話し辛いものですから・・・
「はあ・・・そ、そうですか・・・有りがたく使わせてもらいますね」
何処と無く納得のいかない様子ではあるが、たぶん彼女の目の先には、大きな麻袋があるのだろうと思う。
彼女は首を傾げながらも、ミーナから渡された布を腰に巻き付け、3人分の切られたロープを集めた。
それを一本に繋げると、巻き付けただけの布が落ちない様に腰に結ぶ。
つまりロープを帯がわりに使用した訳だ。
そこでようやっと、俺はエリーザによる目隠しが解除された訳なのだが、実はチョンコロリンと名残惜しかったりもする。
想像してみてくれ!
後ろから両手で目隠しされてたと言うことは、真後ろにエリーザがいたということで、目を覆うには密着してないと・・・な訳で、俺の背中には・・・だったんよね♪
ニヘヘとダラシナイ顔になっている自分が解る程に幸福な夢心地の中だったんだから。
だがしかし、それは一瞬にして俺の目に映った妖精族人の女性に目が奪われる事によって、その幸福な記憶は頭の隅に残るモノすら塗り替え、そして消え去った。
エリーザに目をふさがれる前には、大きなつばのある尖りハットの影でハッキリとは顔が見えなかった彼女。
だが今はそれをが取り去られ、腰に迄に伸ばした金色に光るサラサラな髪が風になびいている。
端正に整った顔立ちに透き通ったエメラルドグリーンの瞳、全体的に細身な彼女の腰には、布がアシンメトリースカートとして巻き付けられていて、胸元は・・・チョッと残念な感じだった。
しかし流石は妖精族と言わしめるだけあって神秘的な出で立ちをかもし出している。
種族的に彼女が見た目と同じ年頃なのかは解らないにせよ、俺と同じ位の15、6といった感じに見える美少女。
ミーナに自分の尖りハットを被せ微笑んでいる姿は、有名絵画の1つに成りそうな光景だった。
そう思ったものの、そんな絵画って有ったっけ?
バタバタとしたが一旦一段落ついたところで、自然にお互いが情報の交換を始めていく。
「あのような状況とはいえ、申し訳ない事をしました」
口火を切ったのがエリーザだったのは意外だが、こちらから話し掛けるには彼女以外には考えられな状況だろう。
「いや、こちらも少々やり過ぎたところは有りますし、初見で解らなかったにせよ龍族の貴女に矢を放つなど・・・本当に申し訳なく思う」
「さっきも気に成りましたが、何か関係が?私は龍族とは言え劣合種の龍族人。あらたまれる覚えは有りませんが?」
「貴女は龍の血を引かれている。私共にとってはそれが全てです」
「少々府に落ちませんね・・・詳しく話を聞きたいところですが、まずは名乗っておいた方が良さそうですね?お互い名すら知らぬままでは、話し辛いものですから・・・」




