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バブみ

甘い匂いがする、どこか懐かしく愛おしい。脱いだ下着の内側を嗅ぐと、その匂いはいっそ強く感じられた。

なんだろう、優しい甘さだ。もし予感が事実だとすれば今の自分にとって欠片も優しくないが。

張り詰めた胸の回りに指をやり、恐る恐る肌を押さえつけると、


「ナ、ナオ。それって・・・。」


胸の詰まりが抜ける感覚と共に、嫌な予感は的中した。ノエラも困惑している。やめろ言ってくれるな。死にたい恥ずかしい。

なんでこんな身体になってるんだ泣きたいぞ、本気で。感情の昂ぶりに頬が焼けそうだ。なんで。なんでこんなことに・・・

俺は19歳のちょっと内気な引きこもり青年なんだぞ。妊娠どころかそのための行為もしたことはないのに。

いや普通いくら中卒で無職でネトゲーマーでも19歳の青年は妊娠しないが、そういうのじゃない。絶対おかしい。そういう以前の話として。


「おっぱい・・・だよね?」


ああ・・・言われてしまった。

胸から液体をぽたぽたと垂れ流しながら、俺は立ち尽くしていた。

・・・死にたい。


――――


恥ずかしさと情けなさ、悔しさが脳をグルグルと回る。一方で胸の内側はとても軽くなっている。そんな身体になっていることが、何よりも屈辱的だった。

感情の波の中で、自分の中の何かが死んでいくのを感じる。何なんだこれは。

元々死んだように生きていたけれど、プライドというかこれ以上恥ずかしいことなどないと思っていたのに。

死にたい。なんだよ本当にこれ。死にたい。帰りたい。帰る場所などないが。


「えーっと、これで大体出しきれたのかな?」


ノエラはそんな自分に対して明るく振る舞ってくれていた。その優しさが少しだけ痛い。

正直言うとノエラの手でほぐされた胸もちょっとだけ痛かった。いや楽になったほうが圧倒的に大きいけれど。


「・・・」


何も言えず俯いていた。ノエラには感謝しないといけないのに。

そんな自分をノエラは母乳を吸った布を顔に近づけ、匂いを軽く嗅いでいた。

文に起こすと変態的なのだが、なんとなくやってしまう気持ちは判る気がする。


「なんか、ママの匂いって感じ・・・。」


「・・・」


・・・死にたい。


「よしよし。」


俯く自分をノエラが抱きよせ、背中を優しく撫でる。

ちょっとだけ落ち着いた気がする。自分にもマトモな母親がいればこんな感じだったのだろうか。

今は自分が母乳を出しているわけだが。なんだろうノエラっておかあさんだな・・・。

年下であろう少女に甘えてこんなことを言っているのも、相当気持ち悪いのはわかっているのだが。今はいいやと思えてくる。

そのまま何も言わずにノエラの薄い胸元にしばらく抱かれていた。


「落ち着いた?」


「・・・うん。」


今ならノエラにも言えそうだった。


「・・・ありがとう。」


それに返事するかのようにノエラに背中をまた撫でられる。

・・・なんかそろそろ恥ずかしくなってきたぞこれ。離れようとするが、ノエラの抱く力が思いの外強い。

ていうかこれ髪の臭いを嗅がれてないか、息が荒いし、なんかちょっと危うい雰囲気があるぞ。

さっきまでおかあさんとか心のなかで言ってたが、ちょっと正直引いてる。


「あの、もういい・・・。」


「ご、ごめんねっ!ちょっと・・・やりすぎたっ!」


ノエラが抱いていた腕を離す。正直ちょっと怖かった。今のは何だったのだろう。

ノエラから離れて、服を着ようとするが下着が濡れていることを思い出す。どうしよう何着よう。

ゲーム内の超高額(49億メタス)な服よりも、ユニクロでいいから着替えのシャツとか下着が欲しい。ユニクロ結構高いが。

床に置いてある母乳で濡れた下着を見る。このまま上半身は裸で過ごさないといけないのか。


「その、悪いんだけど・・・代えの服とかないかな?」


「あるけど、それより前にもっと凄いものがあるよっ!」


「・・・そうなの?」


ノエラが懐から玉を取り出す。スキルジェムより2,3回りほど大きい。


「ふっふっふっ・・・これぞソラノメ族の技術の粋を集めた新開発の魔法具、アープの玉っ!」


「・・・なにこれ。」


「ふっふーん。まずこの玉の中に服を入れます。あ、ギリギリ全部入ったよかった。」


ノエラと自分の脱いだ服が全部あの玉に吸い込まれた。これが魔法具って奴なのか。

なかなか便利そうだなと、ちょっと感心する。


「そしてこれを身につけてしばらくすると、服が自動で洗濯されて乾きます。すごいっ!」


自慢気にノエラが言う。ソラノメ族ってそういう魔法具を作っている部族なのだろうか。

試しに軽く触ると、ピーと電子音のような音が鳴った。自動で服が出てくる。

ちゃんと畳まれてシワもない状態だった。なかなかすごいなこれ。


「まあ時間はちょ・・・あれ。え・・・え・・・え?」


ノエラが急に戸惑うような様子だった。もしかしてこれ壊してしまったのか・・・?

そう思った次の瞬間、ノエラが大きな声をあげた。


「・・・ええーっ!?す、すごい!凄いよっ!ていうか何なの!?今何したのっ!?」


何が凄いのかよくわからないが、何か驚かれている。ていうか隣の部屋に迷惑だったりしないだろうか。


「普通それ、洗濯から乾燥終わるのに半日以上掛かるよっ!?うちのおじいちゃんくらいの魔力でも10時間は掛かるし!」


あこれってそういう本人のステータス依存なのか。

まあ一応ウィザードLv120のスキルあったしなあ。ていうか母乳もあれか。もしかして、下の方にあったスキルのうちのどれかの影響なのか・・・?


「これなら・・・もしかして・・・。」


ノエラの期待の眼差しを向けてくる。眩しい。なんというか、いたいけな少女を騙しているような罪悪感がする・・・。

妙に申し訳ない。それとここまで母乳の事情に触れなかったノエラは優しいなとふと思った。

搾乳シーンをやりたかったのですが、さすがにR-18になっちゃうかなと思い諦めました。

やりたかったんですけどね、悲しい。

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