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 少しお疲れの様子だろう大人たちは置いておいて僕たちはよく寝れて元気いっぱい! ちゃんと休まないと僕はすぐに体調を崩しちゃうから大事! リーロンパ先生からいただいている薬もまだあるからちゃんと飲んでいます。


「シフォベント殿下、アラミレーテ様、朝食の準備が整いました」


「ありがとう、準備ができたら行くよ」


 起きるといつもは誰かしら手伝いに来るけれど、視察に行っている間は自分のことはできるだけ自分で、という話になっている。執事であるサイガたちはついてきているけれど、せっかくなら自立力を身に着けるといいと言われれば、ね。もともと自分のことは自分で、が基本だった僕は全く困らない。困るのは……。


「ねえシント、まだかかりそう?」


「ちょ、ちょっと待って!」


 はぁ、と思わずため息がもれる。いや、確かに仕方ない。だって彼は根っからの王子だ。いくら望まれていなく、のけ者にされていたとしても王族に変わりはない。きっと自分で着替えるのすらまともにやっていなかったのだろう。


「はぁ、手伝うよ」


 どうやったらこうなるのかわからない感じに絡まっている服を丁寧にほどいていく。よし、これで大丈夫だろう。やっと着替えが終わった。


「髪は?」


「え、梳かして終わりじゃないの?」


「ひとまず梳かそうか」


 いやいやいやいや、なんで梳かしているだけなのに髪が絡まっていくの!? 逆に天才じゃない? 少し癖のある髪だし、確かに少しは大変かな? とは思ったけれど。それはあくまでただ梳かすだけだときれいにはまとまらないのでは、と思っていただけなのに。


「あああ、いいから。

 もう僕がやるから。

 シントはひとまず無月になるころには身の回りのことができるようになろう」


 ひとまず髪を梳かす。やっぱりうまくまとまらないか。じゃあ、これ付ければいいかな。よしよし、こんな感じでしょう!


「わぁ!

 アランって器用ですごいねぇ!」


「シントもこれくらいできるようになってよ、本当に……」


 そんな話をしていると扉をノックする音が響く。サイガたちみたい。まあ、これだけ支度に時間かけていたらそうなるよね。中に通すと、一応準備が終わっているからか驚いたような顔をする。いや、僕だけだったらもっと早いからね。


「皆様お待ちですよ。 

 食堂へ急ぎましょう」


「うん」


 そうしてようやく朝食の席に着くと本当にみんなもう来ていた。大人たちのほうが夜遅くまで起きていたのに、朝早かったんだね。遅れてきた僕たちをどこか生暖かい目を向けている。うう、なんか恥ずかしい。


 着席して前に料理が置かれていく。果物が特産というだけあって、朝から果物がもりだくさんだ。サラダにも入っているし、パンにつけるジャムもいろんな種類があって目移りしちゃう。朝からシンプルだけれど贅沢なご飯を頂けてとても満足です。


 今日はまだここに滞在する予定だ。今日、というか少しの間? 領主に案内してもらいながらリキューシア領を回るみたい。視察は不正がないか見る目的もあるけれど、不便がないかを確認するためでもあるからね。


 そんななか僕たちは何をするのか。領主とともに回るのにもついていくけれど、毎回ではない。せっかくだから、と領主の子供とも交流をしよう、と言われたのだ。だからか、僕らと同い年くらいの女の子が朝からこちらをちらちら見ている。ううう、やりにくい。


「今日は屋敷にいてください。

 ぜひ、子爵家の子と交流を」


「はい」


 朝食後早速サロンに案内される。まあ、その前にちょっとした手直しが入ったけれど。通されたサロンにはすでに子爵家の子供三人がいた。そういえばここにいるということは学園に入る歳ではないということか。


「初めてお目にかかります、リキューシア子爵が嫡男、ガルシアン・リキューシアと申します」


「お会いできて光栄ですわ、長女のシシティア・リキューシアと申します」


「次女のフルシア・リキューシアと申します」


「初めまして、シフォベント・アルフェスランです」


「カーボ辺境伯が次男、アラミレーテ・カーボと申します」


 うん、こうなるだろうなとは思っていたけれど、何を話したらいいのかわからなくてこの後は完全な沈黙。お互いに困った顔をしています、はい。




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