相手はミーちゃんだよ?
次々と分解していくが、これと行って目立つものはなかった。
錬金術でいう分解とは、四大元素(火、水、土、風)の結晶石に分ける事を指す。
もちろん各々の鉱物を形成するのは、元素濃度が異なる組み合わせから物が変わるのである。
錬金とは分解したその結晶濃度が異なる結晶石を掛け合わせ、新たな鉱物を精製させる事を示す。
また、武器や防具にそれら鉱物効果を元素体結晶石のまま練り込む事を錬成と言う。
さらに、錬成では追加で制約を付けると、より高い性能を有する品にする事が出来る。
俺のほるほる君はこれにあたる。
あれには"鉱物のみ"というのが付けて有るんだ。
ただし、一端錬成してしまうと使用した結晶石は鉱物では無くなる為、錬成後の品から取り除く事は出来ない。
ちなみに製造と錬成は全くの別物。
製造・・・素材を使って新しく品を作る。
錬成・・・既にある品に素材を練り込む。
根本的に全く違う。
それに違いは、まだ他にも色々と有って、製造では自分の思い通りの形にする事が出来るのに対し、錬成は既存品に元素を練り込む訳だから基本的に形は変えられ無い。
だが逆に、錬成ではその鉱物ではどうやっても加工出来ない形の物に対しても、効果を付ける事が出来る。
と、こう言えば"良い鉱物さえ有れば、錬金術士なら誰でも良質な物が錬成出来る"と穿た事を考える者もいるが、そうではない。
確かに、内包される元素が全て高純な鉱物であれば話は別だが、人により全く同じ物に分解出来る訳ではないのだ。
鉱物を四大元素に分ける際、己の魔力を使いくくり分けする。
だが、目に見えないレベルの元素を完全分離は出来ない為、同じ鉱物からでも元素を取りこぼす量が誰もが同じでは無く、また、全くこぼさないということは物理的に不可能。
従って分解した後、再び元の鉱物に戻そうとしても、確実に劣化鉱物に成ってしまう。
下手をしたら触れただけで崩れるカス石に成る事も。
俺と師匠とが違った様に。
俺のほるほる君はアダマンタイトだが、師匠の剣はヒヒイロガネ。
同じ、いや俺の方が良質の鉱物であったのにも関わらず、錬金出来たものは師匠の錬金物の劣化版だった。
俺の命の恩人は、冒険者としてだけではなく、錬金術士としても、心から尊敬している。
・・・変な人だったけどね。
さて、今回の俺が分解した結果だが、各々のから分解した元素結晶石をどう組み合わせても、ダイヤを数点と、あとはカス石にしかならないな。
ん?そうだ。
「そういえばエリーザって、剣は使えないの?」
ミーナと神経衰弱を勤しむエリーザに声を掛けたら、驚く程不快な念を抱いた顔でこっちに振り替えった。
どんだけ真剣なんだ?
神経衰弱に・・・
しかも相手はミーちゃんだよ?




