流石はミーナ、機転が利きます
その後の彼女は態度が一変。
見てるこっちが引く程の及び腰でエリーザをヨイショしまくっているんだけど、俺には相も変わらずな目を向けていた。
とはいえ、特に対立の意志が無い相手をいつまでも縛り続けておくことは人道的に善くはないと判断した俺達は、ロープを切って回る。
・・・えっと、わざとでは決して有りません。
たとえ、エルフチックな女性だけ下半身の衣服がパックリと裂け、立ち上がった拍子に、彼女が女性で有ることを確認出来る事態に成ってしまう様な事であったとしてもだ。
「「「おおー」」」
男3人、揃いも揃ってガン見しながらの歓声。
なかなかに目に宜しゅう御座りますです。
はい。
ところが・・・
じとー
エリーザの目が怖いんでつ。
・・・物言わぬまま腰に手を添えつつ俺に近寄るのは・・・許してくださいまへ。
と思うも、目は再び一点集中釘付に成ってしまう俺。
ところが、一瞬にして視界が暗黙に。
近く迄寄ってきたエリーザはスッと俺のバックへ回る。
その後、彼女の手で目が塞がれた。
一方、エルフチックな男2人は、歓声をあげつつ一瞬直視したものの自分達で目を覆たんだって。
立場上の事なのかも知れない。
「・・・き、きゃ~!」
案外時間が経った後、ようやく自分の下半身事情を把握した妖精族人が両手で主要部分を隠しての悲鳴があがる。
トテトテトテと彼女に大きな布を渡すミーナ。
「これを使うと良いのですよ」
「あ・有り難う・・・!な・・・な・・・」
ミーナから大きな布を渡された妖精族は、それを受け取りながら、驚愕する。
「あなた、これをどこから持ってきたのですか?」
この反応は当たり前だろう。
自分の下半身事情を周りから遅れて気付く位にヌケヌケな性格の人物ではなく、それ程迄に周囲状況を観察、警戒に意識を向けてた彼女には、ミーナが渡してきた布がホイそれと取り出せる物ではない事が解っている。
俺は目を覆われてて確認出来る訳ではないが、エリーザもかなり動揺しているのが彼女の手から伝わる。
明らかに俺達のミスだったからだ。
せめてダミーで麻袋でも持たせて置けば良かったが、元元長旅を考慮して荷物が最小限だった事もあり、ミーナやエリーザの持ち物は装備品以外の全てがリストバンドに収まってしまっていた。
俺の言い付け通り、彼女達からは見えない処で布を異空間収納から取り出したのだろうが、そもそも誤魔化しが効かない。
ワナワナとする俺とエリーザだがミーナは淡々と答える。
「ミーナはお兄~ちゃんに持ってもらってた、あそこの袋から持ってきただけだよ?」
俺はそんなものを持って来てはいないが、エリーザのこぼした声で状況を想像は出来た。
「3袋?いつの間に?流石はミーナ、機転が利きます」




