その世界について
Twitterで、気ままに呟くスタイルで書いていたんですが、自分のミスでアカウントに入れなくなり、続きも書けないので、ちょっと嗜好を変えて、ほのぼのと、こちらに書き直していこうと思います。
アカウントは消せずに残っているので、探せば見つかるはずです。今後もネットの海に漂い続けるでしょう。
気まま書いていきます。
よろしくお願いします。
神は、そこに六つの元子を創られた。
火、水、地、風、雷、金、
六つの元子はお互いに調和した。
そして、一つの大きな球となった。
これが世界の始まりである。
神は、次に精霊を創られた。
精霊は、世界に数多の元子を生み、循環させた。
精霊は、世界を構成する役割を担った。
神は、精霊たちを自分の姿に似せて創られた。
神は、次に球の地表に一つの種を落とされた。
地に落ちた種は、芽を出し、根を張った。
芽は、みるみる成長し、木と成った。
その木は、やがて大樹となり、枝に大きな実を宿した。
木の実が自らの重みで、地に落ちると、
その木の実から生物が生まれた。
生物たちは、次第に数を増やし、地上に広がった。
生物たちの繁栄は留まることがなく、空を飛ぶもの、海に潜るもの、その姿は様々に変化し、世界は瞬く間に生物で溢れ、世界は狭くなった。
生物たちは、形の違う生物と争うようになった。
たくさんの生物が死に、種が滅んでいった。
しかし、しばらくすると生物たちは争いを止めた。
三種の生物が頂点に立ち、世界を統制し始めたからだ。
鼻が効き、力が強い、毛に覆われた獣。
感が鋭く、柔軟な身体の、毛の少ない獣。
手先が器用で、狡賢い、毛を生やした獣。
神は、三種の生物を自分の姿に似せて創り替えられた。しかし、彼らの過ちは大きく、精霊のように完全な神の姿とはならなかった。
彼らには獣の名残として尾が残った。
彼らは自分たちを「尾人」と呼び、世界に繁栄した。
鼻が効き、力が強い、毛に覆われた獣は、骨格が太く、大柄で力強い、身体能力に長けた尾人『エクリプス(犬尾人)』となった。
感が鋭く、柔軟な身体の、毛の少ない獣は、骨や身体がしなやかで長身、五感が鋭い尾人『スピネル(蛇尾人)』となった。
手先が器用で、狡賢い、毛を生やした獣は、エクリプスとスピネルの中間の体躯を持ち、知能が高い尾人『アパタイト(猿尾人)』となった。
違う種であった生物は、同じ種となった。
しかし、三尾人たちの間に争いがなくなることはなかった。
その後、三尾人たちは、世界の中心とされる大陸の領土を奪い合いながら、それぞれの国を作った。
エクリプス(犬尾人)は、二カ国に分かれた。
太陽の国と月の国である。
スピネル(蛇尾人)は、三カ国に分かれた。
明星の国、白昼の国、悠久の国である。
アパタイト(猿尾人)は、六カ国に分かれた。
火の国、水の国、風の国、雷の国、土の国、金の国である。
その大陸の中心には、恐ろしいほど高い霊峰が聳え立ち、三尾人は、自分たちをつくった神をそこに祀った。
霊峰を囲うように、大陸の中央に位置するエクリプスの『太陽の国』、スピネルの『明星の国』、アパタイトの『火の国』の三国の争いは、止まることを知らず、ただただ愚かな争いを続けた。
しかし、ついにその争いの歴史に終止符が打たれようとしていた。長年の争いとそれぞれ尾人間の差別撤廃を行うべく、中央三国は、同盟を結ぶことに話が終結しようとしていた。
それは、まるで夢のような、尾人の誰もが待ち望んだことだった。大陸全体が、胸の奥でそっと、その期待感に包まれていた。
この偉大な提案をしたのが、エクリプスの太陽の国「帝王ダイナ」であった。これに、スピネルの明星の国「聖帝イストアレ」が賛同した。二カ国の結束により、遅れてアパタイトの火の国「皇帝アルバニア」がそれに同調した。尾人の歴史は、新たに動き出したかのように思えた。
そんな時に、全くもって関係のない他所者が1人、この世界に転移したのだった。