表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/18

町に向かって 男の場合 女の場合

 息子が寂しい。男に戻るか・・・

 さて、何時までもここにいるわけにはいかんな。人がいる所は何処だろうか……

 どこ観ても平原だしな。目標物ないと迷うな。山に向かって歩くか。しかし、どこ観ても平原だな・・・・

 おっと、数歩で早速前方から草をかき分ける音をたてながら何かがきた。牙をむき出しにし、目を俺に睨み付けている狼共がきたな。


 待ってました!異世界の初戦闘!!!!

 狼2匹か。まぁ初ならこんなものだろうな。


 狼はこちらの動きを警戒して、動こうとしない。なら、先手必勝!

 地面にけり、勢いで狼の顔面に拳を振りかぶり、殴った。狼は子犬が甘えたときに出しそうな声を出し、倒れた。よし、あと1匹。

 げ、狼がこっちに飛びかかろうとしてるじゃないか。思わず、目を瞑り、腕を顔の前に差し出した。


 ん・・・痛みがこないな。どうしたんだろう。

 目をおそろおそろ開けてみると、狼は腕に噛みついており、必死の形相で腕をかみ千切ろうとしてるが、なかなか千切れない。よし、チャンスだ!もう一方の腕で頭の側面を殴る。狼は衝撃で口を腕から放し、倒れた。


 初戦闘でも問題ないな。むしろ、地球にいたころにより断然動きやすいな。異世界転生万歳だなぁ。


 狼の方を見てみると、体が溶け出して、液体と化していた。

 何これ・・・・グロい。

 液体はすぐさまに蒸発し、狼が倒れた後は何も残ってなかった。

 ドロップとかはないのか・・・LUK1だしな。仕方ない。それより、町だ。いこう。


 また数歩でこちらに向かって、石が投げられたよ。子供がつんつんと指を立てて、さしている感覚だったけどな。緑色の肌にぼろきれを体に纏っている子供がいた。その子供は頭に小さな角2つ生えていて、こちらをみて唸っている。ゴブリンか。足元に投げられた石あるし、石を投げるか。


 さぁ沢谷選手、見事なフォーム!第1投目!

 ゴブリンに向かって石を投げた!

 おおっと速い!石は直線を描き、ゴブリンの頭に刺さった!

 ゴブリンの頭がさく裂したぞ!


 ゴブリンもまた、狼と同様に体が液体と化し、液体は蒸発し、何も残ってなかった。

 投降もすごいな。見えなかったし、何より、曲線を描いてないし。さて、歩くか。


 あ、ゴブリンだ。狼だ。狼だ。ゴブリンだ。狼だ。狼だ。

 あ、一回り大きな狼が狼4,5匹を引き付けてこちらに向かって、来ている。


 ふふふ、このステータスでは数を増やそうとしても無意味。自然と笑みが零れる。

 颯爽とダッシュし大きな狼の目の前で止まり、腰をひねり、回し蹴り。大きな狼は衝撃で弾丸のように飛ばされ、着地するまえに消えていった。その様子を見ていた狼4,5匹は我さきと逃げていった。


 数分で全滅させたけど、何なの?遭遇率半端ない!!

 後ろを見てみると若干だが、クレーターや抉れている地面が見える!そんなに歩いてないのに遭遇しすぎだろ!!LUK1のせいなのか!?

 ・・・・仕方ない。女になるか。LUKのせいなら、LUK10万なら遭遇することはあるまい。


「TS--!」


 女になった。やっぱ肩が重い・・・

 これなら、モンスターに遭遇することはないだろう。さぁ歩こう。1歩1歩歩くと、胸が揺れる・・・すこし、きついな。


「おーーーい!そこの方、待ってくれーーー!」


 数歩歩いていると若そうな声が後ろから聞こえてた。後ろを振り返ると、そこには、マントの姿で動きやすそうな鎧を纏っている剣をベルトにさしている青年がこちらに向かって声をかけながら、走ってきた。


 初めての人だ。何やら慌てているな・・・もしかして、敵か!?身構えると、相手はその動きを察して、立ち止まり、両手を上げた。


「待ってください。敵対するつもりはありません。僕は冒険者ギルドのアッシュです。爆発したフェザン山の調査に来ました。向かう時、若い女性の貴方を見かけたので、気になって声をかけました」


 アッシュははにかみながら、言った。

 初めての人が男で爽やかなイケメンかよ。どうせなら、美女がよかった・・・・

 アッシュは俺の様子を見て、警戒が取れたのかと思い、近づいてきた。

 おい、近づくな。

 後ろに下がると思いが通じたのか、アッシュはその場で止まった。


「大丈夫です。危害は加えません。それにしても、見たこともない服ですね」


 アッシュは俺の体を下から上まで見ると、そして、顔を見ると、アッシュは体が一瞬硬直したような様子を見せていた。

 悪そうな人じゃないしな。丁度いい。町の場所を聞こう。今女性だし、なるべく、丁寧に言おう。


「道に迷ってしまって、町はどこですか?」


 アッシュは俺が言った言葉に反応しない。固まっている。


「あの・・・「は!問題ないです、町はそうですね・・・コンパスを貸しましょう。コンパスで西の方に行けば問題ありません」」


 もう一度呼びかけると、アッシュは硬直から抜け出せて、コンパスを貸してくれた。お辞儀をすると、アッシュは何やら嬉しそうな声を上げて


「ありがとうございます。調査頑張ってください」

「はい!!!!」


 アッシュは山の方へと走っていった。すごい勢いだな。もう見えなくなった。なんか、「名ま・・・え・・・」という声が聞こえたが、まぁいいだろう。もう会わないと思うし。

 そういや、名前か。ステータス上では????になってたし、決めないといけないか

 どうしようかなと・・・・歩きながら、考えていると


 唸り声が聞こえた。その声で考えを中断すると、目の前には狼がいた。狼は俺を餌としてみるような眼をしており、もうすでに飛びかかっていた。

 やば!?、hp10だよ!?

 思わず、目を瞑る。

 しかし、痛みは来ず、来たのは、狼の重みのみだった。目を開けたら、狼は俺の体の上に乗っており、頭には矢が刺さっていた。


「・・・・・ほら」


 目の前に手を差し伸べてくれた金髪のエルフがいた。手を取り、立ち上がると、金髪のエルフはまたイケメンで今の俺より数段背が高かった。エルフはこちらをじっと見た後、今さっき、倒した狼の所に石が転がっており、それを取るとこちらに渡してきた。


「・・・やる」


 何これ?この石?

 石をまじまじ見てるとエルフはこちらをじっと見ていた。

 エルフを見ると、エルフはそっぽを向き、立ち去った。

 何?あのエルフ・・・・?

 まぁいい、助かった。


 それより、名前だ・・・

 光治の光をとって、沢谷光にするか。まぁ中性的な名前だし、いいだろう。

 ステータスを確認すると 名前;沢谷 光となっていた。さて、名前決まったし、西に向かって歩くか・・・


「アッシュに先越された!!!!ちくしょーーーー!!!!!」


 また数歩あるくと土ぼこりを立ててこちらに声と向かってくる人がいた。その人は想像した感じの冒険者の服を着ていた。


「ん・・・?お前はなんだ?」


 その人は黒板に爪を立てたような音を立ててながら、俺と目と鼻くらいの距離に立ち止まった。

 土埃がかかったんだけど・・・


「け・・・・ほ、俺、「俺?」私は沢谷光。道に迷ってしまった」


 土埃のせいで髪が埃まみれだし、目に埃が入ってしまい、涙が出てしまった。そのせいでおそらく男だが、相手の姿が見えない。


「ああ、悪かった。大丈夫か?」


 俺は髪についている埃を払って、頬を伝わっている涙を拭う。拭ったおかげでやっと姿が確認できた。土埃を起こした男は金髪金眼の男性で、今の俺の身長より、1つ、2つくらいの頭の差があるくらいの身長だった。


「・・・・名前を沢谷光と言ったな。光」


 いきなり名前呼びかよ。馴れ馴れしいな・・・


 イケメンは俺の手をとり、目の前に近づいてきた。


「付き合ってくれ!「・・・・・はい!?」」

「いきなりですまないが、一目惚れした。貴方は美しい、是非付き合ってくれ」


 と言われても、男だし。男に美しいって言われてもな・・・・

 さっきアッシュって言ってたな。ごまかすか・・・


「さっきアッシュに先越されたと言ったけど大丈夫か?」

「は!?むむむ・・・・」


 アッシュは手を放した後、数分くらい悩み、悩んだ末、俺にこう残した


「仕方ない。俺は勇者ディン。フェザン山の調査が無事に終わった後、是非俺と付き合ってくれ!さらばだ!」


 アッシュは死亡フラグを言い、土埃を立てて去っていた。

 女も少し歩くだけで、遭遇するのか。しかもイケメン。女からしたら運が良いのかな。これ?俺からしたら、果たしなく運が悪いんだけどな。


「最悪だ・・・・・」


 自然と声を零した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ