街に向かった事になる。
エリーザはミーナを助け出す事と、集落襲われ我を忘れていて記憶が曖昧だと彼女は続けた。
うん。
だけど気になるのは、実は正にそこなんだ。
今までの話を聞いた事をまとめると、エリーザが何らかの理由で集落を離れていた時にミーナを連れ去ろうと、その元同郷の男と何人かの襲撃者により集落が襲われ、壊滅させられる。
彼女の能力が襲撃に邪魔と考えての行動だったと理解は出来る。
エリーザの方は集落が壊滅させられていて、ミーナを助けに街に向かい偶然移動させられていた彼女を見つけ助け出す事が出来た。
一見、不思議では無さそうだが、実は物凄く不自然なんだ。
まず、ミーナの件だと・・・
街での扱いがぞんざい過ぎる気が・・・思ったほど彼女の能力が無かったのだろうか?
いやいや、それは考え難いな。
この世界において治癒魔法を使える者が貴重だと言っていた。まして紛争中であるならば、少しでも使えれる者であれば重宝されるだろう。
であるならばだ。
偶然で片く様な扱いであるはずは無く“少し前に街に着きました“という感じだったならば解る。
だが、俺がエリーザに回復魔法をかける前だから街への移動には、日数を要する方法しか無いはずなのだ。
にも関わらずだ。
そもそも魔族人の男がおいそれと見過ごすだろうか?それも考え難い気が・・・そうなると考えられるのは、そこには奴が居ない。
次にエリーザの件だが・・・と、その前に確認をする。
「集落が襲われてた時、エリーザは何処にいたの?」
「街に繋がる平野で、食料用の狩りです」
「集落には戻った?」
「な!当然です・・・え?・・・あれ?」
聞くべきタイミングがまたしても悪いとは思ったが、大事な事を見落とす前の小事と考え聞いた事だ。
エリーザも、なんとなく気になる事が有ったのだろう。努めて普通に答えてくれた・・・そして何かに気付く。
俺の抱く違和感の答えは時間と彼女の認識なんだ。
ミーナが移動されていたと言うタイミングは、多分紛争の前線へ送られる所だった可能性が高い。つまり、集落から街に連れてこられ、半奴隷的な扱いで搬送される手前だったはずだ。
今の戦況が解らないが、紛争中であるなら、後方で待機などさせず、最前線では無いにしろ戦力確保の為に戦地にはすぐにでも送りたいはず。
となれば、時間的にはかなり緊迫する。
だが、その場にエリーザが立ち会えた・・・片翼を失い、自由には飛ぶことが出来ず街への最短ルートである崖のショートカットが使えない彼女が、その最短を使ったであろう襲撃誘拐犯に大きく遅れる事無く追いついているのだ。
集落から普通に移動していたなら彼女では絶対に間に合わない。考えられる事は、草原地帯から直接街に向かった事になる。




