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きらびやかに踊る生徒達。
貴族は権力を強固にする為、跡継ぎを確実に残す為等何かしらの理由があり、早くに婚約者を定めて婚姻を結ぶ家が多くある。
カーラとダグラスの婚約も、同じ伯爵同士だが、カーラの家は裕福だが歴史がなく、ダグラスの家は由緒正しい歴史はあるが裕福ではない。
2人が結婚して子供が産まれれば、両家に歴史も財産も継げる跡継ぎが出来ると言うわけだ。
それだけでなく2人が好き合っていると言う事を最優先しているとはクリスタも聞いているが、カーラの家のように結婚する当人の気持ちを考えずに婚約を結ぶ家は少なくない。
「ク、クリスタも婚約者が欲しいのか?」
「いえ、私には婚約などまだ先の事ですわ。」
少なくとも『オレ攻め』でのクリスタにもアルトゥールにも婚約者はいなかった。
「カーラ様が羨ましく思うのは事実ですが、婚約者が欲しいなどと軽々しく口に出せる事ではありません。」
詩織の世界での彼氏が欲しいー、結婚したーい、などと軽く言える事ではない。
「それに、今は勉強で手一杯です。」
母から課せられているあの勉強漬け地獄の日々。
婚約者がいてもいなくても変わる事はないだろう。
「せっかく今日1日は勉強から開放されているのです。アルも一緒に楽しみましょう?」
ファーストダンスも終わった今、クリスタの心の重荷はなくなり、気分も晴れやかだ。
アルトゥールが持ってきてくれた飲み物はさっぱりとしたフルーツティーで、緊張で乾いていた喉が潤っていく。
「それ飲んだらもう一曲踊るぞ。」
そう言って手をすっと差し出すアルトゥールの姿はとてもカッコ良い。
「はい。」
空になったグラスを近くの給仕に渡すとクリスタはアルトゥールの手に手を重ねた。
この素敵な皇子様は高等部になり『オレ攻め』のヒロインが入学してきたらどう変わるのだろうか。
結局詩織はハピエンを知る事は出来なかったが、神は知っている。
ハピエンを知る神が作った世界なのだから、きっと何かしらの神の意向が加わっているはずだ。
アルトゥールとダンスを何度も踊る内に、空には学校行事の終わりを告げる花火が何発も打ち上がっていた。
「クリスタ……今日は本当に楽しかった。ありがとう。」
「私もとても楽しい時間をありがとうございました。」
この曲が今日のラストダンス。
マシューと踊る事は叶わなかったが、クリスタにとってとても思い出に残る1日であった。
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