たんこぶ治療は鬼が専門なのじゃ!
「つまり、麗華ちゃんは網目の世界から来たのね」
「アニメじゃ。そこで生徒会長をしていたのじゃ」
「鳥っぽくはないわよ」
「怪鳥違いじゃ」
「でも、どうしてここへ来たの?」
「一郎が私のファンでの。彼の熱意が私の世界まで伝わってきたのじゃ。そして日頃から応援してくれる彼のために何かできないかと思い立ち、この世界へ飛んできたのじゃ」
「どうやって?」
「無論、テレビの中からじゃ」
「テレビの中を自由に行き来できるってこと。
じゃあ、私も頑張れは好きなテレビスターに会えるかしら」
「そうじゃな。何もしないよりかは可能性はあるじゃろ」
「わかったわ! やってみる!」
「ぬぉう! 待つのじゃ、ママ殿!」
一郎の母は部屋の端に行くと、助走をつけてテレビに突進。
麗華の制止も効果はなく、正面衝突。
バタン。気絶。
麗華は嘆息し。
「だから止めたのじゃが。それにしても大きなたんこぶじゃ。
鬼にとってもらった方が良いのかもしれぬの」
布団を敷き、母を寝かせる。
「なんと重いママ殿じゃ……まるで鉄の塊じゃ」
「失礼ね!」
「目が覚めた!?」
「みんなの夕食を作らないといけないんだから当たり前じゃない。さ、ご飯の支度をしなくっちゃ」
「ママ殿は大物なのか小物なのかわからんのじゃ」
肩を竦める麗華であった。