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ライ、助けて!

まあ、回想も含むのでサクっと。

「さあ! 紳士淑女の皆さん。今日がオークションの最終日です!」


 奴隷館リリーの夫婦が用意してくれた席は、あの夫婦からかなり離れた位置だ。

 これなら、万が一にも奴隷館リリーとの関係は疑われないだろう。

 勿論、王都のオークションでも仮面着用だ。




 ……そして、王都のオークションは最後の奴隷が出品される。


「さあ! 最後の奴隷です! まさか、と思う奴隷です! 近辺の国なら誰もが知る伝説の物語である国の出身で身分は公爵令嬢でした! その血統! その美貌! そして……! 

 そんな王族すらも超えるかもしれない奴隷を金貨8000枚から!」

「金貨12000枚」

「金貨13000枚」

「金貨24000枚」

「金貨……」


 馬鹿げた金額は更に跳ね上がり……


「金貨50000枚」

「金貨60000枚」

「金貨61000枚」

「金貨70000枚だ!」


 待っていろ、レイ!

 直ぐに、その不安から出してやる!


「金貨71000枚」

「金貨80000枚だ!」

「金貨80500枚」

「金貨90000枚だ!」

「……」

「金貨90000枚が出ました! 他に居られませんか? ……金貨90000枚で11番が落札しました!」

「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」 

「……良かった」


 因みに、11番は俺の番号な。

 近付いて来たスタッフから番号99の木札を受け取る。

 コレが引換券なんだろう。

 それなら、このスタッフに大金貨1枚を渡す。


「この金で、俺が落札した奴隷の奴隷環を奴隷紋に、身嗜みを調え、奴隷には見えない服と靴を」


 次に、金貨1枚をスタッフのポケットに入れる。


「これはチップだ」

「畏まりました」


 暫(しばら)く待っていると、先程のスタッフが来た。


「大変お待たせしました。準備が整いましたので、ご案内いたします」


 そして、個室に案内されると、前回同様に屈強な警備員みたいな男が3人居た。

 前回の事を踏まえて、直ぐにマジックバッグに見せ掛けた鞄(箱)から、大袋を9個と、小袋を5個出す。


「大袋1つに白金貨100枚ずつと小袋には白金貨が10枚ずつ入っている。確かめて欲しい」


 30分後、支払い能力が有る事が証明された。

 後は、スムーズに進み、レイとジュセレのサリア付きで俺の奴隷となった。




 回想~レイ~


 あの大会でライと別れてから、私の日常は崩れたわ。

 寮には、ライからの書き置きが有って、内容は、私達関係者への謝罪と、養子縁組の破棄願いだった。

 そして、ライの私物は残っていなかった。

 勿論、私もお母様やサラも反対したし、養子縁組の破棄の手続きなんてしなかったわ!

 するにしても、ライが居ないと意味が無い。

 そして、お母様はアークレイド女公爵として、あの馬鹿王子を糾弾した。


 結果は、王位継承権の一時的な凍結と、騎士団の移籍よ。

 要するに、騎士達に揉まれて性根を鍛え直すのが目的ね。

 当然、ライの国外追放は取り下げられたけど、既にライは国内に居なかった。

 そして、周りの全ての隣国にお触れを出したけど、全く見つからなかった。

 理由は3ヶ月後に判明したわ。

 探していたのは公爵家の令息ライザック=フォン=アークレイドだからよ!

 見つかる訳ないわよ、文官の無能共ー!


 ライが冒険者として生きているなら、私も冒険者になったわ。

 そこら辺は、サラからの教育で冒険者としての知識と実力を身に付けた。

 そして、冒険者ランク「E」になったわ!


 いざ、出発の日に過保護なお母様は、女性だけのBランク冒険者パーティーを雇ってくれたわ。

 ありがとう、お母様。

 そして、無事に国境を越えて隣国マイシュリアに入国を果たして、ライが「東に行く」と言っていたから、先ずは冒険者ギルドに寄ってみたわ。

 どうやら、私の読みは当たったみたいで、ライの痕跡を見付ける事に成功して、その痕跡を辿る事にしたのだけど、ライはどんなに急いでいたのよ!

 痕跡を残した日時と移動速度とが噛み合わないのはどういう事!

 それでも痕跡を辿ると、真っ直ぐに東に移動しているから、どうやら更に隣国のイシュトリアに向かっているのが分かったわ。

 だから、私も隣国イシュトリアを目指した。


 隣国イシュトリアまで、後1週間の距離という所で、今日の目的地の東の辺境の都市ソドゴラに到着して宿を取ったわ。

 流石に此処までくれば、誰かに語れる程度の「冒険」をしたわ。

 1回だけ、盗賊の襲撃に遭ったけど頑張って撃退したわ。

 まあ、その後(あと)、3日寝込んだけど……


 それに、Bランク冒険者の彼女達の助けもあって、Cランクのモンスター「ウォートロール」の討伐をサリアと一緒にやり遂げたわ!


 ……思えば、それが油断に繋がった原因よね。


 宿屋の食堂で夕食を取っていたけど、最初に私達に話し掛けた女性は「あいつら」の仲間だったんでしょうね。

 あの女性自らが、エールを持って来た時に疑うべきだった。


 ……気が付けば私は、猿轡(さるぐつわ)され、両手両足を縛られ、サリアも拘束されていたわ。


 勿論、彼女達も同じ様に。

 そこで、私は首辺りに違和感を感じたわ!


 ……まさか!


 良く見れば彼女達の首には奴隷環が付いていた。

 自分では確認出来ないけれど、恐らく……


 ライ、助けて!


 私だけは、幾つかの奴隷商を渡り、正式な奴隷に堕とされたわ。

 残念だけど、彼女達の行方は分からない。

 そして、私はイシュトリアの王都の奴隷館に買い取られ、奴隷としての教育を受けた。

 その過程で、私の過去を全て吐かされたわ。

 でも、ライの事を話すと、何故か奴隷商は渋い顔をしたわ。

 その訳は、私が出品される王都のオークション開催日まで、残り1週間で分かった。

 希望と絶望に繋がる声と共に……


「何で、お前が居るんだ!」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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