なんででしょう?
暫く泣き続けたミーナは、幼い小さな体では直ぐに体力の限界を迎え、疲れきって、今はエリーザの膝を枕に眠っている。
食事前の状況に戻った格好だ。
暖かい眼差しで、眠るミーナの体を優しく手でなぞり続けるエリーザの姿は、姉と言う言葉が本当に適している様に見えた。
「さっきは、済まなかった。もう少し、言葉を選ぶべきだったし、聞くべきタイミングも悪かった。それに何よりも、2人に対する配慮に欠けてたみたいだ」
「私の方こそ申し訳が絶ちません。ミーナの話から概ね理解はできました。タイチ殿の指摘どうり、身内・・・いえ、もと同郷だった者が原因だとは・・・」
以前、傷付いた魔族人の男が集落にやって来た事が有ったらしい。
彼女達は劣合種の集落だったことから、例えどんな種族であろうが、受け入れを拒む者は居なかったし、まして傷付いた者を放り出す要な事は当然しない。
男は傷が完治すると、徐々に集落で良好な関係を築いていった。
だがある日、急に態度が豹変し、やがて自分の思うままに集落を制圧し始めたが、そのあまりに行き過ぎた行動は集落全体を敵に回す結果を生み出す事になった。
エリーザが龍化した状態でも歯が立たず、尾を失う怪我を負う。
その男はかなり高い能力の持ち主だったが、集落全体が団結した環境下では一人では限界があった。
その為か、怪我を負ったのはエリーザだけだったらしい。
最後まで一貫していたのはミーナを求めていた事らしいが、皆は当然それを拒み続け退けさせていた。
その後、奴は突然消息が途絶える。
そんな状況を生んだ奴の事をエリーザが記憶から除外していたのは、もう1年も前の話だし、なにより始めは優しかった奴に好意を抱いていたのだ。
その当時の事が思い出として美化され、こんな事をする人とは考えられなかったと語った。
ただ気になるのは当時のミーナを必要に求めた点。
その頃はまだ、治癒魔法が使える訳でもなかったし、他の幼い獣族人と何一つかわる所が無かったらしいからだ。
とはいえ、相手は魔に長けた種族。魔族だ。
彼女の潜在的なものを感じ取っていたとしても、何ら不思議な事ではないだろう。
さて・・・これからどうしたものか・・・問題はその男の魔族人が、今現在何処にいるかがネックだ。
能力面から見ればエリーザでは歯が立たず、ミーナを連れての状況では尚更こちらの方が不利だ。
ん?待てよ・・・
「エリーザはミーナを助けるために街へ行ったんだよな?」
「はい。街に入った直後、偶然ミーナを移動する場面にでくわし、運良く連れ戻す事が出来たんです」
あれ?なんか・・・変な気がするぞ?
「何でミーナが街にいると解たんだい?誰かに聞いたの?」
「え?あれ?なんででしょう?」




