砂漠の花は根を張らず
なにが書きたいのか
敷島茂樹
彼はこの日常がどこかで終わることを予期していた
それが吉田の襲来によるものだとは思っていなかった
この好きで好きで嫌いな日常
机のうえに置かれた砂時計に砂漠を連想する
彼女はキャリアで、自分は取り残されるのだろう
どうしょうもない…どうしようもなかったのかもしれないこの焦燥感が嫌いだった
………………
吉田
吉田府長
敷島が属する「課」
いくつかの課の統括の「部」
そしてさらにそのうえの「府長」。
この国に十二個しかない都道府の一つ
九京府
のトップである
ちなみに首都は十京都である
「どうもこんにちは敷島くん」
「私は吉田」
予期せぬ(?)人物の登場に
一瞬の思考停止の後
自分の状況を俯瞰する
「すっ…すいません!吉田様に指を指すなんて無礼な真似をっ…」
あっ…
吉田様。今どき高級ホテルぐらいでしか使われない呼び方である
「その子とは…どういったご関係なのですかな?」
「え」
好きな人だ
真っ先に出てくるあたり、自分も中々純な男。
「同僚でございます、はい」
茂樹は答えた
「ああ好きな人なのですか」
吉田が笑う
見透かされた恥ずかしさより驚愕と疑問が浮かぶ
確かに自分は同僚だと答えたはずだ
気づかず口を滑らしちゃった!
そんなベタベタな展開は今どきないだろう
「ちょうどよかったです」
なにがー
間髪を入れずに、食い気味に
「彼女を殺してください」
吉田は不敵に笑った
敷島は当然笑えなかった
なにが書きたかったのか




