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すみれ荘には普通の人間がいない 〜元・天才フィクサーの平穏な日常は、深夜のキッチンで崩壊する〜  作者: リリリリス
【第二章:共犯者たちの学園狂騒曲】

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第四十三話:精神性発汗(マイクロ・スウェット)の超絶リズムゲームと肉汁大爆発する極厚チキン南蛮の悪魔的タルタル雪崩

グラウンドを吹き抜ける木枯らしが、学園の窓ガラスを鋭利な刃物のように叩きつける放課後。

生徒会室の空気は、暖房の熱気すらも一瞬で凍りつかせるほどの、異常なまでの緊張感に満たされていた。俺——相沢湊は、いつものように「平均点モブ」の無害な鉄仮面を顔面に貼り付け、パイプ椅子に背筋を伸ばして座っている。

だが、デスク越しに俺を見据える生徒会長・西園寺玲王の手元には、指先と額に接続するケーブルを備えた、ポリグラフ(嘘発見器)の進化系のような仰々しい医療機器が設置されていた。


「相沢くん。人間は、声帯も、心拍も、脳波も、体表温度すらも、非科学的な気合いでねじ伏せることができるのかもしれない。……だが、交感神経が支配する『エクリン腺からの無意識の発汗』だけは、絶対に制御できない」


西園寺は手元のタブレットをスワイプし、俺の皮膚の表面で起きている微細な水分量の変化を、ミリ秒単位で可視化する波形グラフを表示させた。


「これは『超高精度・精神性発汗マイクロ・スウェットおよび皮膚電気活動解析システム』だ。人間が嘘をつき、脳に致命的な認知的負荷がかかった瞬間、掌や額の汗腺は無意識に開き、肉眼では見えないレベルの『冷や汗』を分泌する。……さあ、相沢くん。単刀直入に聞こう。君のその乾ききった鉄仮面の下に、裏社会を支配した天才フィクサー『M』の冷酷な汗が滲んでいるのではないかね?」


西園寺が、俺の毛穴の一つ一つまで監視しようとするような、底冷えのする笑みを浮かべた。もし俺がこの瞬間に、ほんの少しでも「言い訳」の論理を脳内で組み立て、交感神経を刺激して微小な汗をかいてしまえば、AIが即座にそれを『偽証の発汗』として摘発する。


(ついに毛穴からの分泌物まで数値化し始めたか。どこまでも人間の生理現象を追い詰める男だ。……だが、俺の汗を測ろうとしたこと、脳の処理限界を超えさせてトラウマにしてやる)


俺はブレザーの袖口の中に仕込んでおいた小型デバイスのスイッチを、手首の角度を変えてカチリと押し込んだ。すみれ荘の共犯者たちへ放つ、反撃のターン開始の合図だ。


その瞬間、生徒会室の窓の外——極寒のグラウンドから、「いやぁぁぁーーーっ! 誰か助けてぇぇぇ! 私は雪原のバナナじゃないわーーー!?」という、九条さんの凄まじく響き渡る悲鳴が聞こえてきた。

西園寺が驚愕して窓の外を見下ろすと、そこには、学園が冬山のパトロール用に導入したばかりの『大型ハイパワー・スノーモービル』の後方にワイヤーで繋がれた6人乗りの巨大な黄色いバナナボートにしがみつき、カチコチに凍った雪のグラウンドを、時速80キロの猛スピードで引きずり回されている九条さんの姿があった。

裏で拓海がスノーモービルの電子制御スロットルをハッキングして限界突破させ、雪上を爆走する「超高速バナナボート・マシーン」へと魔改造して暴走させているのだ。九条さんは四方八方に雪煙を撒き散らし、雪の段差でバウンドして宙を舞いながら、恐ろしい速度で振り回され続けている。


「な……何だあの遠心力を無視したトーイングは……!? 九条のやつ、なぜ極寒のグラウンドでバナナボートに乗ってロデオを極めているんだ……!?」

西園寺が驚愕のあまり完全に窓際へと吸い寄せられ、発汗解析モニターから完全に目を離した。

そのわずか一秒に満たない死角。インカムから、栞の極めてリズミカルなエンターキーのターン音が滑り込んできた。


『——私の描くミュージックステージへようこそ、傲慢な生徒会長。最先端の発汗マッピングを、今から最高に「ノリノリ」なバグに書き換えてあげるわ』


次の瞬間、西園寺の手元の解析モニターの中で、俺の皮膚電気活動データが致命的なバグを引き起こした。

最新のAIが、俺の微細な発汗の波形を『BPM200越えの超絶難易度・音楽ゲーム(音ゲー)の譜面データ』と完全誤認。画面内の波形グラフが突如としてサイバーパンク風の音ゲーUIに変形し、上から猛スピードで降ってくるカラフルなノーツに合わせて、画面の奥で3Dのアニメキャラクターが激しいパラパラダンスを踊り始めたのだ。

さらに、発汗ステータスは『感情:グルーヴ感1000%(フルコンボ・モード)』と判定され、スピーカーからは「ズンチャッ! ズンチャッ!」という爆音のユーロビートと共に、「PERFECT! PERFECT! YOU ARE THE DANCE MASTER!!(CV:テンションMAXのDJ)」という破壊的なシステムボイスがリピート再生され始めた。


「な、何なんだこのアーケード筐体は……!? 彼の精神性発汗の数値が……『音ゲーのパーフェクト判定』に変換されているだと……!? 彼の鉄仮面の下は、ゲームセンターだというのか……!?」

西園寺が窓際から戻り、モニターを見た瞬間、あまりのユーロビートの爆音と激しいフラッシュ演出に脳の論理回路が完全に崩壊し、激しい眩暈を起こしたようにデスクを掴んでよろめいた。過剰なグラフィック処理を強制されたスキャナーは、そのまま画面いっぱいに「CLEAR!」のスタンプを表示させたまま、完全にフリーズした。


「あの、西園寺会長……。僕の汗腺、そんなにフルコンボ決めてましたか?」

俺がわざとらしく首をかしげて尋ねると、西園寺は完全に精神のコアを破壊された様子で、蒼白な顔で椅子に崩れ落ちた。


「……いや、センサーが近くのゲーセンの筐体と混線したに違いない。相沢くん、もういい……。頭の中でユーロビートが鳴り止まなくて、論理的思考がステップを踏み外すんだ。今日の面談は終わりだ。早く帰ってくれ……」


完璧な科学の檻が、リズムゲームバグによって粉砕された屈辱。西園寺が深い絶望の中でこめかみを押さえるのを見届け、俺はペコリと頭を下げて生徒会室を後にした。


---


夜十一時。

極限の発汗制御と、極寒のグラウンドでの「爆走バナナボート」工作を終え、すみれ荘のドアを開けると、そこには案の定、完全に力尽きた三人の姿があった。


「おかえり、相沢くん……。もう、暴走するバナナボートの取っ手を死に物狂いで握りしめてたせいで、両手の指の形が完全にバナナのカーブに固定されちゃって、グーもパーもできないよ……。さむい……」

九条さんが、ソファの上で毛布にくるまりながら、顔を真っ青にしてガタガタと激しく震えていた。いつものキラキラしたトップアイドルのオーラは消え失せ、本当に両手を不自然に丸めたまま、氷の彫刻のように固まってしまっている。


「俺も……極寒のグラウンドでスノーモービルのスロットルをプロポでミリ単位制御してたから、指先の神経が完全に凍死したぜ……。星の巡りも『今夜は甘酸っぱいタレと暴力的なマヨネーズの海で溺れさせろ』って叫んでる……」

拓海が、ストーブに張り付くようにして倒れ込みながら、うわ言のように呟く。


「……脳の音ゲー譜面作成回路が完全に焼き切れたわ」

栞もまた、ノートPCの横でぐったりと突っ伏していた。

「相沢くんの微細な発汗データをリアルタイムで超絶難易度のリズムゲームに変換するなんて、私のシナリオ脳が限界突破したわ。相沢くん、今夜は私たちのこの凍え切った身体とすり減った脳細胞に、圧倒的なカロリーと、酸味とコクの大洪水を注ぎ込んでちょうだい」


限界の一歩先で戦い抜いた共犯者たち。

俺はブレザーを脱ぎ捨て、黒いエプロンをきつく締め直そうとした。

だが、その前に、ソファでガタガタと震え、青白い顔で両手をカチコチに丸めている九条さんの姿が目に留まった。


「……おい、九条さん。両手を出せ」

「ふぇ? あ、相沢、くん……?」


俺は彼女の前に片膝をつくと、冷え切って硬直した彼女の小さな両手を、俺の大きな両手で下から包み込むようにしてすっぽりと覆った。


「ひゃっ……」

俺の手のひらの熱に、九条さんの肩が大きく跳ねた。


「指先の末端神経が凍りついてるぞ。手が動かなくなったら、明日の作戦でマイクも握れなくなるからな。しっかり温めて血を巡らせろ」

俺は努めて冷淡な、あくまで「アイドルとしての戦力維持」だというトーンを装いながら、彼女の丸まった指を一本一本、優しく解きほぐしていく。

そして、まだ冷たさが残る彼女の手の甲を自分の口元へと引き寄せると、「はぁーっ」と長く温かい息を吹きかけた。


「あっ…………ん……」

息の熱と、指先を丁寧に揉みほぐす手のひらの感触に、九条さんは次第に震えを止め、ソファに深く身体を預けて心地よさそうに目を細めた。

そして、至近距離に顔を寄せた影響か、みるみるうちに彼女の顔から耳元にかけてが、ゆでダコのように真っ赤に染まっていくのが分かった。


「相沢くんの、手も、息も……すっごく、あったかい。……心臓の奥まで、ギュッて溶かされちゃうみたい……」

上目遣いでこちらを見つめてくる彼女の瞳はとろけるように潤んでおり、俺の手のひらの中にある小さな手が、明確な「熱」を帯びて、微かに精神性発汗マイクロ・スウェットを起こし始めているのが分かった。


トクン、と。

俺の胸の奥で、西園寺のどんな高性能リズムゲームでも絶対に叩き出せないであろう、巨大な心音のビートが跳ね上がった。無防備に手を委ね、吐息がかかる距離で見つめてくる彼女の姿が、元・天才フィクサーの冷徹な計算回路を容赦なく破壊していく。


「……もう十分に指が動くようになったろ。あとはストーブの前で大人しくしてろ」

俺はこれ以上自分の手のひらが緊張で汗ばむのを誤魔化しきれず、慌てて手を離し、逃げるようにキッチンへと向かった。

背後で、九条さんが自分のポカポカになった両手を胸の前で大事そうに握りしめながら、「もう……相沢くんってば、本当に不意打ちばかりなんだから……」と、幸せそうに小さく微笑む気配が伝わってきた。


---


「よし、お前ら。今夜は、その凍りついた身体とすり減った神経を一瞬で焼き尽くし、胃袋を限界まで満たす、すみれ荘至高のスタミナ揚げ物飯だ。『特製・肉汁大爆発の極厚チキン南蛮 〜焦がしにんにく甘酢ダレとゆで卵ゴロゴロ悪魔的タルタルソースの雪崩〜』を作る」


そのメニュー名が響いた瞬間、リビングの空気が一変し、三人の目が、飢えた肉食獣のようにギラリと輝いた。

チキン南蛮。それは、ただでさえジューシーな鶏もも肉を揚げ、甘酸っぱいタレにくぐらせた上に、マヨネーズの暴力であるタルタルソースをこれでもかと乗せる、カロリーと脂の理を完全に無視した最高峰の背徳料理だ。


俺が冷蔵庫から取り出したのは、一枚で三百グラムを超える、分厚く巨大な鶏もも肉。

塩と黒胡椒で下味をつけ、小麦粉をはたいた後、たっぷりの溶き卵にくぐらせる。この「卵の衣」こそが、特製の甘酢ダレを限界まで吸い込むスポンジの役割を果たすのだ。


煙が立つほど熱した油のプールに、主役である極厚の鶏肉を静かに滑り込ませた。


```

——ジュワァァァァァァァァッッッ!!!


```


凄まじい爆音と共に、卵の衣が黄金色に揚がる香ばしい匂いと、鶏肉の脂の甘い香りが一気にリビングへと解き放たれた。空腹の胃袋にダイレクトアタックを決める凶悪な匂いだ。


鶏肉が揚がるのを待つ間、横のコンロで「特製甘酢ダレ」を沸かす。

醤油、黒酢、みりん、多めの砂糖に、輪切りの唐辛子と「すりおろした大量の生にんにく」を投入し、グツグツと煮詰める。

油から引き上げたばかりの、ジュージューと音を立てる極厚チキンを、その熱々の「焦がしにんにく甘酢ダレ」の鍋へと直接ダイブさせた。


```

——ジュワァァァァァァァッッッ!!!


```


激しい湯気と共に、黒酢のツンとした酸味とにんにくの強烈なパンチ、そして甘い醤油の香りが完全に一体となり、スタミナの活火山が形成される。


そして、最後の仕上げだ。

山盛りにした千切りキャベツの上に、タレを限界まで吸い込んで琥珀色に輝く極厚チキンをドカンと鎮座させる。

その上から、自家製の「悪魔的タルタルソース」を投下する。粗く刻んだ大量のゆで卵、玉ねぎ、ピクルス、そして隠し味の練乳と黒胡椒を、これでもかとマヨネーズで和えた、まるで「食べるソース」だ。

それを、極厚チキンの上から雪崩のようにドバァァァッと覆い尽くした。


---


「さあ、衣がタレを吸ってへたる前に、タルタルソースごと豪快に喰らいつけ」


目の前に置かれた大皿は、まさにカロリーの要塞だった。琥珀色の甘酢ダレが染み込んだ極厚チキンの山脈を、黄金色のタルタルソースの雪崩が完全に飲み込んでいる。


三人は、限界を迎えた胃袋に突き動かされるように、一斉に箸を突き立てた。

九条さんが、タルタルソースがダクダクに絡んだ特大の一切れを、ハフハフと息を吹きながら大きな口を開けて頬張った。

次の瞬間、彼女の瞳が衝撃で大きく見開かれ、身体がビクッと震えた。


「————っっっ!!! んんん〜〜〜〜〜っっっ!!! 柔らかいっ! 噛んだ瞬間、鶏肉の肉汁が大爆発しちゃったよ!」


九条さんが、両頬を抑えて、幸せのあまり身悶えして叫んだ。さっきの青ざめていた顔から一転、今は顔中が「幸福の熱源」で真っ赤に染まっている。


「お肉が信じられないくらい分厚いのに、すっごくフワフワでジューシーで! そしてこの衣……! 黒酢の酸味とガツンとくるにんにくのパンチが染み込んでて、それだけでも美味しいのに、そこにこの『悪魔的タルタルソース』が混ざると、もう脳みそが完全にショートしそう! ゆで卵がゴロゴロしててコクが凄まじいのに、ピクルスの酸味で無限に食べられちゃう! キャベツと一緒に食べると、タレとマヨネーズの旨味が全部絡み合って、白米が秒速で消えちゃう! 凍えてた身体が、一瞬でポカポカになっちゃったわ!」


「うおーっ、美味すぎる!! なんだこの甘味と酸味の暴力は!」

拓海が、額の汗を拭うのも忘れて、タレが染み込んだご飯ごとチキンを豪快に口に放り込んでいる。

「にんにく甘酢ダレのキレと、タルタルソースのまろやかさがギャップ萌えすぎて、箸がマジで止まらねえ! 寒さで死んでた指先の神経が、肉のエネルギーで一気に覚醒していくのが分かるぜ! このタレとタルタルが混ざったキャベツだけで、丼飯が三杯食える!」


「……至高のマリアージュね」

栞もまた、恍惚とした表情で肉を頬張り、眼鏡を曇らせていた。

「黒酢の酸味という『鋭い刺激』と、タルタルソースという『全てを包み込む優しさ』。西園寺くんがどれだけ冷徹にこちらの発汗をスキャンしようとも、このチキン南蛮がもたらす圧倒的な至福の汗の前には、彼のAIなどただのバグデータに過ぎないわね。この共犯関係の美味しさは、誰にも暴けないわ」


深夜のすみれ荘に、ただひたすらに肉を噛み砕き、タルタルソースをすくう幸福な咀嚼音だけが響き渡る。

俺自身も、自分の分のチキン南蛮を口に運び、その突き抜けるような美味さに小さく息を吐いた。

濃厚なにんにく甘酢の風味と、ゆで卵たっぷりのタルタル、そして口の中で弾ける鶏もも肉の圧倒的な肉汁。それが一日中モブを演じ、裏工作を仕掛け続けた俺の身体を、最高に心地よく満たしていく。


西園寺玲王。お前は科学の力と皮膚の発汗で、俺たちを孤独なシステムの中に追い詰めようとしている。だが、お前がどれだけ網を絞ろうとも、俺たちにはこの食卓がある。同じ飯の美味さに感動し、互いの窮地を笑いながら救い合う、この歪で、けれど絶対に壊れない絆がある。


ふと見ると、隣に座る九条さんが、箸をくわえたまま、じっとこちらを見つめていた。その瞳には、さっき手を温めた時の、ほんのりとした熱がまだ確かな色として宿っている。


「……相沢くん」

「ん? なんだ、タルタルソースが鼻の頭についてるぞ」


「えへへ。……ねえ、相沢くん。私、相沢くんに手を温めてもらった時のこと思い出すだけで、この音ゲーの画面みたいに、心臓がフルコンボになっちゃうんだよ?」


その直球すぎる笑顔と爆弾発言の直撃を受け、俺は危うく食べていたチキン南蛮を喉に詰まらせそうになり、激しくむせながら視線を逸らした。胸の奥の不自然な高鳴りと顔面からの微小な発汗は、どうやらこの強烈なガーリックと甘酢の熱量だけのせいではなさそうだ。


「お、おい、九条さん! 寝ぼけたこと言ってないで早く食え! タルタルソースがもったいないだろ!」


「はーい! 満腹中枢はとっくに肉汁と一緒に爆発しちゃったもん! あとお肉二切れとタルタルマシマシで追加お願い!」


「あはは、俺もおかわり! 湊、明日の西園寺の『音ゲー・トラウマ報告書』の顔を見るのが今から楽しみだな?」


「……私の小説の第十八章は、西園寺くんの『ユーロビート恐怖症』で決定ね」


夜が更けていくすみれ荘。

窓の外では冬の寒風が冷たく吹き荒れているが、このダイニングテーブルを包むチキン南蛮の熱気と、共犯者たちの暖かな笑い声、そして、手のひらの温もりと共に静かに、けれど確実に育まれ始めた二人の熱量は、どんな策謀の影をも寄せ付けないほどに、どこまでも優しく、力強く燃え上がっていた。

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