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認めるのだな?

アレは、絶対ワザとだと思うのは作者だけでしょうか?

 さて、無事に最後の品を手に入れた俺達は、しばら白鱗竜ホワイトドラゴン達と雑談した後、またラピスに乗って出発して、都市リザラルトに到着した。

 ちょうど夜明け頃に到着したから、皆で朝食を食べてから都市リザラルトに入った。

 その足で、依頼達成の報告と納品する為に冒険者ギルドに行き、受付嬢に報告した。


「え~! アルラウネ・ロゼに、ユニコーンの角に、白鱗竜ホワイトドラゴンの血を手に入れたんですかー!?」

「声がデカいわ!」

「あ! 申し訳ありません」


 あ~あ。こりゃあ、周りにはしっかりと聞かれたな。


 それで、後は、納品と依頼達成の報酬を受け取るだけかと思ったら、別室に案内され、検品で本物だと判明すると、依頼達成の手続きはして、報酬のお金と納品は、依頼人本人の所で、と言われた。

 依頼人の住所を聞くと、依頼書に書かれていた隣の領主のパディフリド伯爵だった。


 おいおい!

 本当に、伯爵本人かよ。

 だって、この3つと後1つを錬金して出来るのは、万能の解呪のポーションだぞ!

 因みに、何故知っているかというと、サラから教わった。


 もし、そのポーションを必要としているのが、伯爵の令嬢なら、理由を問わず貴族令嬢としての価値は無くなり、婚約すら出来ずに人生が終わるぞ。


 ……伯爵本人の名前を出していたのなら、呪いを受けているのは家族だな。


 貴族令嬢だった場合の娘の利用価値や家の名誉すら捨てて助けたいのだろう。


 ギルドから紹介状を貰い、直ぐに出発する事にした俺達は馬車を爆走させ、通常なら8日掛かる距離を翌日の朝にパディフリドの街に到着した。

 馬と馬車を仕舞い、街に入り領主館に向かう。


 ……領主館に到着した俺達は、門番にギルドから貰った紹介状を見せると、門番は慌てて領主館に入って行った。

 5分後には、先程の門番と執事らしき壮年か中年の男性が駆け足で来た。


「紹介状に書いてある事は本当ですか?」

「疑うなら渡さず帰るだけだ」

「失礼いたしました。まさか、本当に揃えられるとは、正直思っていませんでした」

「まあ、そうだろうな」

「さあ、パディフリド伯爵様がお待ちです」

「分かった」


 執事らしき男性に案内され、応接室で待っていると、全力疾走の足音が近付いて来て、扉の蝶番を壊しながら渋いオジサンが入って来た。


「本当に三品、全てを揃えたのか?」

「ギルドの紹介状が証拠だと思うが?」

「……そうであった。よく揃えてくれた! 感謝してもして足りない!」

「事が事なだけに本題に入ろう」

「どういう事だ?」

「大切な誰かが『呪い』に因って死に瀕しているのだろう?」

「何故、知っている!」

「知り合いに高名な冒険者が居てね」

「そうか。それなら、早速だが確認したい」

「分かっている」


 俺は、アルラウネ・ロゼの魔石と、ユニコーンの角と、白鱗竜ホワイトドラゴンの血をテーブルに置いた。


「パディフリド伯爵様、全て本物です」


 高額な鑑定の魔道具を用いて執事が確認した。


「そうか! レゼツメンを呼べ!」

「はっ!」


 数分後に、応接室に辛気臭い青年が入って来たと思ったら、パディフリド伯爵が言った。


「レゼツメンよ、貴様が言った解呪に必要な材料は全て揃えたぞ。後は、貴様が持っていた『死霊騎士デュラハンの魔石』で万能の解呪のポーションが出来るな!」


 ……は!?


 死霊騎士デュラハンの魔石だと!?

 この4つの材料で出来るのは、呪いの中でも上位に入る「乙女殺し」の呪いだ!

 この呪いを受けた女性は、その時に受けていた呪いは解呪するが、その後に男を受け入れた瞬間に呪いが発動して、呪いに因って娘しか生まれず、出産から死のカウントダウンが始まり、どんな解呪も無効にして激痛を与え続け、髪が全て白く染まると死亡し、生まれた娘もまた同じ呪いを継承する。

 何処かで断ち切らないと延々と続くクソッタレな呪いだ!


 そして、万能の解呪に必要な材料は、俺が揃えた3つの材料と火属性のAランク以上の鳥型モンスターの「魔石」だ!

 幸運な事に俺は手に入れている。


「待て!」

「どうした?」

「俺は高名な冒険者に万能の解呪に必要な材料を教わったが、同時に最低最悪の呪いに必要な材料も教わった。その呪いの名は『乙女殺し』だ」

「「何!」」

「この乙女殺しに必要な材料は奇しくもアルラウネ・ロゼの魔石とユニコーンの角に白鱗竜ホワイトドラゴンの血に、最後の1つが死霊騎士デュラハンの魔石だ」

「……レゼツメン、本当なのか?」

「そんな訳はありません! そのガキか、その高名な冒険者が嘘を言っているのです!」

「どうなのだ?」

「俺に呪いの事を教えたのはSランク冒険者のサラ=クランフィリアだ」

「何! あのSランク冒険者パーティーの天空の翼の『雷翔姫サラ』か!」

「ああ」

「雷翔姫サラとは、どんな関係だ?」

「サラは俺の養母だよ」

「「「はあ!?」」」

「証拠は、冒険者のギルドカードに記載されている」


 この世界での「家名」は、重要な意味を持っている。

 だから、家名の偽証は死刑だし、この「クランフィリア」は、サラがSランク冒険者になった時からのサラだけの家名だ。

 つまり、クランフィリアと名乗れるのは、サラ本人とサラの家族だけだ。


 そして、俺の冒険者カードには、「ライ=クランフィリア」と記載されている。

 俺は、自身の冒険者カードを見せた。


「本当だ!」

「さて、偽証だと判明すれば死刑になる俺と、そこの男のどちらを信じる?」

「私は……」

「……チッ」

「レゼツメン?」

「後少しだったのによ」

「認めるのだな?」

「ああ。あの女、オレ様がプロポーズしてやったのに、断わりやがった」

「そんな事で?」

「当然だろうが! この青き血が流れるオレ様のプロポーズだぞ!」

「レゼツメン。貴様……」

「もう良い。白けた。全て終わらせる」


 そうレゼツメンが言うと、詠唱を始めた。


「腐ってくたばれ! 死灰腐身霧デス・アッシュ



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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