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湖を眺めながらティータイムを楽しめるようにと作られた祖父母の屋敷のテラスは広く、テラスの中心では祖母が待ち構えている。
テラスと屋敷内を繋ぐドアが開け放たれていたので、クリスタは先に巻き上げて運んで来た葉でカモフラージュしながらマシューと少年をそのドアから屋敷内へと押し込みながらブルーノとベンヴェヌード共にテラスに着地した。
「よく頑張りましたね。」
祖母が魔力を使い過ぎてふらつくクリスタを優しく支えて頭を撫でてくれる。
「少し休みなさい。話はそれから。ブルーノもベンヴェヌードも疲れたでしょ?ガドリン夫人もいらしてる事だし、お茶にしましょう。」
祖母は後方に控えていた執事に目で合図を送ると、執事は一礼して歩み寄った。
「失礼致します。」
そしてクリスタを抱え上げると、再び一礼してクリスタを屋敷内へと運ぶ。
屋敷内にマシューと少年の姿が見えないので、二人もどこかに移動したのかもしれない。
「まぁまぁまぁ!マシューちゃん!!大変だったわね!!」
出た、ガドリン夫人!と思わず口に出してしまったクリスタだったが、クリスタを抱えている執事にしかその声は聞こえていないようだ。
「空から降りてきた貴方は本当に天使のように素敵だったわ!本当に貴方が女の子出ない事か惜しくて惜しくて……。」
「申し訳ありません、ガドリン夫人。マシュー様には今休息が必要です。ご容赦を。」
クリスタを熱視線で見つめながら熱く語るガドリン夫人を制止し、その横をすり抜ける。
「まぁまぁまぁ。わかりましたわ!おやすみなさい。」
クリスタの明らかに疲れている様子に大人しく引き下がったガドリン夫人を横目に、執事はどんどん進んで行く。
「ガドリン夫人は空から降りてくるクリスタ様のお姿に夢中で何も見ていませんし、知りません。今日見た事はご子息方にも口止め致しますので、クリスタ様も口外なされぬようお願いします。」
ガドリン夫人が見えなくなったタイミングで執事がそう言った。
今日見た事と言うのはあの少年の事だろうか。湖が凍り付く程の事があったのに何も話してもらえず、しかもしゃべるなとは、いくらクリスタがまだ子供とは言え納得がいかない。
そんな不満いっぱいな顔をしたクリスタに、執事はフッと笑った。
「クリスタ様にはお休みになられた後に旦那様からお話があるでしょう。今はお休み下さい。普通なら洗礼を受けたばかりであれだけの魔法は使えません。気が高ぶっているから感じられないかもしれませんが、クリスタ様は大変お疲れです。」
確かに魔法をたくさん使って疲れている。事の顛末早く知りたいが、説明されても途中で眠ってしまいそうだ。
「じゃあ、起きたら話してね。」
「かしこまりました。ごゆっくりお休み下さい。」
クリスタはマシューが使っているクリスタの部屋で降ろされ、執事は出て行った。
室内を見ると、ラフな室内着とお茶が用意されている。
やはり魔力の使い過ぎか、体がだるい。
クリスタはお茶を飲んでから何とか室内着に着替えてベッドへと横たわると、何故マシューが使っている部屋にいるのかを疑問に思う事なく一瞬にして眠りの世界に誘われてしまった。
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