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畏まりました、御主人様

転生は、1人だけとは限らない。

 「私の様な身分賎しき者を買って頂き感謝いたします。今後は御主人様に誠心誠意ご奉仕させて頂きます。存分に私をお使いください」


 奴隷の購入手続きが終わると、奴隷の少女はそう言った。

 まあ転生なら多少は、この世界の常識が理解出来るし、実感出来ているからなぁ。


「俺に仕える事で、色々と覚えて貰う事は多いが一旦帰ってからだ」

「畏まりました、御主人様」

「とりあえず、俺を呼ぶ時はライだ」

「畏まりました、ライ様」


 この後、洗浄クリーンを奴隷に使い、屋敷に帰ると、レイに奴隷の衣類等を買いに行って貰った。

 そして、彼女用の部屋に入ると……


「ライ様、奴隷として最初のご奉仕を捧げたいと思います」


 まあ、服を脱ごうとしているが、指が上手く服の紐をほどけず身体がカタカタ震えている。


『その必要は無いよ』

『え、日本語!?』

『俺も君と同じ日本からの転生者だ』

『ウソ!?』

『だから、もう怯える必要は無いからな』

『……う、あぁあああーーー……』



 約20分後には落ち着いたみたいだ。


『ありがとうございます』

『前世と今の名前は?』

『そこは『君の名は』でしょう』

『なら、君の名前はトト○にしようか?』

『止めてよ。私、そんなにお腹が大きくないし丸くないからイヤよ』

『で、名前は?』

『……もう。前世は牧原まきはらゆいで、現世はユイラよ』

『それなら、君の名前は「ユイラ」な』

『……ありがとう』

『これからよろしくなユイラ』

『ええ。よろしくね、ライ様』

『後、前世が日本人の仲間がもう1人、ガイが居るが、転生とかは秘密な』

『分かったわ』

「此処からは、この世界の言語だ」

「畏まりました、ライ様」

「いきなり、ソレか」

「だって、私の今の立場は奴隷だもん」

「とりあえず、公式の『場』以外は好きに言えば良いからな」

「分かったわ、ライ様」

「何が出来る。昔も合わせて」

「昔は経理の仕事をしていたし、実家は小料理屋をしていたわ。今世は、お父さんの商談の席まで一緒に居たから商人としての必要な知識は有るわよ」

「それなら、料理屋の雇われ店長をする気は無いか?」

「どういう事?」

「俺は、高級志向の喫茶店のオーナーもやっているのだが、今度は料理屋のオーナーもする事になってな」

「……まるで、ご都合主義ね」

「まあな。しかし、都合が良いのも事実だ」

「確かに……」

「どうだ。雇われ店長をする気は無いか?」

「引き受けるとして店舗や従業員は?」

「まだ用意出来てないのが、店長と料理人と事務員だ。まあ、店長と事務員は商業ギルドから派遣させるという方法もある」

「それがダメだったら、まだ14歳の私に、何処かのレジェンド声優みたいに、店長と事務員と料理人の三役をやれ、と?」

「まさか! それは無いな。きちんと用意出来るまで店を開くつもりは無いよ」

「……分かったわ。雇われ店長をするわ」

「ありがとう、ユイラ」

「所で、そちらの美少女は大丈夫なの?」

「ああ、キサラなら問題無いよ」

「分かったわ」

「キサラは俺の相棒・・だし、もう1人は俺の婚約者だ」

「モゲろ、チーレム野郎!」

「そんなに褒めるな、照れるだろ」

「褒めてねぇわ!」

「ん? 今の言い方は……」

「……」


 ユイラは、明らかに顔色が青くなり目が泳いでいるなぁ。


「前世の黒歴史を吐け。命令だ」

「……こ、高校の時に、地元でレディースの三代目総長をしていました!」 

「……なる程な。つまり、今まで餌の要らない猫を飼っていたと」

「うう……」

「まあ、秘密を晒す気は無いから心配するな」

「本当だな! 嘘だったらテメーの『玉』潰すからな!」

「本当だから、落とした猫を拾え!」

「……はい、ライ様」


 この後、ユイラには色々と守秘義務の内容を教えたりして、それが終わった後にレイが帰って来た。


「つい、色々と買って来たよー」

「ありがとう、レイ。それと新しい奴隷の名前は『ユイラ』だ。改めて紹介する。俺の婚約者のレイだ」

「初めまして、レイ様。ライ様の新しい奴隷のユイラです」

「初めまして。ライの奴隷だけど婚約者だよ」

「ユイラには、新しく出来る食堂の店長と料理人をやって貰う」

「分かったわ」


 さて、夕食の時間が迫っているから、ユイラの相手はレイに任せて、俺はガイ達を迎えに行った。


 ……因みに、俺が迎えに行っているあいだに、ユイラはレイに押し切られて着せ替え人形をやらされていたらしい。

 そう言えばレイが「つい、色々と買って来た」と言っていたな。


 翌日からは、ユイラは厨房に行き、料理長に教えをいに行った。

 今日も前日と同じで、ガイ達は鍛錬に行き、俺達は散策にしたが、流石に連チャンでイベントが起きる訳も無いよな。

 ……と、思っていたら起きたよ、イベントが!


「かの王女は私こそが相応しいのだ!」

「ふん。野蛮な獣を好む高貴な者は居ない!」

「全く嘆かわしいな。夜空に輝く星を掴もうなど、夢を見るのはいい加減に止め給え」


 ……どっかから情報が漏れたんだろうなぁ。


 王都の警備兵とかはまだなのかな?

 何事かと見に来たらコレだよ。


「王都警備兵が来たぞー!」

「何!」


 あ、逃げようとしているな。


 ……氷蔓捕縛アイスロープ


「な!?」

「足が動かない!?」

「どういう事だ!?」

「王都警備隊だ! 何が起こった?」


 ……もう良いな。


 こうして、連チャンでイベントが起こったが、それ以降はイベントやアクシデントも無く、オークション開催日の当日となった。

 因みに、屋敷に帰ると風呂とトイレと寝室以外では、サラにべったりされた。


「ライ君~。えへへへ……」


厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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