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夏のタイムカプセル ―僕と魔法のハムの夏―  作者: Fos B


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番外編:【お父さんはどこにいても、やっぱり『やらかし』お父さん】

おじいちゃんとおばあちゃんを東京へ招待するため、僕たち家族の旅が始まった。メンバーは、異国の地から一時帰国したお父さん、お母さん、そして僕だ。

在来線で東京駅へ到着し、新幹線の乗り換えのホームへ向かう前のこと。少し時間があるからと、僕ら3人は待合室で待機していた。ところが、お父さんがふらっと席を立ってから、なかなか戻ってこない。最初はトイレかなと思っていたけれど、出発時刻が刻一刻と迫ってきても戻る気配がない。

お母さんと僕は気が気ではなく、ソワソワと周囲を見渡した。スマホに連絡しても返事はない。いよいよホームへ向かわないといけない――そんなギリギリのタイミングで、お父さんがのんびりと現れた。両手には、ビニール袋がパンパンにぶら下がっている。

「どうしたの? もう出発時間よ、早くホームに行かなきゃ!」

お母さんが焦って詰め寄ると、お父さんは何事もなかったかのように答えた。

「いや、久しぶりの新幹線旅だからさ。駅弁をいろいろ買ってきたんだよ。飲み物も、お菓子もたっぷりね」

その言葉で、お母さんのスイッチが入ってしまった。お母さんは僕にアイコンタクトを送ると、黙ったままスタスタとホームへ向かって歩き出した。完全に「お怒りモード」だ。

僕は慌ててお父さんに言った。

「お父さん、やばいよ! 時間ギリギリで僕たちすごく心配してたんだよ。早くお母さんに謝ったほうがいいよ」

「えっ?」

お父さんは、自分がなぜこれほどまでに呆れられているのか、全く分かっていない様子だった。どこにいても変わらない、お父さんのマイペースさ。僕はため息をつくしかなかった。

乗り込んだ新幹線の中でも、事態は収まらなかった。あの大量の駅弁だ。結局お父さんは食べきれず、「残したらもったいないから」と僕とお母さんまで食べる羽目になった。味はおいしいけれど、お母さんが無表情のまま、「……だから、いつも言っているのに」とブツブツ呟き続けているのが何より怖かった。

仙台に着いてからは順調だった。お父さんとお母さんがレンタカーを交代で運転し、三陸のおじいちゃんとおばあちゃんの家へ。久しぶりの再会を楽しんだ。

しかし、事件は翌日の帰路でも起きた。前の日の反省を全く生かしていないお父さんは、またしても大量の銘菓やお土産、お弁当を買い込んできたのだ。それを見たお母さんだけでなく、おじいちゃんやおばあちゃんまでもが呆れ果てていた。お父さんは、本当に進化しないなぁと僕は密かに思った。

それでも旅は順調だった。最近は、駅のエレベーターやエスカレーターが充実しているおかげで、おじいちゃんとおばあちゃんも人混みに疲れつつも、無事に東京のマンションまでたどり着くことができた。

やっぱり今回の旅も、お父さんのやらかしに始まり、やらかしに終わった。そんな相変わらずの親子旅だ。

明日からは、長旅でおじいちゃんとおばあちゃんが疲れていないか様子を見つつ、今後についての話し合いや見学をしていく予定だ。それから、夏に約束していた「おいしいもの食べ歩き」の案内もしなくちゃ。みんなでたくさん、おいしいものを食べよう。

僕たちのタイムカプセルは、こうして今日もまた一つ、思い出という名のピースを積み上げていく。


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