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 早速使っていいといわれた場所に出ていく。ちなみにここにも護衛がいるからすごいよね。シントについてきた近衛騎士がもちろん残っています。


「でもここだとあまり大きなのは使えないよね」


「うーん……。

 ねえ、上に向かって水の柱出せる?」


 柱? と聞き返しつつきちんと力を抑えたものを出してくれる。まっすぐに伸びて噴水のようになっている水しぶきで虹がきれいに出ている。それに巻き付くように、でも触れないように調整しつつ炎を出していく。シントはぶれないように維持しないといけないし、僕は細心の注意を払って炎を上に向かわせないといけない。これは結構細かい調整の練習になる。


「うわぁ、きれいだね」


「シント、水を維持していなきゃだめだよ」


 うん、と返事をしつつ二人で作り上げたものを見上げている。初めてやっていたけれど、思っていたよりもきれいにできた!


 体に魔力を巡らせて、炎を調整していく。水しぶきが光に照らされてきらきらと輝いている。それを見つつ周りに決して危害を及ぼさない大きさまで炎を大きくして一気に水柱を飲みこんだ。最後に水を噴き上げると水も炎も消えていった。


「うわ!

 ねえ、今のは何?」


「シントが出している水と同じ大きさの炎を出して相殺したの。

 思っていたよりもうまくいったね」


「すごい、アラン!」


 次はどうしよう、と周りを見渡してみる。使っていいといわれた庭はそんなに広くない。まあ屋敷の広さ相当という感じだ。つまりあまり暴れられない。うーん、と視線を下に向けるときれいに整理された土が見えた。これ、最後にちゃんともとに戻せばいいかな? いいよね?


 しゃがんで土に手を当てる。そして魔力を移すとボコりと音がして土が盛り上がった。形を整えるとかわいい土人形の完成だ。ちなみになんで土は生み出さないの? という質問があるかもしれないけれど、単純にこっちのほうが楽だから。その場にあるのに生み出すのもあれだし、何より土は消すのがまた手間なのだ。手のひらよりも少し大きいもの。その場で少し動かしてみると楽しそうにくるくると踊る。それを見たシントも真似をして土人形を作った。


「僕らの土人形、戦わせてみようよ」


「負けないよ」


 お互いの土人形を取っ組み合わせる。ぽてぽてとした歩き方がかわいい。そしてぐぐぐ、と押しあう。僕の魔力を存分に込めた土人形は結構丈夫。魔力で優っているシントに負ける心配は実は初めからしていなかった。そして、少しするとばたり、とシントの土人形が倒れこんだ。


「よし、勝った!」


「あーー、負けた!」


「あははは、シントの土人形、ぼてって!」


「しょうがないじゃないか!

 あまり土属性は得意ではないんだよ」


「えー、そんなこと言っていていいの?」


「か、帰ったら特訓するから。

 それにもーっと大きなもの作るから!」


「いや、大きいといいというわけではないよ?」


 実際大きいほうが制御も大変だからね。だから練習でも土人形の大きさは結構制限される。僕の言葉にわかっているけどさ、と口をとがらせる。最近は視察中、つまり常に大人がそばにいる関係でずっと第二王子という立場にふさわしくあろうとしていた。だからこういう子供っぽい姿を見るのは久しぶりな気がする。


「シフォベント殿下、アラミレーテ様、そろそろ昼食のお時間です」


「わかった、今行くよ」


 あー、その前にこの土戻さないとだよね。庭ということはパーティもやるところだし、さすがに無責任なことはできない。


「シント、土人形崩して」


 わかった、というとシントが作った土人形が崩れる。もちろん僕も自分のを崩す。そして土に手を当てると、土の水分量を調整しなおす。ちょうどいい水分量になったら、それを均せるように全体に薄く魔力を伸ばす。そしてきれいにならしたら完了だ。


「アラン、今何していたの?」


「ん?

 土戻していたんだよ」


「へー、そんなこともできるんだ」


「まあ、応用?

 ほら、お昼食べに行こうよ」


 一応病み上がり。午後からはおとなしくしないとな、と思いながら僕らは食堂へと向かった。



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