確実に入手する。
エリーザの体にあった多くの傷はふさがり、翼と尾も元に戻って良かった良かった。
・・・
とはならなかった。
いや、ちゃんと完治したんよ?
ただ、この世界においての間違いが発覚した。
俺が回復魔法をかける前、驚愕気味だったエリーザ。
その後、掛けられた魔法に驚きパニック。
意識は思考を手放し放心状態。
だが、その状態ってのは状態異常なんで、それも回復しまうから未知の極地を体感したみたい。
彼女が声を発せれるようになるまで5分もかかってしもうた。
いや、話そうとすれば、何時でも出来たはずだけどね。
ま、彼女の中で何かの折り合いをつけるにかかった時間が、そんなもんだったんだろう。
「治癒魔法?・・・ヒーリング?・・・いえ、それも違う?」
「回復魔法だ」
「そんな魔法・・・知りません」
「何で?ミーナも使えるんだろう?」
「ミーナのは治癒魔法です。怪我を癒すものです」
「何が違う?大して変わらないと思うけど?」
「全く違います。確かに怪我は治癒されてます。それに体力の回復も・・・何より、私の失った翼や尾が治ってます!そんな魔法、聞いた事ありません」
「エリーザが知らないだけなんじゃ?」
「いいえ存在しません。だからこそ、怪我を治癒する"治癒術士"体力を回復させる"ヒーラー"が貴重なんです。確かに両方を使える"神官術士"はいますが・・・」
「ん?なら別におかしく無いじゃん」
「使えるです。1つの魔法でそれら両方を同時に行えません。そもそも欠損再生なんて有り得ません!」
「え?・・・そうなの?」
俺は"回復魔法"を使用したんだが、これは、この世界で得た魔法ではなく、ここの前での世界で習得したスキルだ。
彼女が言うとおり、この魔法は治癒、欠損再生、体力復元、状態回復を同時に行う複合魔法。
う~ん・・・
言い訳するの無理だろうな・・・
俺と同じく浮かない顔のエリーザだったが、急にパッと顔色を変え、うんうんと頷いている。
たぶん、また何か違う事を自分なりに解釈して納得しているのだろうな。
でも、まーそれならそうで、そのまま勘違いしておいてもらおう。
言い訳がましく弁明したり、誤魔化したところで、この世界の事を知らない俺が言い逃れれる自信は無い。
そもそも、俺の意に反するしね。
まして本当の事を言うのはもっての他。
俺の本来の目的を見失ちゃあいけない。
彼女に声をかけたのは、この世界の事を知る為、だから何があろうと、例え小さな情報であっても確実に入手する。




