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「アラン、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫」
こんにちは、アランです。シントがなんとか身支度が終わった現在、僕はいまだにベッドにいます。あーー、今までなんとか持っていたのについに熱出してしまった! 本当に情けないというか、悲しいというか。
「何か口にできそうですか?」
「うーーん、あまり食欲ない。
……あ、でも果実だったら食べたいかも」
「わかりました。
すぐに持ってまいります」
「シントは食堂に行きなよ」
「うん……」
なんとかシントが部屋を出て行ったのを確認すると少しだけ起こしていた体をぼふりとベッドに沈める。熱を出すのがこの体にしては久しぶりだからか結構つらい。今日はおとなしく寝ているしかないな、と目を閉じようとしたところでノックの音が聞こえる。誰だ? サイガならそのまま入ってきているだろうし。なんとかどうぞ、というと入ってきたのはダブルク様だった。なぜここに?
「熱を出したと聞いたけれど……」
そういいながら近づいてくると額に手を当てる。そのまま眉をしかめてしまった。
「結構高いな……。
今氷水とタオルを用意してもらっているところだ。
それで少しは楽になるといいけれど」
「ありがとうございます。
すみません、ご迷惑をおかけしてしまい」
「いや、気にしないで大丈夫だよ。
昨日のごたごたでストレスが溜まってしまったかな?」
だとしたら僕はどれだけ弱いんだ……。直接言っていたのは僕じゃなくてシントだったのに。
「アラン様、お待たせいたしました。
少しでも召し上がってください。
と、失礼いたしました、ダブルク様」
「いや、気にしないでくれ。
アラミレーテ殿、食べられるだけ食べてしっかり休んでおいてください」
「はい、ありがとうございます」
きっと忙しいなか来てくれたのだろう、それだけ言うとダブルク様は部屋を出て行った。そしてサイガが持ってきてくれたおいしい果実を頂く。よく冷やされている果実はほってった体にちょうどいい。それにその状態でもしっかりと甘みを感じられる。用意していただいた果実はおいしくいただきました。
ちょうど食べ終わったタイミングで運ばれてきた氷水に浸したタオルを首筋や額などに当てて今度こそ眠りに落ちていった。
「今中ではアラミレーテが寝ているんだ。
静かにしてくれないか?」
「で、でも!」
「これ以上不作法を重ねるつもりか?」
なんだか言い争っている声が聞こえる? これ、シントとフルシア嬢の声だよね。抑えている感じはするけれど、正直うるさい。朝よりもよくなったとはいえまだ熱は下がっていなさそう。こういう時は静かに寝たい。
「シント、何を話しているの」
「アラン!
大丈夫、ではないよね」
「うん、だから静かに寝ていたいんだけれど」
頭も痛い今、他人を気遣っている余裕はない。ずばっと言った僕の言葉にシントは鋭い視線をおそらくフルシア嬢に向けた。部屋の中から声をかけているから直接は見えていないのだ。
「ということだ。
ひとまず帰ってくれないか?」
「フルシア!!」
でも、と言いつのろうとしたフルシア嬢の後ろから大きな声が聞こえる。これはたぶんガルシアン殿の声。知らなかった。僕の静かにしてほしいという願いは、実は贅沢なものだったらしい……。
「申し訳ございません、殿下。
フルシア、こちらに来るんだ」
「お兄様!」
「ああ、もううるさい……」
だから、頭が痛いんだってば。確かに体調を崩してもゆっくり休めないかもしれないとは言われていた。でもそれは領主の館以外で体調を崩した場合のこと。だからゆっくり休めると思ったのに。
「どうぞここはお引き取りを」
この状況に見かねたのかとうとうサイガとツェベルが動き出してくれた。ツェベルが二人を追い出し、サイガが僕たちを中へと入れてくれる。これで静かに眠れるといいんだけれど……。
ひとまず静かになってくれたのでもう一度寝なおすことにしました。




