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翌朝話に聞いていた「スカウト」自慢の食堂車に早速、松川さんと二人乗り込んでみた。
とは言ってもいきなり食堂車に行ける訳でもなく、食堂車の席は50席もなく、数百人も乗客がいる「スカウト」では予め食堂車掌が全ての乗客に食事の希望時間を聞いて予約を取り予約カードを配るシステムとなっていた。ただ数が多い場合は第一陣、第二陣という形での案内をハンドベルを持ったベルボーイが各車両を回る。
朝の6:30から「ポン、パン、ポン」とハンドベルを鳴らしながら「最初の朝食の時間です。」と! いい目覚ましである。
あまり、人ごみに巻き込まれないように朝食は朝の6:30にしていたため第一陣となり、リクライニングから立ち上がり大きく背伸びしてから、松川さんと共に列車中央部にある食堂車に向かう。
多くの人は起きていたが、朝食を持参してきている人も結構いるようだった。列車従業員の宿舎と兼用になっているラウンジ車の先に食堂車があった。食堂車の入り口でスチュワードが出迎えて、空いている席に案内してくれる。幸い食堂車にはそれほど朝一番の人が多くなく空のテーブルに案内され、すかさずウェイターが日系人であっても差別なくオーダーを聞いていく。もっとも彼らはアフリカ系アメリカ人であり、伝統的に鉄道のウェイターは職業ジョブとして歴史があったそうだ。彼らは揺れる列車であってもスープをこぼさず、マナーをしっかりマスターした高度な技能集団であった。
俺はスクランブルドックにベーコン、トーストにコーヒーを頼み松川さんはフレンチトーストにハム、ハッシュドポテトに紅茶を頼んだ。料金は1人50セントでチップは15~20%がエチケットらしい。1日3回の食事をしても、2~3ドルしかかからず高品質の食事が提供される言葉に嘘はなかった。
食堂車のテーブルは清潔な白いリネンのテーブルクロスが広げられて、陶器の皿にナイフ・フォーク・スプーンなどのカラトリーは
全て銀製品であった。食事はまずまずの味でありこの料金から言えば大変よろしいと言える水準だった。
チップはウェイターが支払い伝票を持ってきて料金を支払った後、テーブルの上に置いておくというのがマナーですと松川さんに教わった。
初日の一番早い時間帯であったため相席とはならなかったが、普通は次々と来る乗客によって相席になることで、場合によっては結構話が弾んで、隣のラウンジでカードをしたり、飲み物を飲みながらゆっくり話し込んだりすることも旅の醍醐味としてあるという話だった。初めてのアメリカの割に松川さんは情報通だ。何処で縁ができるか分からないし・・・。
朝食を食べてから席に戻ると、ススキさん一家はおにぎりを食べていた。アメリカの米は安くて思いの他美味しい。そう言えばシカゴの名物はすき焼きごはんという話だったのを聞いたから、是非味わってみたいと考えていたところである。
席に落ち着いてからしばらくは、ニューヨークへ行ってからの対策を考えていたところ、いつの間にかにスチュワードがランチの予約を聞きに回る時間となっていた。




