隠れて何体もの分身を城の各部屋へ侵入させた。


そして俺達は透明化の魔法で姿を消し、正々堂々と城に侵入した。

思った通り、城内には豪華な宝石や壷、絵画、金の柱、素晴らしい絨毯と贅を尽くした内装だった。

多分、金貨や金、珍しい本や武器、魔道具も隠し持っていそうだ。シンシアとユナが喜びそうだ。


広いパーティー会場では、多くの貴族が集まり、祝賀会が開催されていた。

気が早い。もう、勝った気でいるよ。


幾つかの部屋を通り、各国の王族が集まる部屋へ無断で進入し、我々用に準備されたと思われる椅子に座った。こんなことをするのは相手を驚かすのが目的だ。


大きな会議室にはクローバ帝国、ダイヤ連合、スペード皇国、テラ・サーンクタ聖国の王族、貴族が勢ぞろいし、各国の兵が百人も控えていた。この会議室がいかに大きいかがわかるだろう。

何度も言うが、テラ・サーンクタ聖国は無駄遣いが過ぎる。


会議室に入るとテラ・サーンクタ聖国のアーサー聖王が激怒しているところだった。


「おい!ルーセント王国はまだ来ぬのか?もう時間は過ぎているのだぞ。あの国は我が大国に逆らうつもりでいるのか?」


「ハッ!今だ聖都どころか、テラ・サーンクタ聖国の領土にも入っておりません」


「もうよい!あの国を攻め落としてやる。全員、皆殺しだ」


思った通り、言うことを聞かない我が国に対して怒っているな。

さて、そろそろかな。


「我が父、ルゼル・フォン・ルーセント国王と王太子であるノア・フォン・ルーセントなら、ここにおります。何を怒っているのですか?」


そう言うと父ルゼルと俺は姿を現した。ノーチェには俺の影に控えさせている。


「なっ!なんだと。兵も連れず、たった二人で来たというのか?」


「何をそんなに驚いているのかわかりませんが、姿を消して貴方方の様子を伺っていただけでよ。別に大意はありません。それに僕達には兵は不要ですから・・・気に入りませんか?」


「そんな馬鹿な!この部屋には魔法が使えない魔道具を設置しているはず。なのに何故?・・・一体どうやった?」


ああ、それなら城に入る前、城全体に神域を展開し、魔道具を使えないようした。

それに魔道具なら、この部屋へ入った瞬間にすべて回収させてもらった。

魔道具は以前、佐々木達が使っていたスキル封じの魔道具だったかな。良いものが手に入った。


「大有りではないか!無断で我が城に侵入しおって」


真っ赤な顔でアーサー聖王は激怒していた。余裕のないやつだ。


「可笑しなことを仰る。召集したのは貴方ですよね。父上、書状にそのような記述がありましたか?」


「そのような記載はなかったな。ノア、話はすべてお主に任せる。失礼のないようにな」


俺の指示通り、父ルゼルは落ち着いた様子で椅子にゆったりと座っている。

他人から見れば、この状況で何故、ここまで余裕でいられると不思議に思うだろうな。


「ハッ!承知しました」


「ヌググ・・・戯言をぬかすな。死にたいのか!!!」


アーサー聖王は血管がぶち切れそうな勢いで怒ってくる。

まったく、短気な男だ。


「一体、何を怒っているのですか?どうか、落ち着いてください。ほら、他国の方も呆れていますよ」


「何だと!たかが、王太子の分際のガキが、余に意見するというのか。調子に乗るな!」


「何を熱くなっているのですか?テラ・サーンクタ聖国も意外と大したことのない国だったのですね」


「このガキ、言わせておけば・・・ヌググ・・・おい!こいつを今すぐ始末しろ!!!」


短気な男だな。よくこんな男が大国をまとめているものだ。

しかし、驚くほど簡単にアーサー聖王は俺の挑発に乗ってきたな。

この王で、この国は本当に大丈夫か?


「エッ?誰がですか?貴方の兵は何処にもいないようですが・・・見限られたのですか?」


「なっ!騎士達は何処へ行った?・・・・・・グッ!勇者達とすべての兵を連れて来い。すぐにだ!」


「「「「「「「ハッ!」」」」」」」


アーサー聖王が俺に怒りをぶつけている間、三百名以上もいた騎士団にはある場所へ移動してもらった。俺の分身体が転移させたのだ。


この日のために何もない草原に逃げられないよう、大きな牢を作っておいた。

牢には数百万人は入る大きさにしている。

しかし、情報は入っていたが、やっぱり勇者召喚をしていたか・・・まったく!異世界人を何だと思っている。


「父上。待っている間、紅茶と菓子でも如何ですが?美味しいですよ」


待っている間、父ルゼルに俺が淹れた最高級の紅茶と手作りケーキを父ルゼルへ勧めた。


「うむ。・・・・・・おお、美味いではないか。また、腕を上げたな」


「ありがとうございます」


「何故、お主達は落ち着いていられるのだ。すぐに兵が押し寄せてくるのだぞ」


アーサー聖王も俺達の態度が不思議でならないらしい。


「そうだ!我々まで巻き込まれるではないか」


他国の王族が皆、慌てふためいているようだが、そんなものは関係ない。


「我が国が何も知らないとでも?クローバ帝国、ダイヤ連合、スペード皇国の三国が既にテラ・サーンクタ聖国の配下になっていることは知っているのですよ」


「「「!?」」」


「更に貴方達の国からも我が国に兵を出していますよね。我が国を敵に回したことは失策だったとすぐにわかるでしょう。まあ、貴方達の帰る城はありませんがね」


「たかが一国に何ができるのだ。思い上がるな!」


「ジャローナ王国の一件から、お前達の国は気に入らなかったのだ。絶対にルーセント王国をぶち壊してやる」


「へぇ~。そうでしたか。ですが、それは貴方達が戦を仕掛けてきたせいでしょう。それに我が国はジャローナ王国を助けただけで・・・これって、言いがかりですよねぇ。違いますか?」


「「・・・・・・」」


「確かにノア王太子の仰る通りです。弁明する余地もありません」


クローバ帝国の若き帝王以外は文句を言ってきたが、流石、俺が認めたソーラス帝王だ。

多分、やむなくテラ・サーンクタ聖国の軍門に降ったのだろう。


暫く紅茶の味を堪能していると数人の足音が聞こえてきた。


「勇者だけだと!兵はどうした?誰もいないのか?」


「それが・・・兵士どころか、誰一人もいないのです。しかも・・・」


「しかも何だ?」


「城の中のもの・・・すべてがないのです。城はもぬけの殻となっております」


「何だと!そんな馬鹿なことがあるか!」


ああ、貴族や従者達には俺の分身体が草原の牢に転移させてもらいました。

それと城にあったものはすべて回収している。まあ、この城も頂くけどな。

しかし、これから忙しい一日になりそうだ。


現れた勇者を見て俺は驚いた。

俺を前世で虐めていた勇者の神城勇士、顧問の佐藤秀樹、佐々木修、中村博、園田将、鈴木太一の子孫達だったのだ。


光の勇者の神城悠真ユウマ、剣の勇者の佐藤颯真ソウマ、槍の勇者の佐々木勇太ユウタ、弓の勇者の中村陽斗ハルト、盾の勇者の園田颯太ハヤタ、魔法の勇者の鈴木伊織イオリの六人だ。

ん~、何となくだが、佐々木達に似ているような気がする。


「おい!アーサー聖王。この二人を殺せば、本当に俺達を元の世界に帰してくれんだな」


「ああ、余は嘘を言わん。信じろ」


「本当かな?君達さぁ、どうやって帰してくれるか、アーサー聖王にちゃんと聞いみたほうがいいんじゃないか?多分、元の世界へ帰す方法なんて知らないはず・・・ですよねぁ。それに君達って魔力を持っているよね。もしも、元の世界に魔力なってものがない世界なら、帰ってもすぐに死ぬんじゃないか?まあ、僕なら帰してあげられるけどね。どうする?」


転生者だとばれないように勇者達へ情報を流してやった。まあ、死ぬというのは大げさだけど。


「なんだ、そうなのか。折角、日本へ帰って、手に入れたこの力で暴れてやろうと思っていたのによう。つまんねぇ~の~」


「だよな~。じゃあ、俺達って帰る意味ないじゃん」


「この世界で好き放題に暴れてやろうぜ!」


「だな。漫画やゲームがないのは残念だが、この世界の方が面白ろそうだ」


「俺達だけで面白ろおかしくやろうぜ」


「私、この世界のいい男を見つけるんだぁ。この世界は重婚OKらしいから、彼氏を沢山作らないと」


ああ、やっぱり、こいつらって佐々木達と性格は変わらないな。流石、あいつらの子孫だけはある。当然か・・・残念でもあるが。


ステータスは高いようだが、そんな力ではこの世界を生き抜くことはできないだろう。

俺の知ったことではないが・・・シンシアとユリスは放っとけないだろうな。


そうだ。スキルポイントって奪えないのかな。

俺はスキルとスキルポイントだけを奪うつもりで念強奪を飛ばしてみた。


思った通り、スキルとスキルポイントだけを奪うことができた。

スキルポイントが使えるかはわからないけど試してみたいことがある。

残るはステータスだな。まあ、ステータスだけは勘弁してやるか。


「おい!やるぞ」


「「「「「だな(だね)」」」」」


神城悠真の号令に合わせ、六人が一斉に剣で襲いかかってきた。が、俺の作った結界に阻まれ、六人は何もできないでいる。


「父上、周りにいる者が五月蝿いようですが、心配御無用です。さあ、紅茶のお替りをどうぞ」


「う・・・うむ。そうだな」


「ん~、この紅茶は実に美味いですね。ああ、そうだ。アーサー聖王、我が国の周囲に待機させていた兵ですが、全員確保させて頂きました。ああ、ついでに海に待機させていた戦艦数十隻も頂きましたよ。ありがとうございます」


これはシンシア、ユリスの分身体で各地に配備された兵を一網打尽で確保してもらったのだ。

俺の分身体は残った戦艦をカード化したぐらいだ。


この日のためにシンシアとユリスには協力を要請し、念糸スキルを使いこなせるように訓練させていた。

土産でも買って帰るか。そうだ。これが終わったら、ここに連れてくればいいのか。

母ルナやセリカ姉様にも土産を買わないとな。


先程から、逃げ出そうとするも者、文句を言う者、慌てふためく者がいるが、結界を三重にかけているので逃げられない。

結界はこの部屋全体、そして父ルゼルと俺の周りに二重結界を張っている。


「さて、アーサー聖王。この国、テラ・サーンクタ聖国。そしてダイヤ連合、スペード皇国も我が王国の領土にさせてもらうが、文句はないよな。ああ、クローバ帝国以外の城は没収させてもらったよ。貴方達が帰る城はもう何処にもない」


「ふざけるな。勇者、何をしている。さっさと始末しろ!」


アーサー聖王は怒っているな。今となっては勇者頼りか。


「ソーラス帝王よ。クローバ帝国は貴方のお陰で良き国になりつつあると聞く。僕はそんな国を潰したくない。我が国と和平を結びませんか?」


「ノア王太子殿、お気遣い感謝します。ですが、我が国はルーセント王国の配下とさせてください。私は以前、アレクサンドルという者に助けられ、二度と戦争をしない。民を守ると約束しました。ですが、貴族達を押さえることができず・・・・・・結果的に、このような事態を招いてしまった。国民を守るためといえ、すべては私の責任です。ですから、我が国もルーセント王国領にしてください。ですが、どうか国民だけには危害を与えないと約束してください。お願いします」


そう言えば、帝王とそんな約束を交わしたなぁ。覚えていたのか。


「父上、クローバ帝国は我が国の配下と言うことで宜しいですか?」


黙って紅茶を飲むだけの父ルゼルに確認してもらうことにした。


「うむ?ああ、すべてはノアに任せている。お前が良いのであれば、そうしないさい。だが、帝王よ。クローバ帝国の領土は引き続き、ソーラス帝王が管轄してくれ」


「「承知しました」」


俺とソーラス帝王は父ルゼルに同意した。

まあ、これも事前に決めていたことだ。色々なケースを考えていたのだが、予定とは少し違った。


しかし、勇者はまだ、結界を攻撃しているのか。そろそろ鬱陶しくなってきた。


「勇者よ。眠れ」


催眠魔法で勇者を眠らせた。しつこい勇者は嫌いだ。


「さて、静かになったところで、アーサー聖王よ。貴方にはゲシュペンスト大陸に行ってもらう。それとダイヤ連合とスペード皇国の王もな」


「「「なっ!お前達は慈悲と言う言葉を知らんのか」」」


「まあ、それが嫌なら、この書面に同意し、署名してください。我が国に宣戦布告をしたのです。ただで済むはずはありませんよね。それに貴方は我々の国を占領した後、各王族貴族全員を殺す気でいましたよね。しかも・・・」


「グッ・・・」


「「アーサー聖王!話が違うではありませんか」」


ダイヤ連合、スペード皇国に二ヵ国はアーサー聖王へ文句を言い、争い始めた。


「黙れ!」


俺は言霊で一括し、三ヵ国の王を黙らせた。それと同時に俺が作った書面も渡した。


書面に書かれている文章を簡単に説明すると、領土のすべてをルーセント王国へ譲り、王族は我が国に絶対服従、私財の没収、そして二度と戦をしないと書かれている。また、変な考えをもたれては困るからな。

他にも細々書いてはいるが、重要なのは上記に書かれていることだ。


貴族は面談し、心根の良い者はそのまま領地経営に励んでもらう予定だ。

俺にとっては面倒事なので、それらすべては父ルゼルとクレゾール宰相に任せるつもりでいる。

貴族や民への説明、管理などやることは多い。だから、事前にクレゾール宰相に一ヵ月も考えさせていたのだ。


これが終われば、ゆっくり旅ができる。・・・・・・と、思っていたのだが、父ルゼルの言葉でそれは一転した。


三ヵ国の王は苦々しい思いで書面に同意し、署名したことで魔術契約書の成立だ。


「最後に貴方達が署名したこの書面は魔術契約書になっています。もし、この契約を反故にした場合・・・まあ、これを読んだ貴方方へ説明する必要はありませんね」


「「「なっ!そ、そんな・・・」」」


魔術契約書と知った王族は全員が血相を変えた。


王族達にはある場所へ瞬間移動で移動してもらった。

その場所には王族貴族だけでなく多くの兵や城の多くの者なども一緒に収容している。


勇者達は皆が書面を見ている間に時間を巻き戻し、普通の人間として日本へ送り返した。こいつらがいても良い事は何もないからな。だが次の瞬間、父ルゼルから思いもよらぬ、爆弾発言が飛び出した。


「ノアよ。余の力では我がルーセント王国、今は無きジャローナ王国、クローバ帝国、ダイヤ連合、スペード皇国、そして大国であるテラ・サーンクタ聖国の六ヶ国を纏め上げることはできぬ。急ではあるが、この時をもって、王位をノアに譲る。お前が六ヶ国をまとめてくれぬか。これはルナとクレゾール、そして貴族達も了承していることだ」


「?!・・・」


何を言い出すのかと思えば、俺に王位を譲るだと~・・・シンシアとユリスに約束した視察の旅ができないじゃないか。まったく・・・・・・ハァ~、諦めるしかないか。


「・・・承知しました」


話し合いの末、父ルゼルにはルーセント王国と今は無きジャローナ王国全土を、そしてクローバ帝国はソーラス帝王に任せることにした。


国の名前はエノルンテ大陸の約半分を占めることになったため、ルーセント大聖国と名付けた。

聖国の名を残したのは二つ理由がある。

一つはこの国が神を崇めているため、この国を治めるためにはその方が早いと考えたからだ。

神を信仰する民なら、神の言うことを容易く受け入れるだろうと思ったからだ。

そしてもう一つは単純に神様に気を遣ったからかな。


国旗はテラ・サーンクタ聖国が青地にドラゴンの図柄が描かれているから、ルーセント大聖国は左に白、右に青とし、赤く燃え上がるフェニックスを中央に描いた。

意味は清く正しく、知的な国をイメージし、フェニックスは永遠の国であると象徴にしたかったからだ。参考までにルーセント王国は黄色に金色の鷹が描かれている。


ノーチェに聖騎士団全員とノエル、俺の執事ハワードと専属メイド達、そしてシンシアとユリスを聖都へ呼び寄せるように頼んだ。


シンシアとユリスは聖都に来たことがないし、二人のスキルは隠しておきたいのでノーチェに頼んだのだ。





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