この時、俺は全てを悟った。
2つの国を飛び周った主人公。
「何で、お前が居るんだ! レイ!」
「……ライ!?」
「やはり、あの奴隷が言っていたのは貴方でしたか。どうやら、旅の途中で騙されたみたいで、幾つかの奴隷商を通る事で、正式な奴隷となってしまって、私達ではどうする事も出来ませんでした」
この時、俺は全てを悟った。
「オークションでは、落札価格は幾らぐらいだと思いますか?」
「血筋、美貌、年齢、教育、そしてあの国の『ジュセレ』です。」
「恐らくは、白金貨3桁後半でしょう」
「ありがとうございます。そして、オークションに出品登録して頂いて感謝します。これなら、万が一にも、オークション前に誰かがレイを買う事が出来ません。例え、王族であっても!」
「私達の賭けは成功しましたな。それで、出せますか?」
「……出せます!」
「では、私達の権限で席を用意しておきましょう」
「ありがとうございます。それと、代理で出品の手続きとかは出来ますか?」
「可能ですが、後3日しか有りませんよ?」
「3日ですか、分かりました」
「期待していますよ」
「レイ! 待っていろ!」
「ライ! 待っているわ!」
俺は奴隷館リリーを出ると、リンとラピスには宿屋でノンビリする様に伝えると、俺とキサラは路地裏に入り、第6位階魔法の「転移扉」を使った。
これは、一度行った事が有る場所には何度でも行ける魔法だ。
これで、先ずは都市リザラルトに転移して、ダンジョンに行き、50階層までのダンジョンモンスターを狩り尽くして魔石を集めまくった。
それを西の辺境の都市ランカールに転移して冒険者ギルドに行き魔石を売却した。
勿論、代金引き取りは明日以降になる。
次に、旅する中で、聞いた情報を利用した。
聞いた情報の中には、強過ぎてギルドも手が出せないモンスターが存在する。
俺は、コレらを知り得る限り、出来るだけ綺麗に狩った。
風魔法の「飛翔」で移動していると、ワイバーンやグリフォン等が襲って来たから、コレらも綺麗に狩った。
特に綺麗なモンスターを残して、後は、街以上の冒険者ギルドに売却した。
コレらも明日以降になる。
転移扉を使って王都に戻ると、奴隷館リリーに行き、出品用のモンスターを渡した。
驚いていたが、直ぐに、また路地裏に行き、リザラルトのダンジョンに行き魔石を集めた。
このダンジョンのモンスターの復活は早い。
この魔石は、隣国マイシュリアの東の国境堺の都市の冒険者ギルドに売却した。
この隣国マイシュリアの東の国境堺からまたイシュトリアへ飛翔中に、良い獲物が飛んでいた。
直ぐに、キサラと一緒にボコボコにして、麻痺と睡眠の魔法を掛け、回復魔法で身体の古傷まで癒やし、その後、凍結させて殺した。
その後は、転移扉で奴隷館リリーの所に行き、出品代理をお願いした。
今度は2人共、腰を抜かしていた。
因みに、この奴隷館リリーは、奴隷の体調管理用に中庭が有るから、そこで狩ったモンスターを渡した。
流石は、イシュトリア王族の御用達の奴隷商だけあってかなり容量のデカいマジックバッグを持っていて助かった。
後は、ギリギリまで、ダンジョンで魔石収集と、周辺のモンスター狩りをし、合間に、旅の途中で知り合った俺に対して好意的な貴族に会い、集めた魔石や狩ったモンスターを売った。
……これだけ用意すれば、例え、王族以上の財布を持つ高位貴族にも競り勝てる筈だ。
「さあ、いよいよです! 王都のオークションを開催いたします!」
今回は、レイだけの一点買いだけだ!
そして、王都のオークションも3日開催される。
初日は、骨董品や美術品で、2日目は、冒険者関係の品で、3日目に奴隷となる。
だから、まだ各地を転移して金策に走った。
そして2日目も金策に走った。
ライが居ない2日目のオークションでは……
「次の出品は、ワイバーンです! しかし、ご安心ください。この王都のオークションで出品するワイバーンが、只のワイバーンではありません! なんと、傷の一切無い身体の全てが揃った状態のワイバーンです! 普通であれば、傷だらけなのが常識です。しかし、このワイバーンには、その傷がありません! そんな美麗なワイバーンを金貨100枚から!」
「金貨200枚」
「金貨300枚」
「金貨……」
次々に値が上がっていき……
「金貨2000枚」
「金貨2100枚」
「金貨2300枚」
「……」
「金貨2300枚が出ました! 他に居られませんか? ……金貨2300枚で3番が落札しました!」
「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」
「次は、都市リザラルトの冒険者ギルドからの出品です。あの大森林から狩られた伝説にも名を残すモンスター。その勇壮な姿は圧巻です! もしかしたら、もう2度と見れなくなるかもしれません! そんな森林の王者エルダーレオンを金貨500枚から!」
「金貨800枚」
「金貨1000枚」
「金貨1700枚」
「金貨……」
これもドンドン値が上がっていき……
「金貨15000枚」
「金貨15700枚」
「金貨17000枚」
「……」
「金貨17000枚が出ました! 他に居られませんか? ……金貨17000枚で9番が落札しました!」
「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」
「次が最後ですが、私自身も興奮を抑える事が出来ません! 2日目最後の出品は正に生ける伝説そのものです! なんと! 黄金竜です! しかも、先程のワイバーンと同様の傷無しです! そんな美麗な黄金竜を金貨1000枚から!」
「金貨2000枚」
「金貨3000枚」
「金貨4000枚」
「金貨……」
更に加熱していき……
「金貨50000枚」
「金貨51000枚」
「金貨53000枚」
「金貨50000枚」
「……」
「金貨50000枚が出ました! 他に居られませんか? ……金貨50000枚で1番が落札しました!」
「「「「「「「「「「パチパチパチパチ」」」」」」」」」」
俺は指定された時間に奴隷館リリーに行き、2日目の出品した代金を受け取るが、夫婦は白金貨3枚しか引いていなかった。
「あの時に、助けて頂いた恩をやっと返せそうで、安心しました。」
「ありがとうございます!」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。
他にも何品が出品しています。




