表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/391

12

祖父母がマシューとクリスタの為に用意した部屋は隣同士で、部屋の中にもドアがあり、お互いが行き来出来る作りとなっている。



「おい、マシュー!これでお前の荷物は最後だ!」



結局ガドリン兄弟は荷物運びを最後まで手伝ってくれ、マシューの荷物はクリスタの部屋に。

クリスタの荷物はマシューの部屋へと運ばれた。



「ありがとう。助かったよ、ベンヴェヌード。そこに置いて。」



最後の荷物を持ってきてくれたベンヴェヌードに礼を述べると、ベンヴェヌードとは目をぱちぱちさせた後嬉しそうに笑った。


「少し休んだら遊びに行く?」


疲れているが、たくさんの荷物を運んでくれたベンヴェヌードをこのままかえらせるのは申し訳ない。


「兄様がマシュー達は疲れてるから、お前の明日の洗礼が終わってからにしろって。明日遊ぼうぜ!」


典型的な我儘なおぼっちゃんだと思ったベンヴェヌードが兄のブルーノに言われたとしても、クリスタはベンヴェヌードが気を遣ってくれた事に驚いた。



「失礼します。奥様から一休みしましょうとの事です。お茶とお菓子を御用意致しました。」



開け放しのドアをコンコンと叩いて入室したメイドがそう告げる。

この屋敷の場合、奥様は祖母のレーヌ。旦那様が祖父デリクで、父は若旦那様、もしくはブライト様と呼ばれている。



「ベンヴェヌード、行こう。」



この日は一休みを終えるとガドリン一家は帰って行った。

ガドリン夫人の銀の髪への執着は凄まじく、クリスタの子供が銀の髪だったらベンヴェヌードの子供と結婚させたいとそれはもうしつこい。

まだ10歳のクリスタに契約書まで書かせようとしていたのだから。

祖父母と父が全力で断っていたが諦める様子がなく、何故クリスタが今まで祖父母の屋敷に遊びに来る事がなかったのかが理解できた。父の様子から、きっと洗礼が終わり家に帰った後は祖父母がクリスタ達に会いに来ても、クリスタ達が再びここに来るのは難しいだろうと思う。 

ガドリン夫人を苦手とする父が、マシューとクリスタに祖父母の家にいる間は性別を偽り続けるよう言われ、クリスタには洗礼の儀式用にせっかく綺麗で白いワンピースを用意したのに残念でならなかった。

評価&ブックマークありがとうございます。とても嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ