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 そのまま馬車に揺られること数日。ようやく僕らは王都へと到着した。やっぱり辺境伯領から王都って遠い……。前回と同じように貴族専用の門を通って王都へと入る。そしてそのままタウンハウスへと到着すると、使用人がずらりと並んで僕らを出迎えてくれた。


「おかえりなさいませ、ヘキューリア様、アラミレーテ様」


「ただいま、僕らがいない間何もなかった?」


「はい」


「アランを部屋で休ませておいて。

 僕は少し出かけてくるから」


 着くなりてきぱきと指示をしていく兄上に見入っていると、いつの間にか自分の分の指示も出されていた。まだ平気ではあるんだけれど、少し馬車酔いしてしまって気持ち悪かったんだよね……。荷物はほかの人に任せて、サイガにさっそく部屋に案内してもらいました。


「そういえば、兄上はどこに行ったの?」


 こんなついて早々に行かなくちゃいけないところなんてなかなか想像がつかない。さあさあ、と急かされるように楽な格好に着替えてからベッドへと入る。するとすぐにサイガが水を持ってきてくれる。この流れるような作業はさすがとしか言いようがないよね。


「申し訳ございません、私も把握していなく……。

 どうしても気になるようでしたら確認してまいります」


「いや、大丈夫。

 兄上が帰ってきてから聞いてみるから」


「かしこまりました。

 おそらく夕飯はご一緒になるかと思います。

 それではしばらくお休みください」


 そう言ってサイガが部屋を出ていくと途端にしん、となる。途中でよらせてもらったお屋敷はどこも立派だったけれど、やっぱり自分のベッドで寝るのが一番落ち着く。ベッドに関しては領都のものと全く同じものを用意してくれているから、なんの違和感もなく眠れるのだ。大丈夫と思っていてもやっぱり緊張していたんだな、そんなことを思いながらいつの間にか眠りに落ちていた。



 結局、夕飯は一緒に食べることはなかった。兄上が帰ってこなかったとかではなく、僕が部屋で食べることになってしまったのだ。うう、本当にいつまで経っても慣れない……。


「おはよう、よく眠れた?」


「おはようございます、兄上。

 ええ、それはもうぐっすりと……」


「よかった。

 途中の屋敷ではあまりしっかりとは寝れていないみたいだったからね」


 ああ、ばれていたのか……。翌朝の朝食の場。そんな会話を兄上とかわしながらもひとまず昨日気になったことを聞いてみることにした。


「昨日はどちらにお出かけになっていたのですか?」


「ああ、王都へ着いたことの挨拶に少しね」


「でも、お疲れの中行かなければいけないなんて……」


「まあ、今日行ってもよかったのだけれど、それはそれで面倒でね」


 そう言いながらどこか遠い目をする兄上。何かいろいろと苦労されているのですね……。これ以上は聞くまいと今は目の前の料理に集中することにしました。

 

「そうだ、昨日のうちに王宮にも挨拶に伺ったのだけれど、シフォベント殿下が会いたがっていたよ。

 都合がいい日時を伝えておくといい」


「シントが! 

 はい、そうします。

 フレン兄上たちにもお会いできるでしょうか?」


「フレン?

 フレンならこちらから挨拶に行ってもいいのではないか?

 おじい様方はアークレッフェ領に帰られているだろうけれど、叔父上たちは残られているだろうからね」


「ご挨拶に行きたいです」


 そういうと兄上がちらりと自分の執事のほうを見る。それだけでその人は兄上が何を言いたいのかわかったようで一礼して離れていった。さすがの連携だな……。


「じゃあ日程が決まったら伝えるね」


「はい、よろしくお願いいたします」


 今はご飯を食べてしまわないと、その一言に僕は慌てて食事を再開することとなった。ちなみに部屋に戻った後はさっそくシントへいつ行っていいのかのお伺いを立てました。



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