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レイ、頑張ったな

大切な者を取り戻した主人公。


ちょっと長文です。

 オークションの個室から出たあと、俺とレイは無言で移動して、偶然にも4人部屋の空きがあった高級宿屋の予約してあった部屋に居る。

 道中、レイが「あのね……」と言い出したから、命令で「俺の許可するまで発言を禁ずる」と言っておいた。


 俺は部屋に遮音の魔法と結界を張り、笑顔でレイに言った。


「発言を許可する。レイ、頑張ったな」

「ライ……ぅ、うわぁあああーーー!」


 俺は、レイが落ち着くまで抱き締め、頭を撫で続けた。


「ありがとう、ライ」


 ようやく、落ち着いたみたいだな。

 そのあとは、俺が国外追放された後の事を話し始めた。


 レイの今までの事、俺がまだ公爵家令息のままである事、そして、あの馬鹿の事。


 とりあえず、その人攫い共を地獄に落す事を決めた。


 そして、しばらく経つと、レイは意を決したかの様な顔をして俺から離れると、服を脱ぎ始めた。


「レイ!」

「私は奴隷です。そして若い女奴隷がする最初のご奉仕を……」


 そう言ってレイは着ていた服を全て脱いだ。

 あまりにレイが綺麗で見惚れていたが、直ぐに俺はレイが着ていた服を渡した。


「私は、ライの奴隷にすら成れないの?」

「違う!」

「それなら、どうして!」


 身体を震わせながらも、気がたかぶったレイを何とか落ち着かせた俺は言った。


「レイを奴隷として扱う気なんて無い!」

「ライ……」

「レイは、俺の大切な幼馴染みなんだからな」


 レイは、俺が幼馴染みと言ったら、一瞬哀しげな顔をしたが、直ぐに笑顔になった。


「ライ、ありがとう」

「ほら、涙を拭いて。折角のレイの綺麗な顔が台無しだ」

「うん!」


 俺は、リン達の居る宿屋に迎えに行った。


「ライ様、如何でしたか?」

「ああ。無事に取り戻せた」

「おめでとうございます!」

「泊まる宿屋は、向こうに変更だ」

「畏まりました」

「ラピス、行きますよ」

「はいであります!」


 俺は、精算を済ませ、リン達とレイが待つ宿屋に戻った。


「奴隷に堕とされたが、俺の大切な幼馴染みのレイとジュセレのサリアだ」

「初めまして。レイです」

「ワン!」

「俺の奴隷のリンとジュセレのクロと、行き掛り上、仲間になったラピスだ」

「ライ様の奴隷リンです。それとクロです」

「ニャー」

「よろしく……って、ジュセレ! ライ、今、ジュセレと言ったよね?」

「ああ。あの魔法陣は、覚えた」

「ライ……」

「この件に付いての抗議は禁止だ」

「……ズルい」

「大丈夫だ。リンにはきちんと『ジュセレ』の意味を教えたし、リンもクロを大切にしている」

「はい。今や、クロは私の家族です」

「……それなら良いわ」

「ラピスであります」

「よろしく」


 これで、自己紹介が終わったな。


 ……リンの精神的な休養を兼ねて4日間のんびりした後、俺達は、王都の散策に乗り出した。

 因みに、レイにはリザラルトのダンジョンで手に入れた「氷華」シリーズの装備を渡した後、ダンジョンのボスモンスター「リッチ」を倒したら出る装備品のランクを2つ上げるポーションを使ったら、名前が「氷華」から「氷狼」に変わった。

 武器は「氷狼の薙刀」、防具は「氷狼の装束」と「氷狼の闘衣」に「氷狼の手甲」に「氷狼の具足」だ。

 まあ、あれだけ周回すれば、な。

 後、本物のマジックポーチやバッグを遂にゲットしたのだ!

 しかもバッグが1つに、ポーチが2つ。

 それで、バッグは俺でポーチはレイとリンに。

 しかも!

 使用者登録型で容量「大」で時間遅延だ。


 これで、生物なまものや武具や秘匿物等の重要な物は「箱」に、それ以外は、マジックバッグに入れる事にした。


 後、余った魔石は、全てサリアにあげたら、サリアは全て平らげた。

 勿論、サリアもスペックが爆上がりした。

 外見も、真っ白な毛皮に、青い飾り意匠が顔辺りや前足に少し付いた。


 そして、王都を散策しているのだが……


「レイ、これ美味いぞ」

「……頂きます」

「あの服、レイに似合うんじゃないか」

「……そうですね」


 王都の散策をしているが、レイが大人しい。

 やっぱり奴隷に堕ちたからか?

 4日間、散々、言ったんだけどな。

 まあ、直ぐに俺の知るレイに戻るだろう。


「ライ」

「何、レイ」


 因みに、レイは最初は「様」付けで、呼んでいたが、必死にお願いして、何時もの呼び名に戻った。


「私にあれだけの大金を使って大丈夫なの?」

「ん? ああ、大丈夫だ」

「本当に?」

「レイが、オークションでどれだけ高額になるか分からないから、まだ白金貨500枚残っている」

「「は!?」」


 レイとリンの声がユニゾンした。


「リンも知っている『あのダンジョン』を時間ギリギリまで周回して、俺に好意的な貴族にダンジョンで手に入れた魔石やアイテムや、地上で狩ったモンスターを売って、更に、その貴族に他の貴族を紹介して貰って、を繰り返した」

「「はあ……」」


 またレイとリンの声がユニゾンした。


「ライが、私を買う為に無理な約束を取り付けられたり、理不尽な契約を交わしていないか心配、いえ、後悔していたのに……」

「レイ?」

「ライ、私の我慢や後悔は安く無いわよ!」

「……あ、ああ! レイの気が済むまで付き合ってやる」

「行くわよ」


 こうして、俺が知っているレイに戻って歩き始めた。


「良かったですね、ライ様」

「ああ」

「何をしているのよ。行くわよ、ライ」

「分かった。行こうか、リン」

「はい、ライ様」

「ラピスも居るであります」

「そうだったな」

「忘れていたのでありますか!」

「さあな」

「酷いであります!」

「ライ!」

「行こうか」

「「はい」」

「ワン!」


 ……やっぱり、レイは元気じゃないとな。



 さて、王都の散策は終わったが、流石は公爵家令嬢で、消費した金額は白金貨2桁……


「あー、楽しかった」



 レイside


 私はライに奴隷の立場を伝え様としたけど、ライ「様」に発言を禁止されたわ。

 そして、宿屋に入って何か魔法を放った後、私の知っているライが「良く頑張ったな」と言ったから、緊張の糸が切れて私、泣いちゃった。

 だけど、冷静になると、自分の立場を思い出して恥ずかしいのを我慢……、ライなら見せてもな気持ちで全部脱いだのに、服を返されて絶望したわ。

 でも、それは違った。

 私は、ライの大切な「幼馴染み」か。

 でも、今は良いかな。

 私は、「特殊奴隷」だから、どちらかが、「死が分つまで」離れる事は無いしね。


 ライの仲間を呼んで来ると行ってライが帰って来たけどビックリしたわ!


 だって、2人共小柄だけど、片方はなんか「出来る女」みたいな雰囲気を出しているし、もう1人は見惚れる程の鮮やかな青い髪をした美少女だもん。

 私なんて、暗い黒髪……で、ちょっと待って!

 今、ジュセレと言ったわよね!

 ……道理で毎年、真剣に見ていた訳よ。

 まあ、きちんと「ジュセレ」の存在と意味を教えたのなら良いか。

 私に「命令」したくないのか、必死になって私に昔と同じ様に「ライ」呼びをお願いされたわ。

 嬉しい「お願い」よね。



 だけど、ある事に気付いたわ。

 私をオークションで落札してくれた事は嬉しかったけど、そのお金は何処から用意したの?

 それに、この「装備品」は?

 良く見たら、ライやリンも同じぐらいのヤツよね。

 もしかして、「装備品コレ」も……


 え!?

 まだ、白金貨500枚残っている!

 どうやら、ライは自重無しに荒稼ぎしたみたいね。

 私が想い悩んだ時間を返せー!

 そういう事なら、私も自重しないわよー!


 久しぶりにお金の心配をしないで買い物して気持ち良かったわ!




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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