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だから、言ったじゃないか~

 さて、リナ達3人と軽く会話をした後にモニターを見ていると、4人組の冒険者達が目に入った。


「はい、終わりっと」

「流石は勇者シスン!」

「ちょっと止めてよ。周りから言われているだけで、私は勇者じゃないんだから」

「でも、その強さと美しさは羨ましいな」

「そうですね」


 男2人に女2人の組み合わせだが、どうやらシスンと呼ばれる女剣士が頭1つ抜き出た強さを持っているみたいだな。

 そんで、軽い感じの男が戦士系で、相槌を打った男が狩人系で、もう1人の女が魔術士系みたいだな。

 名前は、戦士系が「ガゼル」で、狩人系が「ギバサ」で、魔術士系が「マレン」だ。


「しかし、ダンジョンだというのに、妙に遊び心を感じるわね」

「確かにそうね」

「まあ、宝箱の中身が良いのは好印象だ」

「そうだな」

「仕入れた情報に因ると、この新しいダンジョンと近くにある既存のダンジョンには、ダンジョンマスターなる支配者が存在するらしいですね」

「そんな情報、何処から仕入れたの?」

「受付嬢です」

「まーた、ギバサの女誑しかよ」

「自分は、普通に聞いただけですが?」

「自覚無しが、余計に腹立つ!」

「まあまあ2人共、落ち着いて」

「「分かった」」

「そんな支配者が存在するなら、私達の会話も聞いているかもね」


 正解!


「……ほら、休憩は終わりよ」

「この階層の攻略を始めるわよ」

「分かったよ、勇者シスン」

「だから……」

「……危ない!」


 別に、休憩していた場所がセーフティゾーンじゃないから、潜んでいたモンスターに不意を突かれ攻撃を受けたみたいだな。


「え……!?」

「ぎぃあ……」

「マレン!」

「とりあえず、このモンスターを片付けるのが先です!」

「分かったわ」


 しかし、シスンの動揺は本人でさえ思っていた以上に深かったみたいで、形勢は不利に傾いているな。


「シスン、左だ!」

「え、あ! があ……」

「シスン!」


 これは……な。

 周りを見ると、レイ達は頷いていた。


「行くか」

「勿論なのじゃ」

「行くわよ」

「ワン!」

「ライ様、行きましょう」

「ニャー」

「おう!」

「ピィー(行くぞー)」

「当然よ」

「コン!」

「じゃあ、ちょっと行ってくる」


 リナ達にそう言って転移をする。

 俺達は、さも今、駆け付けたかの様に見せ掛けて近付く。


「助けて欲しいか?」

「頼む」

「分かった。皆!」


 まあ、1分も掛からず終わった。


「助かったわ。私はシスン」

「私はマレンよ」

「ガゼルだ」

「ギバサです」


 向こうの自己紹介が終わった後は、俺達の自己紹介も終わり、会話が始まった。


「……だから私は勇者じゃないのよ~」

「と、本人は言っていますが、周りは勇者として崇めています」

「違うのに~」


 因みに、4人の馴れ初めは、テンプレでマレン達が危ない所をソロ活動中のシスンが助けて、マレンがなつき、マレンの幼馴染みの2人がマレンに付いて来たという事らしい。


「何か、困った事が有れば相談ぐらいは乗るから声を掛けてくれ」

「分かったわ。勿論、私達も同じ様に困っていたら助けるから」

「ああ。またな」

「またね」


 シスン達と別れた後、「司令室」に転移すると、リナから幾つかあるモニターの1つを指して言った。


「ライ様、次の揉め事です」

「ん?」


 リナが指したモニターを見ると、3階層で3人組がオーク5匹に囲まれていた。


「だから、言ったじゃないか~」

「そうよ!」

「う、うるせー! チマチマ初心者ダンジョンで小銭を稼ぐなんてオレ様には似合わないんだよ!」

「僕は死にたくない!」

「私もよ!」

「だったら、戦え!」

「無理だよ~」

「私もよ」


 見事に身の程をわきまえない冒険者パーティーが居た。

 ……しかし、こんな連中を四六時中助ける訳にはいかないしなぁ。


 と、言っても無視は目覚めが悪いし、一度だけ助けるか。


 ……転移した。


「助けがいるか?」

「誰がい……」

「助けてください!」

「お願いします!」

「お前ら……」


 とりあえず、オーク5匹を瞬殺して、魔石を回収して一言。


「お前ら弱過ぎだ。初心者ダンジョンを攻略してから来い」

「ぐぅ……」

「はい……」

「分かりました……」


 さて、領主館に帰って代官にダンジョンの報告を終わらせて、夕食を食べ風呂に入って就寝。


 翌日、俺達は冒険者ギルドに行ってみた。

 依頼書を貼ってある掲示板には特に美味しい依頼は無かったが、「たまには……」な気分で、オークの討伐依頼が有って、これを受ける事にした。


「たまには良いだろ?」

「ライが決めたのは構わないのじゃ」

「私も賛成だよ」

「ワン」

「ライ様が決められたのなら、私には異存はありません」

「ニャー」

「構わないぞ」

「ピィー(私もー)」

「アタイもだ」

「コン」


 そんな訳で馬車で移動して、依頼を出した村に到着した。


「この村が出した依頼で来た冒険者だ。村長の家に案内してくれ」

「へ、……分かった」


 何か、挙動不審な村人だな。

 それに、子供や老人の姿が無いな。

 更に、見える畑に雑草が目立つな。


 村長の家に行き依頼の内容を村長に確認したが依頼書の通りで、オークを最低5匹以上の討伐して、それ以上の討伐は出来高制となる。

 但し、村の財源という限界が有る為に最大で依頼数と合わせて18匹までとなった。


 ……色々と違和感がぬぐえない村だなぁ。


 村長は目付きが鋭いし、体格も良い上に村長としてはまだ若かったし、奥さんらしき女性は村長に対して怯えていたから、裏が有るとしか思えないな。

 この事を含めて注意した方がよさそうだな。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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